『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

禍中日記 その7『すべてのヱヴァンゲリヲンとソニーボーイ』

2021-10-04 | Life(日常):書いとかないと、忘れちゃう

7月某日。

ちょっと自分的に不思議なことが起きたので、メモを残したい。

あくまで日記なので、エヴァンゲリオンそのものにフォーカスした文章でない点はご容赦を。


++++


あれは、今年3月でしたっけ?

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』の庵野監督の回を見まして。

翌月、再編集版の『さようなら 全てのエヴァンゲリオン』もBSで見て。


苦労を重ねたスタッフの皆さんが、完成試写でようやく自分を解放している姿を見て、御多分に漏れずジーンと来てしまい。

コロナ禍で映画館にもろくに足を運べてませんでしたが、「これは、鶴巻さんたちにお金が落ちる形で観なければ」と。


そんで本当に公開終了間近になって、駆け込みで映画を鑑賞。

(都内の某映画館で観たんですが、お客さんってコロナでも全席入れるんですね。座席を間引くのかと勝手に思ってました)


自分はエヴァの熱心なファンとはとても言えないけど、思いっきり『世代』なんで、一応通ってはいます。

1995年のTV版放送から25年。

頭の片隅、どっかにはシンジくんやミサトさんやレイやアスカが居たことになる。

ついぞ、私が加地みたいな真の大人の男になることは無かったわけですが・・・。


とすれば、これって凄い大事な作品ですよね。

25年を経て、本当に紆余曲折を経て、いよいよ完結を見るわけだから。


ところがね。

いざ、映画が始めると、あんまり集中できなくて。

それは、ぼーんやりと、頭の中で『Sonny boy』のことを考えてたからなんです。


++++

普段アニメは見なくて。

それは10年前にあらゆるゲームを完全に止めたのと同様、他のことに自分の時間を使いたいからなんだけど。


『Sonny Boy』に関しては、ハライチの岩井勇気がその初回を評して、

「なんだかよく分かんない世界観のアニメなんだけども、ずっと無音で通してたのが、第一話の最後の最後になって、急に銀杏ボーイズの『少年少女』がじゃーんってかかる瞬間に「なんだか分んないけど、すげー!」って思って」

「めちゃくちゃ心を揺さぶられて。ワクワクした訳」

・・・って言ってるのを聞いて、面白そう!と思って、見てみたんです。


キャラクターデザインが懐かしの江口寿史(『ストップ!!ひばり君!』)だし。

今どき珍しい(のかな?)、原作なしの完全オリジナルストーリーで。


いざ、見てみると、それは私が好きな「時に囚われる」ことがテーマで。

面白いと思いましたね、ごく控えめに言って。

Sonnyは、「坊や」とか「若造」と言った意味合いですが、本作でそのままの意味なのかは分かりません。



++++(Sonny boyのストーリー)++++

長い長い夏休みも半ばを過ぎた8月16日。

学校に集まっていた中学3年生・長良たちは突然、思いも寄らない事態に巻き込まれていた。

長良自身はもちろんのこと、謎の転校生・希や瑞穂、朝風ら、36人のクラスメイトとともに、学校が異次元に漂流 してしまったのだ。

しかも彼らは、漂流と同時にさまざまな能力を入手。

人知を越えた能力に大喜びし、好き勝手に暴れ回る者もいれば、リーダーとして他の生徒たちを統率しようとする者も、元の世界に戻るための方法を必死で探す者もいる。

次々と浮かぶ疑問の渦の中、理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が始まりを告げる。

果たして長良たちはこの世界を攻略し、無事に元の世界に帰ることができるのだろうか。

++++(以上、Sonny boyはこんなお話)++++


とにかく、映画館で、いよいよ完結するエヴァを観ながら。

あー、帰って、Sonny boy の続きが見たいなぁと(笑)


いや、決して『シン・エヴァンゲリオン劇場版』よりも『Sonny boy』のほうが良い作品だとか、そういう事ではない。

これだけのストーリーを遂に終わらせた庵野監督への敬意は尽きることがない。

(遂に作品を終わらせる事のない作者や監督の如何に多いことか・・・)


この時、満員の映画館で、自分に起こったことを正確に書くとすれば。

なんとなく、自分の中で満足したんだと思う。

ああ、このまますべての主要キャラクターに結末が与えられるんだな、と感じた瞬間に。


今、初めて観ている『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が、自分の中でクラシックになったんだと思う。

だから、誤解を恐れずに言えば、観る前からこの作品に飽きていた。


とにかく、自分の胸が

新しいストーリー、

まだ見ぬ作品に出合いたい、

という気持ちで満ちていた。

古典も素晴らしいけど、それを超えて、新しい、生まれたばかりの物語に。


これは、いささか懐古主義的な精神構造をもつ自分としては、素敵な状態だな。

と思った。

そんなお話。



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