きのうは小川未明小説研究会の集まりに参加しました 大雪の道路はぼこぼこ・・・
早めに出発して お気に入りの本町老舗喫茶店へ・・・ 課題の本をまだ読んでいなかったので
ノアールを飲みながら読みました 「花蔭の暗さ」 この小説は大正14年 早稲田文学に載ったもの
この年は未明が小説を書く最後の年 翌年には童話作家宣言をし 日本童話協会を設立した
内容は主人公の青年(未明自身)が春の日にカフェに入り 蛇の話を聞く
何度捨てても帰ってくる蛇の執念深さ 頭を砕かなければ 生き返ってくる蛇の話
その後家の玄関で黒い小さな蛇を奥さんが見つける さっそく石の上で蛇の頭をつぶす
季節は春 八重桜もおわり 緑が生き生きと輝きだす季節
新しく雇った女中さんが 蛇の話を聞き それは ひなたひかげ という名の怖い毒蛇だという
平和な生活の中でも この黒い蛇のように悪魔が 幸せな生活を奪おうと潜んでいる
・・この恐怖は いま咲き誇っている花が晩には地に落ちる それと同じく また同じ暗さであった
本文そのまま ↑
この小説を読んでいた私も 喫茶店にいて 他のお客さんの世間話に聞き耳を立てていた 不思議な偶然
研究会で頂いたお菓子 雪あかり・・梅の花の懐紙が粋な演出(大雪の日にいただくとは!)
小埜先生の解説 豊かで明るい生活の中にも確かに潜む悪魔(蛇)の存在 花蔭の暗さはそれを表す
小説家である未明は明るさの裏に暗さを見た 幸福の裏に不幸を見た
対極的な思考様式が未明の特徴である そのことの矛盾と調和が未明文学を未明文学らしくしている
明るさの裏に暗さを見ることは 逆に暗さの裏に明るさを見出す発想を呼び起こす
小説世界で現実の暗さを見出した未明は 童話世界で暗さの裏にある明るさをみいだそうとした
あああーーーなるほど そうだったのかあ。。 いままでもやっとしていたものが見えたきがした
小川未明の暗さの中にみえる灯 言葉にできなかったものと出会えた感動。。
この会に参加してきてよかったと思った瞬間でした 小埜先生はやはりすごい。。
あと一回で研究会もおしまい
ここまでやってきて 未明のことが うっすら ぼんやりとみえてきた気がした。。
まだまだ ここからなんですが・・・・
芥川竜之介は 運命は人間の性格のなかにある と言った
小川未明は 運命は人間の外から飛び込んでくるものであった。。