ドラッグストアの前で
わんこが吠えていた。
「わんわん!ママ、まだぁ?
わんわん!はやく~!!」
そんな風に吠えていた。
吠える犬はうるさい。
でも、「あの犬は・・。」
ママがやってきて
「おまえは、うるさい!」と
いって、わんこの頭をこつん!とした。
白いわんこは、ママと歩いていった。
白いわんこ、よかったね。
私は、あの子をしっている。
あのママが、里親になった直後、
あったことがある。
私の友達がいった。
「この子、保健所で、もう少しで、処分されるところだったのよ。
この人、里親になったの」
あのとき、白いコーギーみたいだけれども
コーギーじゃなくて、どうみても、雑種というか
ミックスの君は、悲しげでおどおどしていた。
卑屈な顔をしていた。
次にみかけたとき、少し明るい顔で
落ち着いていた。
そして、今日、
ママに、わがままをいえるようになったんだね。
ママを呼ぶ声は、ヒステリックな声じゃないって
わかったよ。
「ママ、まっているよ!
早くしてよ!」
少しだけ、ママの前方で歩いている姿。
ママの歩く速度と同じ。
姿勢がよくて、堂々と歩いている。
よかったね。
白いわんこ。
わんわん・わんこ。