みなさん、こんにちは
監督の角谷です。
だいぶ蒸し暑くなってきましたね。
先日は、事務局のみんなでラリー車の洗車をしました!
その時に思いついた、ラリー車のちょっと特殊な装備?を今回紹介させていただきます。
①ホーン
・実はドライバーの乗り降りをスムーズにするためハンドルは脱着式でホーンが付いていません。
別の場所に移設してますが、それが画像のようにドラ・ナビの間にあります。
競技中、どちらからでも鳴らせるようなレイアウトになってます。
しかも、激しい走行中の揺れの中でも、ちゃんと鳴らせるようにレバー式!
②キルスイッチ
・ラリー車にトラブルがあった際の火災防止(2次災害の防止)や、日々のメンテナスをする際に
危険防止(感電防止)のため、完全に電源を落として作業します。
実際のバッテリーそのものを外すのは時間を要するので、安全に素早くバッテリーを切れるシステムが
こちらの緑(ON)と赤(OFF)のボタン。
走行中に誤操作でバッテリーを切らないように、赤ボタン(パワーOFF)には、ボタン周囲にカバーが
付いて押しにくくなってます。
③ホイールナット(予備)
・競技中、パンクをすると当然タイヤを交換しますが、外したナットは室内に置くのがチームルール。
万が一、ルールを忘れてナットを失ったら大変なので、予備で装着してます。
ちなみに、今までこのナットを使ったところは見てません!
④グローブボックス
・こちらは、特殊ではないですが激しい走行中にグローブボックス内で工具や部品が飛び跳ねないように、
マジクロで貼り付けます。当然工具や部品側にも貼り付けてます!
⑤給油システム
・システムと呼ぶには原始的過ぎますが、燃料を給油する際は屋根の給油口からジャバラを通って
燃料タンクに入ります。(洗車したと言いつつ、天井洗うの忘れてました・・・(;´д`)トホホ)
⑥隔壁板
・競技中は燃料タンクも熱を持ち、車内の温度を上げてしまいます。
少しでも乗員の負担を軽くするため、乗員席と後部座席を隔壁板で仕切ってます。
選手曰く、取り付けた効果はあるけど、車内温度52度が50度くらいになるイメージ・・・だそうです。
⑦燃料タンク
・アルミ板で囲われた車両で一番大きな部品。約400リッター入ります!
やったことないですけど、北海道から鹿児島まで無給油でいけるかも!
⑧電動ジャッキ+ボード
・スタックやタイヤ交換時に使用する電動ジャッキ!ラリーには必須アイテムですね。
赤い板は、砂丘など砂が深いときにジャッキの下に敷くボード!
これが無いと車体が上がらず、ジャッキが地面に刺さっていくだけになります。
⑨ポーチ
・こちらも特殊ではないですが、競技中は普通の食事が摂れないため、サプリメントや補助食品を入れて対応します。
選手によっては、クッキーやキャンディーを入れる人も!ちなみに絶対チョコは入れない方がいいです。
⑩マップライト
・トラブルが発生し、夜遅くに帰ってくることもあるので、ナビゲーターがコマ図(ルートマップ)を
暗い場所でも確認できるようにライトを装備してます。
⑪脱出ボード
・砂丘でスタックした時に使用するボード!スタックした車両を電動ジャッキで持ち上げて、
浮いたタイヤと砂の間に挟み込んで脱出します。
派手な色にしているのは、現場で紛失しないための工夫ですが、前回大会でこの大きなボードが
砂に埋もれて見失うトラブルがありました。
⑫燃料ゲージ
・とてもアナログですが、燃料の残量をチェックするための棒です。
エンジンオイルのチェックをするときと同じように、燃料タンクにこの棒を差し込んで、
燃料の高さ(濡れた部分)で残量を確認します。
燃料は多く入れすぎるとおもりになるし、少ないとガス欠になるし、燃料マネージメントは
ラリーでは重要な要素の1つです。
そして、必ず水平な場所で計測すること。←コレめっちゃ大事です。
⑬ジャッキ穴
・スタックした時、電動ジャッキの棒を差し込む穴です。
砂丘の斜面などでタイヤ交換をする場面も多く、非常に危険を伴う作業ですが、この穴があるので、
安定して持ち上げることができます。
ちなみに激しくスタックした時などは、この穴も埋まることがあるため、室内にも穴を装備してます。
これも工夫の1つです。
⑭工具箱
・ドラ・ナビがトラブル対処時に使用する工具類が入ってます!。
この場所は、人が乗ったり、積んているタイヤを下すときに通ったりするので、とても頑丈に作られています。
⑮交換部品
・大会やステージの特徴によって、多少変わりますが、起こりやすトラブルなどを想定して
必要最小限の部品が搭載されてます。
使わずにビバークへ戻ってくれることが一番なんですけどね・・・。
⑯シュノーケル
・個人的にラリー車の雰囲気が一番出る部品かな!と思ってます。
これは空気の吸入位置を上部へ移動させる装置です。
ラリーでは砂埃が多く、そのまま吸気を吸うと、埃でフィルターが直ぐに目詰まりを起こしてしまうため、
少しでもフレッシュエアーを取り込みたいので、上部に設けています。
他にもステージによっては、小さな川を横断することもあり、多少の水深なら問題なく走行できます!
⑰牽引フック
・ラリー車がトラブって自走できないときや、ハードスタックで自力では脱出できない場合に使用する牽引フック
3tある車両を引っ張りだすので、根本はフレームに溶接されていて、非常に頑丈に作られてます。
過去に2号車の三浦DRは、この牽引フックを使って自走不可能になった1号車を100km以上も
牽引してチームを救ったことがあります。
⑱GPS
・競技期間中、主催者が各車両の位置を把握するために使用するGPS。コレがないと救助できないのでとても重要な装置。
⑲インテーク
・車外のエアーを取り込む装置。走行するとここから外気が入ってきます。
熱風です。ヘアドライヤーのHOTくらいの威力があります。
雨の日は、雨水も入ってきます。画像の様に走行時以外は、フタをしないと大変なことになります。
⑳ウインドウネット
・あってはならないことですが、ラリー車が横転して窓ガラスが割れても、遠心力で乗員が
外に飛び出ないようにする防御ネット。
改めて、危険と隣り合わせなんだと!気を引き締めなければいけませんね!
以上で、今回の特殊装備の紹介は終了です。
みなさん、どうだっだでしょうか?なにかご質問あれば、ホームページに質問・コメントくださいね!
砂漠を走るからこその工夫、勉強になりました。
私自身も国内地区ラリーに出ていて
ホイールナットの予備は持っていますが、
設置の仕方がナイスですね!
こういう装備品の違いとか見るの好きです。
今シーズンも頑張ってください!