Team Land Cruiser TOYOTA AUTO BODYのブログ

ラリー参戦活動の模様や、その他関連情報をお届けします。

ラリー車両の特殊な装備

2020-06-26 18:00:00 | 車両情報

みなさん、こんにちは

監督の角谷です。

 

だいぶ蒸し暑くなってきましたね。

先日は、事務局のみんなでラリー車の洗車をしました!

その時に思いついた、ラリー車のちょっと特殊な装備?を今回紹介させていただきます。

 

①ホーン

 ・実はドライバーの乗り降りをスムーズにするためハンドルは脱着式でホーンが付いていません。

  別の場所に移設してますが、それが画像のようにドラ・ナビの間にあります。

  競技中、どちらからでも鳴らせるようなレイアウトになってます。

  しかも、激しい走行中の揺れの中でも、ちゃんと鳴らせるようにレバー式!

②キルスイッチ

 ・ラリー車にトラブルがあった際の火災防止(2次災害の防止)や、日々のメンテナスをする際に

  危険防止(感電防止)のため、完全に電源を落として作業します。

  実際のバッテリーそのものを外すのは時間を要するので、安全に素早くバッテリーを切れるシステムが

  こちらの緑(ON)と赤(OFF)のボタン。

  走行中に誤操作でバッテリーを切らないように、赤ボタン(パワーOFF)には、ボタン周囲にカバーが

  付いて押しにくくなってます。

③ホイールナット(予備)

 ・競技中、パンクをすると当然タイヤを交換しますが、外したナットは室内に置くのがチームルール。

  万が一、ルールを忘れてナットを失ったら大変なので、予備で装着してます。

  ちなみに、今までこのナットを使ったところは見てません!

④グローブボックス

 ・こちらは、特殊ではないですが激しい走行中にグローブボックス内で工具や部品が飛び跳ねないように、

  マジクロで貼り付けます。当然工具や部品側にも貼り付けてます!

⑤給油システム

 ・システムと呼ぶには原始的過ぎますが、燃料を給油する際は屋根の給油口からジャバラを通って

  燃料タンクに入ります。(洗車したと言いつつ、天井洗うの忘れてました・・・(;´д`)トホホ)

⑥隔壁板

 ・競技中は燃料タンクも熱を持ち、車内の温度を上げてしまいます。

  少しでも乗員の負担を軽くするため、乗員席と後部座席を隔壁板で仕切ってます。

  選手曰く、取り付けた効果はあるけど、車内温度52度が50度くらいになるイメージ・・・だそうです。

⑦燃料タンク

 ・アルミ板で囲われた車両で一番大きな部品。約400リッター入ります!

  やったことないですけど、北海道から鹿児島まで無給油でいけるかも!

⑧電動ジャッキ+ボード

 ・スタックやタイヤ交換時に使用する電動ジャッキ!ラリーには必須アイテムですね。

  赤い板は、砂丘など砂が深いときにジャッキの下に敷くボード!

  これが無いと車体が上がらず、ジャッキが地面に刺さっていくだけになります。

⑨ポーチ

 ・こちらも特殊ではないですが、競技中は普通の食事が摂れないため、サプリメントや補助食品を入れて対応します。

  選手によっては、クッキーやキャンディーを入れる人も!ちなみに絶対チョコは入れない方がいいです。

⑩マップライト

 ・トラブルが発生し、夜遅くに帰ってくることもあるので、ナビゲーターがコマ図(ルートマップ)を

  暗い場所でも確認できるようにライトを装備してます。

⑪脱出ボード

 ・砂丘でスタックした時に使用するボード!スタックした車両を電動ジャッキで持ち上げて、

  浮いたタイヤと砂の間に挟み込んで脱出します。

  派手な色にしているのは、現場で紛失しないための工夫ですが、前回大会でこの大きなボードが

  砂に埋もれて見失うトラブルがありました。

  

⑫燃料ゲージ

 ・とてもアナログですが、燃料の残量をチェックするための棒です。

  エンジンオイルのチェックをするときと同じように、燃料タンクにこの棒を差し込んで、

  燃料の高さ(濡れた部分)で残量を確認します。

  燃料は多く入れすぎるとおもりになるし、少ないとガス欠になるし、燃料マネージメントは

  ラリーでは重要な要素の1つです。

  そして、必ず水平な場所で計測すること。←コレめっちゃ大事です。

⑬ジャッキ穴

 ・スタックした時、電動ジャッキの棒を差し込む穴です。

  砂丘の斜面などでタイヤ交換をする場面も多く、非常に危険を伴う作業ですが、この穴があるので、

  安定して持ち上げることができます。

  ちなみに激しくスタックした時などは、この穴も埋まることがあるため、室内にも穴を装備してます。

  これも工夫の1つです。

⑭工具箱

 ・ドラ・ナビがトラブル対処時に使用する工具類が入ってます!。

  この場所は、人が乗ったり、積んているタイヤを下すときに通ったりするので、とても頑丈に作られています。

⑮交換部品

 ・大会やステージの特徴によって、多少変わりますが、起こりやすトラブルなどを想定して

  必要最小限の部品が搭載されてます。

  使わずにビバークへ戻ってくれることが一番なんですけどね・・・。

⑯シュノーケル

 ・個人的にラリー車の雰囲気が一番出る部品かな!と思ってます。

  これは空気の吸入位置を上部へ移動させる装置です。

  ラリーでは砂埃が多く、そのまま吸気を吸うと、埃でフィルターが直ぐに目詰まりを起こしてしまうため、

  少しでもフレッシュエアーを取り込みたいので、上部に設けています。

  他にもステージによっては、小さな川を横断することもあり、多少の水深なら問題なく走行できます!

⑰牽引フック

 ・ラリー車がトラブって自走できないときや、ハードスタックで自力では脱出できない場合に使用する牽引フック

  3tある車両を引っ張りだすので、根本はフレームに溶接されていて、非常に頑丈に作られてます。

  過去に2号車の三浦DRは、この牽引フックを使って自走不可能になった1号車を100km以上も

  牽引してチームを救ったことがあります。

⑱GPS

 ・競技期間中、主催者が各車両の位置を把握するために使用するGPS。コレがないと救助できないのでとても重要な装置。

⑲インテーク

 ・車外のエアーを取り込む装置。走行するとここから外気が入ってきます。

  熱風です。ヘアドライヤーのHOTくらいの威力があります。

  雨の日は、雨水も入ってきます。画像の様に走行時以外は、フタをしないと大変なことになります。

⑳ウインドウネット

 ・あってはならないことですが、ラリー車が横転して窓ガラスが割れても、遠心力で乗員が

  外に飛び出ないようにする防御ネット。

  改めて、危険と隣り合わせなんだと!気を引き締めなければいけませんね!

 

以上で、今回の特殊装備の紹介は終了です。

みなさん、どうだっだでしょうか?なにかご質問あれば、ホームページに質問・コメントくださいね!



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2 コメント

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Unknown (tada)
2020-06-26 20:55:25
いつも楽しく拝見しております。
砂漠を走るからこその工夫、勉強になりました。
私自身も国内地区ラリーに出ていて
ホイールナットの予備は持っていますが、
設置の仕方がナイスですね!
こういう装備品の違いとか見るの好きです。
今シーズンも頑張ってください!
返信する
Unknown (miura)
2020-06-29 13:14:11
tadaさん、コメントありがとうございます。毎年少しずつ工夫を重ねていてこういった部分も含めると全く仕様が同じラリー車というのは2台と存在しません!是非イベントなどで実車展示の際、見に来てもらえたら嬉しいです!
返信する

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