釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

65. 深山木の冬のしげりの深き山。

2011-12-07 14:33:32 | 釋超空の短歌
深山木(みやまぎ)の冬のしげりの深き山。
 たゞひと木ある花の かそけさ。 (釋超空)
***
今年は既に一ヶ月もない。
月日の流れを今年ほど速く感じた年はなかった。

春には花が咲いたことさえ知らずに過ごした。

夏は突然やってきて我が身を容赦なく焦がし、
そして、いつの間にか去ったのだが、
秋が来たことに私には気付かなかった。

窓から外を眺めたとき木々から葉が落ちていることを知り、
秋が去ったことを知ったのだった。

そして冬がきた。
まだ雪は降らないが、その予兆は既にある。

私の家の庭の木々には花はない。
窓から見える遠い山々には、花を静かに咲かして木があるらしい。

次に控えている年は、さらに速く過ぎていくのだろうか。
そのような気もする。

次ぎに控えている年は、せめて春には花を感じたいものだ。

一枚の枯葉が落ちていた。

綺麗な色をしていた。

その葉を傍(そば)の石の上に、そっと置いた。

誰のために? 

それは、かの人のために。

そして我が魂のために。