深山木(みやまぎ)の冬のしげりの深き山。
たゞひと木ある花の かそけさ。 (釋超空)
***
今年は既に一ヶ月もない。
月日の流れを今年ほど速く感じた年はなかった。
春には花が咲いたことさえ知らずに過ごした。
夏は突然やってきて我が身を容赦なく焦がし、
そして、いつの間にか去ったのだが、
秋が来たことに私には気付かなかった。
窓から外を眺めたとき木々から葉が落ちていることを知り、
秋が去ったことを知ったのだった。
そして冬がきた。
まだ雪は降らないが、その予兆は既にある。
私の家の庭の木々には花はない。
窓から見える遠い山々には、花を静かに咲かして木があるらしい。
次に控えている年は、さらに速く過ぎていくのだろうか。
そのような気もする。
次ぎに控えている年は、せめて春には花を感じたいものだ。
一枚の枯葉が落ちていた。
綺麗な色をしていた。
その葉を傍(そば)の石の上に、そっと置いた。
誰のために?
それは、かの人のために。
そして我が魂のために。
たゞひと木ある花の かそけさ。 (釋超空)
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今年は既に一ヶ月もない。
月日の流れを今年ほど速く感じた年はなかった。
春には花が咲いたことさえ知らずに過ごした。
夏は突然やってきて我が身を容赦なく焦がし、
そして、いつの間にか去ったのだが、
秋が来たことに私には気付かなかった。
窓から外を眺めたとき木々から葉が落ちていることを知り、
秋が去ったことを知ったのだった。
そして冬がきた。
まだ雪は降らないが、その予兆は既にある。
私の家の庭の木々には花はない。
窓から見える遠い山々には、花を静かに咲かして木があるらしい。
次に控えている年は、さらに速く過ぎていくのだろうか。
そのような気もする。
次ぎに控えている年は、せめて春には花を感じたいものだ。
一枚の枯葉が落ちていた。
綺麗な色をしていた。
その葉を傍(そば)の石の上に、そっと置いた。
誰のために?
それは、かの人のために。
そして我が魂のために。