リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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TPPで考えた。マネー資本主義終焉後の世界。

2011年11月06日 | Weblog
TPPは経済問題でもない。(したがって経済学の理論でどうこういっているのは誤り。)
国や文化や民主主義をどう守るかという問題なのだ。
そして立ち向かうべきは相手アメリカではなく、多国籍企業・マネー資本主義・大量生産大量消費社会、文化侵略的なグローバリズムである。
FTA,TPPは、実はアメリカとその他の国家間条約ではない。
一見そのような体裁を整えてはいるが、実際はNWO(ニューワールドオーダー)が国家の障壁を取り除こうとして、グローバリゼーションを推し進めるための罠である。

こいったモンスターグローバリズムにはローカルの力で対抗するしかない。

地方紙ではもとより反TPPの論調も多かったが、TPP推進一色であった全国紙においても風向きが変わり始めている。
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たとえば毎日新聞

記者の目:TPP交渉参加は本当に必要か=位川一郎

内需を重視し地域自立型に。
貿易には資源を浪費し地球環境に悪影響を与えるというマイナス面があることも、忘れてはならない。
言いたいのは、もっと自国の足元を見つめようということだ。            

時代の風:TPP参加問題=精神科医・斎藤環
・・・TPP反対運動と、例えば「ウォール街を占拠せよ」と名付けられたニューヨークデモにおける人々の主張とは、格差社会への抗議と民主主義の擁護という点で一致することになるだろう。
・・システムよりも個人を、つまり壁より卵を擁護する立場だけは決して譲るまい、という覚悟・・



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密かに応援しつづけて来た民主党の逢坂誠二衆議院議員もブログで以下のように述べている。

おおさか誠二ブログ(11月5日)

(前略)
もちろん参加しない場合の
ジリ貧に対する処方箋も書かねばなりません。

しかしこちらは、
少しの間は、激流ではありません。

したがって今回の議論を奇貨として、
ある程度落ち着いて、
処方箋の内容を深めることができるのです。

私は、こっちの道を選択すべきだと思っています。

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私は、今回、残念だと思うのは、
目先の損得が中心の議論になっていることです。

そうではなく、
日本社会の大きなあり方を明示しつつ、
議論することが重要なのです。
(後略)
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11月5日の有楽町のデモで中野剛志京大准教授の演説でも・・。

有楽町に中野剛志降臨!演説(授業)動画と書き起こし・TPP交渉参加に反対する街頭演説会&デモ行進・民主党の山田正彦、原口一博、川内博史、小林興起らも・原口には帰れコール・2日連続で2000人参加!

第二次世界大戦前の政治家であった斎藤隆夫先生の演説を引用して以下のように述べている。

「我々が国家競争に向うに当りまして、徹頭徹尾自国本位であらねばならぬ。
自国の力を養成し、自国の力を強化する。
これより他に国家の向うべき途はないのであります。
この現実を無視して、唯徒(ただいたずら)に【開国】の美名に隠れて国民的犠牲を閑却し、曰く【自由貿易】、曰く【経済連携】、曰く【農業再生】、曰く【アジアの成長】、斯くの如き雲を掴むような文字を列べ立てて、そうして千載一隅の機会を逸し、国家百年の大計を誤るようなことがありますならば、現在の政治家は死してもその罪を滅ぼすことはできない!!!」
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そして是非みてもらいたいのが太平洋の向こう側の国であるアメリカ合衆国のウォール街でのデモの映像。
(日本語訳がもう少し丁寧なら良いのだが・・)
アメリカで、世界で、何が起こっているのかわかる。



「民間機関である連邦準備銀行(FRB)が制御の手の届かないところでいくらでも勝手に刷ることのできるドル札はもはやお金とはよべない。
インフレが隠れた税金として使われている。
金本位制を廃止し中央銀行を採用した1930年にこの国(アメリカ)は死んだ。
それから戦争ばかりしている。
10年以内に中流はいなくなる。1%が豊かであとは奴隷の社会になる。
企業を政治から追い出せ!連邦準備制度と部分準備銀行制度(信用創造)を廃止しろ。
戦争を終わらせろ!生産を米国に取り戻せ。連邦政府は国境を守るためだけにやとっている。
それ以外は市民の声のとどく州に権限を取り戻せ。
中東にいる必要はない!
兵器を売るために新しい国を侵略する必要はない!」

しかしアメリカではケネディ大統領をはじめこの支配の構造に手を付けようとした者はことごとく暗殺されて来た。
オバマ大統領も当初手を付けようとしたが、手を引いたようだ。
この若者は大丈夫だろうか?と思ったが、マイケルムーアも「シッコ」や「華氏911」なんて映画も作って明らかにしているし、きっとこういうことはアメリカ一般市民は皆知っているのだろう。

マネー資本主義はそれでも手が付けられないモンスターになっているということなんだろうか・・・。

アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体

TPPは全世界で反対されている、自由貿易ではなく公正貿易が必要

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個人の命、生活、地域社会を大切にした上に、グローバルなシステムに関わっていくというのが順番のはずなのだが、それが逆になってしまっている。まさにモンスターだ。

しかし世界は確実に動いている。

2011年9月にウォール街からはじまったデモは日本も含めた世界中に広がっている。
情報革命の力も得て、国をこえた連帯が巻き起こり、今後この、虚構の世界のモンスターであるマネー資本主義体制は断末魔をあげ崩壊にむかうだろう。
そして時代はグローバルではなく確実にローカルに向かうと思う。
ただしかつての閉塞的なローカルではなく、ITも使われることで世界とつながり盛んに交流がおこなわれるより精神的には自由なローカルだ。

ただこういったマネー資本主義終焉後の世界へどう平和的に移行していくかという青写真はまだ見えない。
(江戸時代やキューバなどヒントはあるのだが・・)

この潮流のなかで日本という国は、どうあるべきなのか、国際的にどういう役割を果たしていくのかというのが、今後考えていくべき政治課題であると思う。

医療は技術的な面ではグローバルなところもあるが、技術をどう適応するかと言う点において医療は文化であり文化はもとよりローカルなものである。
また、医療は市場やビジネスやサービスではなく、インフラであり愛である。

もとより病人や障害者といった弱者を対象としている。
人の命や生存権を喰いものにすることは許されない。

大企業栄えて国滅ぶ。騙されてはいけない。TPPは完全なる罠だ。