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精神科医師のブログ。
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一般開業医の訪問診療

2010年01月08日 | Weblog
本日は医師会の新年会だった。
(自分は医師会員ではないが病院から参加・・)

こじんまりとしており仲の良い医師会だ。
当地で開業されている医師会の先生方はみな気さくで、フットワーク軽く往診するような雰囲気がある。
いわゆる「町医者」という雰囲気の先生が多く、たんたんと医療実践をされいる。

在宅医療に関して、何人かの先生方にお話を伺ったところ、だいたいの先生が一桁の在宅の患者さんを定期的に訪問していた。
在宅医療支援診療所をとってる方はいなかった

訪問診療に関しては午後に訪問の枠をつくったり昼の時間に往診をしたりと様々であった。
病院勤務のときの専門性を活かし、癌ターミナルをみている先生もいらした。
携帯電話を常にもち、なるべく出るようにしているとのことで大変そうであった。

苦労しているのはやはり情報共有と連携らしい。
カルテの記録を訪問看護ステーションにFAXしたり、電話で連絡したり。
ベッドサイドの情報共有のノートもあるにはあるが詳しいことや本音は書けないとのこと。
主治医は家で最期まで行けると思っていても、遠くの親戚の横やりなどがあり、残念ながら最期の最期で病院に任せてしまうことになってしまうケースも多いという。

日中独居や高齢者のみの世帯の増加もあり、在宅医療の限界も感じている先生も多かった。

一般開業医にとって在宅医療にシフトせず、少人数のみの訪問診療だと大変な割には診療報酬などによる見返りは少ない。
たとえ在宅専門ではなくても、開業の先生方がずっと診ていた患者さんを最期までフォローできるような体制が作れると良いのだが・・。
(救急車で来るとしてもかかりつけ医からの連絡や紹介があればかなり違う。)

地域在宅登録制度(Webを活用した情報共有)や、地域の二人主治医制、在宅支援医療病棟や、病院からのバックアップ訪問診療・緊急往診体制の仕組みが出来ないものだろうか。


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2 コメント

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病診連携について (Dr.Pooh)
2010-01-09 10:47:58
初めておじゃまします。
私は内科で開業しています。当地域でも個人開業医で純粋に在宅だと10人以下の先生が多いと思います(当院もそうです)。一人でやることの限界だと思われます。
基幹病院の先生に伺うと,訪問診療については手間がかかるのでスケールメリットはあまりないのでは…とのことでした。あとは患者さん側を集約化するくらいでしょうか。
開業医として病院に期待するのはバックアップでしょうか。滅多に使わないけどあれば便利,くらいならそれほど負担をおかけしないのではないかと思うのですが。いずれにしても仕組みを継続するのなら,うまく意思疎通がとれることが大事なのでしょう。
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Unknown (とい@P)
2010-01-09 12:42:03
コメントありがとうございました。
地域に暮らす人を、まずは地域の医療者が診るという体制を作るためにはネットワーカーとしての医師同士の顔の見えるつながりが必要ですね。
鹿児島の中野先生のようにICTがうまく活用出来ればよいのですが。
病院としてどのようなバックアップ体制ができるか考えていきたいと思います。
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