病院の再構築に向けてコンサルタントを招いてのレクチャーと話し合いがあった。
コンサルタントの話は、それはそれで面白かったのだが・・。
「各部署の持っている情報を抽出して見える化すべし。50億借りて病棟を建て替え、返す時には病院を黒字にしてその時々の損益分岐点を確保しなければいけない。診療単価をあげるためには患者を確保し回転率をあげ、単価の低い患者は切って後方ベットを確保して送る。診療単価を把握した上で損益分岐点を目指すべし。」みたいな話だった。
しかし「収入は増やせ!出ていくお金は減らせ。人はそのあとだ。」ってのがおかしいんだよね。
理念があって、人がいて、その目的のために建物や経営がついてくるのである。
高齢者の多い過疎地で当院が「手術やインターベンションを行う方向で急性期よりに進化」するというのはどう考えても地域ニーズから離れていく気がする。
病院がたくさんある地域ではないのだから、自分のところの用事が終わったといって他の病院や施設におくれる人なんていないのである。
最後までとことん面倒をみなければいけないのだ。
それに過疎地のなんちゃってDPC病院だから頑張って平均在院日数を短縮してもベットが空いてしまう。
何回も来院させて検査は外来でおこなってから入院さすなどの工夫をというが、通院の足の確保も大変な高齢者であり入院して検査を組むなどのほうが明らかにニーズがある。
その一方でどこにも行き場がなく寝たきり意識なし胃瘻で気管切開されて人口呼吸器をつけて死を待っているというような高齢患者さんもたくさんいる。
そんなこともあって90%台の病床稼働率で赤字という怪。
さらに調整係数がなくなる来年度以降はさらに赤字となることは必至である。
職員の雇用をまもらなければいけないが、いい医療をして地域の医療ニーズに応えることがそもそもの目的を忘れてはいけない。
手段と目的が逆転しないように、誰のため、何のために医療をしているかということは、ブレないようにしないとおかしなことになるな。
診療活動は最大限報酬に反映さすのは当然だが、いくら経営者からいわれても必要のない検査や治療をしない、必要なら患者を無理に追い出さないというのは個々の医師の良心だろう。
「銭銭銭という訳ではないがコンサルタントだから厳しい言い方をさせてもらう。でないと歯止めが効かなくなる。それが役割。」というコンサルタントの方の声。
院長は「目指すのは急性期病院です。」というが、ICUをつくったり放射線治療機器をおくよりも優先順位が高いことはたくさんあると思う。
「地域包括ケアを押し進めていくならベッドの概念や役割も変わってくる。」という意見もあった。
それはそれで急性期医療体制を作ることと同様に大変な本腰をいれて取り組まなければいけない課題だ。
医療や病院は一部の人のおもちゃや名誉欲を満たす道具ではない。
まず地域に何が必要か、自分たちが何が出来るのかをちゃんと整理してから次の方向性を打ち出すべきであろう。
無理な計画を強行すれば職員のモチベーションとモラールの低下は避けられず、医療自体が続けられなくなってしまうだろう。
悪夢の地域医療破壊計画
コンサルタントの話は、それはそれで面白かったのだが・・。
「各部署の持っている情報を抽出して見える化すべし。50億借りて病棟を建て替え、返す時には病院を黒字にしてその時々の損益分岐点を確保しなければいけない。診療単価をあげるためには患者を確保し回転率をあげ、単価の低い患者は切って後方ベットを確保して送る。診療単価を把握した上で損益分岐点を目指すべし。」みたいな話だった。
しかし「収入は増やせ!出ていくお金は減らせ。人はそのあとだ。」ってのがおかしいんだよね。
理念があって、人がいて、その目的のために建物や経営がついてくるのである。
高齢者の多い過疎地で当院が「手術やインターベンションを行う方向で急性期よりに進化」するというのはどう考えても地域ニーズから離れていく気がする。
病院がたくさんある地域ではないのだから、自分のところの用事が終わったといって他の病院や施設におくれる人なんていないのである。
最後までとことん面倒をみなければいけないのだ。
それに過疎地のなんちゃってDPC病院だから頑張って平均在院日数を短縮してもベットが空いてしまう。
何回も来院させて検査は外来でおこなってから入院さすなどの工夫をというが、通院の足の確保も大変な高齢者であり入院して検査を組むなどのほうが明らかにニーズがある。
その一方でどこにも行き場がなく寝たきり意識なし胃瘻で気管切開されて人口呼吸器をつけて死を待っているというような高齢患者さんもたくさんいる。
そんなこともあって90%台の病床稼働率で赤字という怪。
さらに調整係数がなくなる来年度以降はさらに赤字となることは必至である。
職員の雇用をまもらなければいけないが、いい医療をして地域の医療ニーズに応えることがそもそもの目的を忘れてはいけない。
手段と目的が逆転しないように、誰のため、何のために医療をしているかということは、ブレないようにしないとおかしなことになるな。
診療活動は最大限報酬に反映さすのは当然だが、いくら経営者からいわれても必要のない検査や治療をしない、必要なら患者を無理に追い出さないというのは個々の医師の良心だろう。
「銭銭銭という訳ではないがコンサルタントだから厳しい言い方をさせてもらう。でないと歯止めが効かなくなる。それが役割。」というコンサルタントの方の声。
院長は「目指すのは急性期病院です。」というが、ICUをつくったり放射線治療機器をおくよりも優先順位が高いことはたくさんあると思う。
「地域包括ケアを押し進めていくならベッドの概念や役割も変わってくる。」という意見もあった。
それはそれで急性期医療体制を作ることと同様に大変な本腰をいれて取り組まなければいけない課題だ。
医療や病院は一部の人のおもちゃや名誉欲を満たす道具ではない。
まず地域に何が必要か、自分たちが何が出来るのかをちゃんと整理してから次の方向性を打ち出すべきであろう。
無理な計画を強行すれば職員のモチベーションとモラールの低下は避けられず、医療自体が続けられなくなってしまうだろう。
悪夢の地域医療破壊計画