情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

朝日新聞、なぜ社内調査したのか??

2005-08-26 00:18:41 | NHK番組改編事件
朝日新聞がNHK番組改編問題で取材した経過を記録した情報を基とする記事が月刊現代に掲載された件について、朝日新聞が社内調査し、中間報告をまとめた。その報告によると、流出の事実を認めた上、流出したことについて安倍、中川両議員及びNHK松尾氏に謝罪したという。http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050826k0000m040054000c.html
この件では、そもそも、朝日新聞は調査をする必要すらなかった。なぜなら、月刊現代に掲載されたことで、何者の利益(正当な利益)も損害されておらず、むしろ、知る権利の立場からは歓迎すべきものであったからである。月刊現代が名誉毀損で安倍・中川両議員らから訴えられ、その結果、名誉を毀損する記事であったことが認定された場合には、そのような名誉を毀損するような情報がどこから漏れたのかについて、調査する必要が生まれるかもしれない。しかし、誰の損害も侵害していない行為について、なぜ、調査し、謝罪しなければならないのか。調査するという行為自体、取材源を秘匿すべき朝日新聞が行うのは矛盾していないか。例えば、朝日新聞が安倍議員の不祥事を安倍の秘書から情報を得て記事にしたとしよう。その際、安倍議員は、どの秘書が情報を漏らしたのかという内部チェックは行うだろうが、堂々と調査しますと発表したり、調査の結果、B秘書が情報を漏らしたことが分かったので、解雇しますと発表することはさすがにできないだろう。ところが、朝日はそのような内部チェックを行い、その結果を堂々と発表した。情報を漏らしたものを罰することが当然であるかのように…。自己の存在意義を否定するかのように…。しっかりしろ、朝日新聞!