情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

イラク戦争、憲法9条と私たち-ベトナム終戦30年のいま

2005-03-29 06:19:26 | イベント情報(行かれた方はぜひご感想を)
4月10日(日)13:00~17:00、昭和女子大人見記念講堂(世田谷区太子堂1-7)
講師:作家小田実、作家澤地久枝、哲学者鶴見俊輔
参加費:1000円、高校生以下500円
主催:市民の意見30の会・東京、市民意見広告運動

トラウマにならなければ…

2005-03-28 06:27:09 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
 「ブッブーに乗ろうか」って言われりゃ、そりゃ、子供は喜んで車に乗るよね。でも、同僚は、日曜日ごとに、そう誘っては、事務所に来て、子供は一室に「監禁」したうえ、仕事をしていた。
 数週間後、さすがに、子供も気づき、ブッブーに乗ろうかって言われても、行かないって、断ったらしい。
 同僚は、「これって親離れ?嫌われたのかな」って心配していたが、子供のトラウマの方がよっぽど心配だよ。車に乗れなくなったらどうすんの?!

3月27日

2005-03-28 05:30:41 | 日記(事件など中心に)
 いい人だった~。昨日、寝過ごしたため、朝8時、事務所の前でしばらく(かどうかは、聞いていないが…)待った後、無駄足のまま帰ることとなった依頼者に連絡がついた。「気にしないでほしい」との温かいお言葉…(涙)。
 今日は、日曜日ということもあり打合せが一件だったので、最近終了した事件のファイルを片づけた。
 大きなのは二つ。一つは、刑務所内で数年間、独居房にいさされた外国人が、その間の苦痛(別途、暴行も受けたという主張もあり)を賠償するよう国に求めた裁判。人と話す機会がほとんどないまま数年間過ごすことを想像して欲しい。彼が宗教上の理由で髪を伸ばしていたことが独居の理由であり、それは不当だ、などと主張したが、敗訴した。控訴して争おうと思ったが、帰国した本人と連絡がとれず、控訴審を続けることができなくなった。幸せに生きてくれていればいいのだけど…。
 もう一つは、看護士に対する業務上過失致死被疑事件。ある医療機器を使用したことにより、患者が死亡したことが問題となった。これは同時に医療機器メーカー、医師も捜査の対象とされた。看護士にまで責任を問うのは、適当ではないことが明らかであった事案だったため、通常、民事事件では、患者側しか担当しないのだが、受任することとなった(刑事事件だから、ということもある)。こちらの事件は、当方の主張が認められ、不起訴となった。しかし、メーカーまで不起訴となったのは…。

刑事弁護の担い手をだれが選択するのか…

2005-03-28 05:16:00 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 市民への法的サービスの充実を図るために設置される予定の日本司法支援センターに対し、当番弁護士制度(逮捕・勾留された被疑者に一度だけ無料で弁護士を派遣する制度http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/katsudo/jinken/keiben/keiben.html)の事務を委託する方針を日本弁護士連合会の執行部がまとめた(http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/shihokai/shihoushien.html)。
 これに対し、東京の3弁護士会の刑事弁護委員会委員長が連名で反対することを決めたという(週刊法律新聞3月18日号)。この反対は、法務省管轄の上記センターが、当番弁護事務まで扱うことになれば、権力側に不都合な弁護士の排除など恣意的な運用が行われる可能性があるとの会内の反発を踏まえたものだという。
 確かに、否認している被疑者が当番弁護士を呼んだ際、「あきらまて認めた方が刑が軽くなるよ」なんてことをいう弁護士を派遣された日には、刑事手続きの公正は到底保たれなくなるだろう。
 
 現在、起訴された後に、国選弁護人が選任されるが、これを起訴される前から選任される制度にされる予定であり、このこと自体は望ましいが、その運用を上記センターが取り扱うことについては、懸念する声が少なくない。さらに、当番弁護士制度までってことになると…。
 
 そもそも、どういうケースでどういう国選弁護人が派遣され、どういう活動を行ったのか、きちんと、チェックし、その情報を流通させることが必要だが、そのような体制を組むことができるのだろうか…。

訴訟手続きにおいても、情報の流通が阻害されようとしている…

2005-03-27 15:05:07 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 市民が刑事手続きに参加する裁判員制度の導入を前に、改正された刑事訴訟法が施行されるため、刑事訴訟法規則の改正作業が行われている。
 この内容が、先頃、明らかになったが、問題点も多い。情報流通の面でいえば、検察官が開示した証拠を弁護人が裁判手続きやその準備に使う以外の目的で、人に渡したり示したり、インターネットで送ったりして、裁判の迅速な進行を妨げた場合、裁判所が弁護士会に懲戒請求するよう求めることとなる点が大いに問題である。
 すなわち、まずは、開示された証拠の中に違法捜査がなされたことがかなり明白なもの(例えば、ねつ造など)があった場合、「こんなに悪質な捜査が行われています」とメディアに取り上げてもらうことが可能であった。しかし、今後は、そのような情報提供を行うことができなくなってしまう。
 次に、裁判所に弁護人を脅す武器を持たせること自体、公平な裁判を実現することが困難になるように思うのです。

 情報流通を阻害する流れはあちらからもこちらからも…

3月26日

2005-03-27 06:24:49 | 日記(事件など中心に)
寝過ごしたっ!!朝8時の打合せだったのに、起きたら、10時…。携帯に出てくれない…。本当にごめんなさい。

気を取り直しつつ、数件の打合せ。午後からは、ある深刻な事故の遺族との打合せ。相手は、大企業と国になりそう…。
国家賠償請求訴訟(国賠)って、なかなか、裁判所が認めてくれないのが実態だけど、被害者は、「国なんだから、普通の人より、責任が重く問われて当たり前じゃないか」って感覚だから、そのギャップを理解してもらうのが大変。こんなギャップは早くなくして欲しいもんだ。

人権擁護法案の必要性…鎮静衣など6時間、拘置中の男性死亡

2005-03-27 06:17:06 | 人権擁護法案(原則必要派)
 読売新聞に「鎮静衣など6時間、拘置中の男性死亡…埼玉・深谷署」という見出しのもと、
【25日午前8時半ごろ、埼玉県警深谷署の留置場で、出入国管理法違反容疑(旅券不携帯)で拘置中の自称タイ国籍の男性(40)が顔を真っ青にしているのに看守が気づいた。男性は、市内の病院に収容されたが、間もなく死亡した。
 同署によると、男性が24日午後9時ごろから、3人部屋で大声を上げたり、壁に体をぶつけたりしたため、25日午前1時ごろから、腹部に両手を固定する「ベルト手錠」や、袋に入れたまま手足を固定する「鎮静衣」を使用した。同7時15分ごろ、鎮静衣を解いたという。
 同署の柴崎幹愛副署長は「ベルト手錠や鎮静衣は適正に使用していた。司法解剖で詳しい死因を調べたい」と話している。】
という記事が掲載されている。http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20050325/20050325i515-yol.html

旅券、すなわちパスポートを持っていなかったばかりに、彼は、死ぬ羽目になった。彼の行為は、鎮静衣を使用されてまで警察に留置されなければならない行為だろうか。
極端な話をすれば、あなたが旅行中に、ホテルにパスポートを置き忘れえていたところ、たまたま警察の職務質問を受け、そのまま、留置場に入れられ、言葉も通じぬまま、「おかしいじゃないか」と強く抗議したら、鎮静衣を使用されたってことではないでしょうか(本件がそういう事案かどうかは判らないが…)。

こういう場合、刑事事件としては、警察官は不起訴になるだろうし、彼が外国人であるだけに遺族が国家賠償請求訴訟で争うことも困難だ。
人権救済機関はこういうときに必要ではないでしょうか?

※過去の事例
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/iken/04/2004_33.html

※これもどうだか…
「裁判官訴追委、事務局長人事見直し 委員長ら改善策協議へ」
 国会の裁判官訴追委員会の森山真弓委員長と川崎二郎衆院議院運営委員長が、週明けにも会談し、訴追委の歴代事務局長に裁判官出身者が就任している現状を見直し、改善策をまとめる方向となった。
 これは二十五日に国会内で開かれた同委の庶務小委員会の協議を受けたもの。小委員会では、「裁判官の実態を知らない人では訴追委の事務局長は務まらない」との意見もあったものの、「世間から不審に思われるのはよく分かる」など、慣習の改善を求める意見が相次いだ。
 具体的な改善策としては、事務局長が辞めたあとに再び裁判官に復帰している現行の慣例を改め、事務局長を「最終ポスト」とする案も浮上している。ただ、「最終ポストにふさわしい給与や待遇を保証するのは難しい」など否定的な声も強く、二十八日にも、森山、川崎両氏が改善策を協議することになった。
 訴追委は、裁判官にふさわしくない行為をし、職務義務に違反した裁判官を罷免するため、裁判官弾劾裁判所に訴追する機関で、衆参各十人の議員が委員となっている。
 先月二十八日の衆院予算委第一分科会では、東京地裁民事部の裁判長出身である高田健一・訴追委事務局長が、歴代事務局長の後歴について「いったん東京高裁に戻った後、各裁判所の所長になっている人が多い」と答弁。民主党の高山智司氏が、「(裁判官弾劾制度の)制度趣旨に反する」と指摘していた。
(産経新聞) - 3月26日3時24分更新http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050326-00000007-san-pol

原則と例外をはき違えさせた先輩…

2005-03-27 06:00:17 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
 「いやぁ、この事務所にいていいのか、不安になりましたよ」、深夜2時、接見(拘置所や警察の留置場=代用監獄に拘束されている被疑者・被告人と面会すること)から帰ってきた同僚が、にやっとしながら話し始めた。
 彼は、先輩に連れられて深夜接見をして以来、深夜接見がすっかりお気に入りで、当然のように、11時、12時の接見を繰り返していた(拘置所は5時まで)。警察の留置場は9時消灯なので、さすがにその後に接見するのは迷惑だろうが、身柄を拘束されている人にとって、弁護士と接見することは非常に重要であり、特に事実を争っている場合など、当然、毎日会う必要がある。したがって、深夜接見となってでも、会わねばならない。その点、彼は間違ってはいない。
 ところが、留置場の担当警察官が、「前のときは何も言わなかったけど、何度も深夜に来るのは遠慮して欲しい。私も留置管理やって短くはないけど、いつも夜中に接見に来る弁護士はあなたを入れて3人しか知らない。しかも、そのうちの1人はあなたの事務所の弁護士だ」と宣ったそうだ。
 彼は、そこで始めて、接見は原則9時までということを知り、先輩弁護士の教えが例外であったことを学んだ。
 
 彼に原則と例外をはき違えさせた先輩が、言うまでもなく、件の3人のうちの1人。彼は、「3人のうちの1人」を長い間しているだけあって、接見について、いろんな伝説を持っている。
 曰く、接見がえらい長いので、留置担当者がノックした後、接見室を覗いたら、被疑者と彼がすやすや寝ていた。
 曰く、深夜接見中に彼が寝てしまったが、被疑者は仕方ないとあきらめ、目覚めるのをほほえんで待っていた。
 曰く、連日厳しい取り調べを受けている被疑者に深夜接見に行ったところ、「今日は疲れているから勘弁してくれ」って言われ、事務所に戻ったところ、それは「人権侵害だ。眠らせてやらなきゃ」っと同僚に批判(?!)された。
 曰く、その次の日、朝5時頃、接見に行き、被疑者に「よく眠れたか」っと声を掛けた。

 この先輩と後輩については、後日談があり、懲りずに深夜接見をしていた後輩が、例によって、遅いから明日にしてくれっていう留置担当者を口説いて、接見をしていたところ、外でなにやら、口論している様子。しばらく、接見を続けていたら、ノックされ、留置担当者に、「次の弁護士がいるので、そろそろ、終わりにして欲しい」と言われた。「さっきはあんなにダメだって言ったのに、次の人を許可したんだ」って、彼はポツリ漏らしたという。早めに切り上げて、出たところ、外で待っていたのは、件の3人のうちの1人である先輩だった…。

 ところで、もう1人はだれだ???
  

匿名発表が広がっている…

2005-03-26 22:04:52 | 匿名発表問題(警察→メディア)
 現在、警察が事件事故を報道する際、当事者(加害者、被害者)を匿名で発表するケースが増えているという。青森県警は、2003年4月、交通事故について、過失割合の少ない第二当事者(被害者など)について、匿名で発表するとの方針を打ち出した。
 メディアがプライバシーに配慮して、匿名で発表することは必要だと思うが、警察がメディアに匿名で発表するということは、警察の情報をメディアがチェックすることができなくなるっていう意味で非常に問題が大きい。
 有名なところでは桶川事件女子大生殺人事件。この事件では、警察が自らの不祥事を隠蔽するため、毎日遺族宅に滞在し、メディアが遺族と接触するのを防いだという。もし、そのまま、メディアが遺族に接触できないままだと、あの事件は、遊び慣れた女子大生の軽率な行為に問題があったということで片づけられたかもしれない。それを暴いたのは一雑誌記者だった。
 
 そもそも、青森県警は、2000年9月、青森署員が酒気帯び運転で電柱に衝突する事故を起こした際、この署員を逮捕しないまま、「任意捜査(逮捕しない場合)は匿名が原則。警察官も例外ではない」と言って、この署員の使命の公表を拒んだことがあるという。

 この匿名発表は、全国各地で広がっており、警視庁でもそういう傾向があるという。

 そんな流れの中で、人権擁護法案や憲法改正国民投票法案などメディアを規制する法律が提案されようとしている。

 監視されるべき国・行政側は、できるだけ情報をださないようにしつつ、他方で監視する側(メディア)を監視する権限を持とうとしている…。
 
 ライブドアとフジテレビの問題よりも深刻だぞぉ!!


以上、河北新報社2004年6月3日、毎日新聞2003年6月3日など参照。

ヤミ金大好き?!

2005-03-26 01:46:15 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
 うちの事務所に夜になるとヤミ金に電話をしている弁護士がいる。昼間は電話をかける暇がないくらい忙しいから、夜しか掛けられないのは判る。
 しかし、午後10時でも11時でも平気で電話をするのは、うちの事務所では、彼くらいだ。次々と電話をかけ、受任したことを伝え、受任したことを伝える書面を送る連絡先を尋ねている。
 もちろん、中には素直に話を聞かない業者もいる。
 たとえば、「弁護士なんて関係ねえ」て怒って、電話を切ったとしよう。その弁護士はすぐに電話をかけて、「弁護士なんて関係ないってどういうことですか」と聞く。何度でも聞く。
 たとえば、「本人のところに直接取り立てる」って言ったとしよう。これまた、すぐにかけ直し、「本人のところに直接行くのは法に触れるおそれがあります」って説明する。切られても、切られても…。
 そのうち、留守電になったりするが、留守電にも折り返し電話をするよう吹き込んでいる。
 相手も、もしかしたら、デートかもしれないのにねぇ…なんてちゃちゃを入れたりするが、「はっはっ」と笑って電話を続けている…。
 

3月25日

2005-03-26 01:28:22 | 日記(事件など中心に)
 弁護士会の法律相談に出かけたら、最初の相談者がいわゆるヤミ金20件近く借りている人。相談している間も携帯への電話が繰り返し鳴っている。仕方ないので、予定していたもう1人を他の弁護士に任せて、急遽、事務所に戻り、契約後、各業者に電話をかけて、弁護士が受任したことを伝える。
 ちょっと前は住所もFAXも教えてもらえないため、弁護士が受任したことを伝える文書を送ることもできなかったが、最近は、結構、FAX番号を教えてくれるところも多い。とはいえ、たまには、口論になることもあるが、「自宅まで押しかける」とか卑猥なことを叫び続けたりするような人はほとんどいない。ヤミ金からいわゆるおれおれ詐欺に転向した業者が増えたっていう記事を目にしたりするけど、そうかもね。
今回の件は、金曜の夜の電話だったので、出ない業者が多かった。週明け早々、電話かけだなっ!!

外国人と人権擁護法案

2005-03-25 23:34:03 | 人権擁護法案(原則必要派)
外国人登録者の人口は、平成15年末で、191万5030人、総人口の1.50%だという。人権擁護委員の数は最大2万人を予定している。そうだとすると、2万人×1.5%=300人の外国人人権擁護委員がいないとバランスがとれないように思えるけれど、どうでしょう。

緊急シンポ「市民・政治・放送」~NHK「政治介入」問題を考える

2005-03-25 10:54:48 | イベント情報(行かれた方はぜひご感想を)
4月16日(土)14:00~、千代田区九段南4-8-13自動車会館(市ヶ谷駅から徒歩3分)にて
パネリスト:映像ジャーナリスト坂上香、アジアプレスインターナショナル代表野中章弘、元NHK文研主任研究員簑葉信弘
コーディネーター:立教大学教授服部教授
参加費:一般1000円、学生/会員500円

3月24日

2005-03-25 08:04:09 | 日記(事件など中心に)
労働問題についての相談が最近、労働組合に加入している人が減ったため、個人個人の事件について1人でいらっしゃることが増えている。1人で闘うっていうのは(外部の組合に加入して闘うことになる場合もあるけれど)、本当に、本当に、きつい。相談にのる側は、こういうときは無力感にさいなまされる。頑張って争うことで、かえって、深く傷つくのではないだろうか。それなら、いっそ、争わず、身を引いた上で、新しい会社に就職した方がいいのではないだろうか…ということになりがちだったりするからです。今日も長いこと相談をしてきた方が、そういう決断をされた。
自分の権利を主張することは当然で、そのような人物がむしろ会社にとっても望ましいと思われる文化が育てばいいのだけれども…。自らが経営する立場(うちの事務所は10数名が全員パートナー)にある者としても、そう言い切りたい。