情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

外国人だというだけで職務質問をする警察!~そのうち、茶髪だっていうだけで…【東弁アンケート】

2007-03-05 06:07:50 | 適正手続(裁判員・可視化など)
東京弁護士会が実施した「外国人に対する職務質問アンケート」の結果報告書がNPJここに掲載されている。122人のうち、職務質問を受けた経験がある人は、なんと63人(52%)、しかも、そのうち約3分の2が複数回経験している。

あなたやあなたのまわりの人は、そんなに職務質問を受けていますか?

外国に行って、外国人だからっていうだけで職務質問されたら、あなたはどういう気がしますか?

中には100回も職務質問を受けた人もいるという…。

そして、日本人とともにいて職務質問された例は極めて少ない…。

外見がどうだから、出身がどうだから、ただそれだけで、職務質問されることの恐ろしさ…いまに、ピアスをしている人が重点的に職務質問されたりするようになるかもね…。そうなってから、あのときに警察の横暴を許すのではなかった、て泣き言を言っても遅いんだからね。


※グラフは、「日本語指導が必要な外国人児童生徒数」の推移(ここから)




★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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共謀罪阻止に向け、4野党が合同勉強会~自由を守る共闘を!

2007-03-04 20:45:38 | 共謀罪
佐賀新聞(共同通信)によると、【「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案に反対する民主、共産、社民、国民新の野党4党の有志議員が勉強会を立ち上げ、6日に初会合を開く。民主党の平岡秀夫、共産党の仁比聡平、社民党の保坂展人各氏ら約20人が参加する予定】だという。

 共謀罪については、自民党が対象となる犯罪を大幅に絞ってまでも成立を図ろうとしている。
 
 それに対し、【今国会の野党共闘は共産党を除く3党が中心で、共産党は独自路線を強めている】という。そこで、勉強会だ。【参加予定の民主党議員は「私的な会合だが、与党が共謀罪成立に向けごり押しする事態になれば、4党共闘を復活させる中核になる」と期待を寄せる】(同上)

 内容も充実しそうだ。【勉強会は、学者や弁護士会などからヒアリングを行うほか、国会対策などについても協議する予定。継続審議になっている政府案とともに、対象犯罪を絞り込み「テロ等謀議罪」と改名した自民党修正案の問題点を探る考えだ】(同上)。

 まずは、テロ等謀議罪」と改名したことの欺瞞性(ここ←参照)を叩いてほしい!






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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君が代伴奏最高裁判決と袴田判決起案裁判官の告白と~想像力の欠如

2007-03-04 07:34:19 | 適正手続(裁判員・可視化など)
週末、書かなきゃいけない書面から逃避して君が代伴奏最高裁判決を読んだところ、あまりのひどさに腰が抜けた。もし、司法試験でこんな乱暴な起案をしたら、やっぱり不合格でないのかい?11頁からの藤田宙靖裁判官の反対意見と比較すると乱暴ぶりは一目瞭然、無理をした判決であることが、透けて見える。

そもそも、多数意見は、君が代伴奏を命じても構わない理屈(許容性)だけを一生懸命並べているが、では、なぜ、君が代伴奏を命じなければならないかという理屈(必要性)については、小学校学習指導要領に「入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。」と定めていることしか書かれていない。

そりゃ、ひどいよ。思想・良心の自由が問題となっているんだから、君が代伴奏を命じることで得られる利益とそのことがもたらす不利益とを丁寧に比較検討しないといけないのは当然だ。もし、命令で得られる利益がほとんどないなら、いくら一般論として不利益が甘受できるからといっても、そのような命令を下すべきではないのだ。

この点、藤田裁判官は

【公務員が全体の奉仕者であることから,その基本的人権にそれなりの内在的制約が伴うこと自体は,いうまでもなくこれを否定することができないが,ただ,逆に,「全体の奉仕者」であるということからして当然に,公務員はその基本的人権につき如何なる制限をも甘受すべきである,といったレヴェルの一般論により,具体的なケースにおける権利制限の可否を決めることができないことも,また明らかである。本件の場合にも,ピアノ伴奏を命じる校長の職務命令によって達せられようとしている公共の利益の具体的な内容は何かが問われなければならず,そのような利益と上記に見たようなものとしての上告人の「思想及び良心」の保護の必要との間で,慎重な考量がなされなければならないものと考える】

と的確な指摘をしている。

そして、本件で、命じることで得られる利益については、

【本件の場合,何よりも,上記の①「入学式進行における秩序・紀律」及び②「校長の指揮権の確保」という具体的な目的との関係において考量されることが必要であるというべきである】

と本質をついた検討をし、そのうえで、まず①について、

【このうち上記①については,本件の場合,上告人は,当日になって突如ピアノ伴奏を拒否したわけではなく,また実力をもって式進行を阻止しようとしていたものでもなく,ただ,以前から繰り返し述べていた希望のとおりの不作為を行おうとしていたものにすぎなかった。従って,校長は,このような不作為を充分に予測できたのであり,現にそのような事態に備えて用意しておいたテープによる伴奏が行われることによって,基本的には問題無く式は進行している。ただ,確かに,それ以外の曲については伴奏をする上告人が,「君が代」に限って伴奏しないということが,参列者に一種の違和感を与えるかもしれないことは,想定できないではないが,問題は,仮に,上記1において見たように,本件のピアノ伴奏拒否が,上告人の思想・良心の直接的な表現であるとして位置付けられるとしたとき,このような「違和感」が,これを制約するのに充分な公共の福祉ないし公共の利益であるといえるか否かにある(なお,仮にテープを用いた伴奏が吹奏楽等によるものであった場合,生のピアノ伴奏と比して,どちらがより厳粛・荘厳な印象を与えるものであるかには,にわかには判断できないものがあるように思われる。)】としている。

そして、②については、

【また,上記②については,仮にこういった目的のために校長が発した職務命令が,公務員の基本的人権を制限するような内容のものであるとき,人権の重みよりもなおこの意味での校長の指揮権行使の方が重要なのか,が問われなければならないことになる。原審は,「思想・良心の自由も,公教育に携わる教育公務員としての職務の公共性に由来する内在的制約を受けることからすれば,本件職務命令が,教育公務員である控訴人の思想・良心の自由を制約するものであっても,控訴人においてこれを受忍すべきものであり,受忍を強いられたからといってそのことが憲法19条に違反するとはいえない。」というのであるが,基本的人権の制約要因たる公共の利益の本件における上記具体的構造を充分に踏まえた上での議論であるようには思われない。また,原審及び多数意見は,本件職務命令は,教育公務員それも音楽専科の教諭である上告人に対し,学校行事におけるピアノ伴奏を命じるものであることを重視するものと思われるが,入学式におけるピアノ伴奏が,音楽担当の教諭の職務にとって少なくとも付随的な業務であることは否定できないにしても,他者をもって代えることのできない職務の中枢を成すものであるといえるか否かには,なお疑問が残るところであり(付随的な業務であるからこそ,本件の場合テープによる代替が可能であったのではないか,ともいえよう。ちなみに,上告人は,本来的な職務である音楽の授業においては,「君が代」を適切に教えていたことを主張している。),多数意見等の上記の思考は,余りにも観念的・抽象的に過ぎるもののように思われる】

と述べている。


…と、このように怒りながら、この判決を読んでいたら、ふっと、無罪だという心証を抱きつつ、死刑の判決を起案させられたと告白した熊本典道・元裁判官に起案を命じた裁判長のことが頭に浮かんだ(youtube「元裁判官が無罪と告白!袴田事件」)。

無実だと信じている被告人の死刑判決を書くこと、これはつまり殺人行為といえる。合議の結果、有罪を主張する裁判長が自ら起案するならまだしも、無実だと信じている裁判官に書かせることができるメンタリティー…。

これこそが、今回の君が代伴奏最高裁判決の多数意見と通じているのではないだろうか?

君が代の伴奏をすることは音楽の教員の職務だろう、それなら、自分の思想とは別にきちんと仕事をするべきだ…。

判決を書くことは裁判官の職務だろう、それなら、自分の心証とは別にきちんと仕事をするべきだ…。

教員は、君が代を伴奏ことで、戦争ができる国になることに手を貸しているのではないか、という思いに駆られ、

裁判官は、無実の者に対する死刑判決を書くことで、殺人をすることになるのではないか、という思いに駆られる。

それにもかかわらず、両者をよしとすることができるのは、他人がいかに思うかということへの想像力・共感が欠如しているからだとしか思われない。ここでいう想像力・共感の欠如は、教員の側・被告人の側への一方通行的なものを言ってるのではなく、校長・卒業生・親や被害者の側へ向けられるものも含むのは言うまでもない。

…私は、想像力・共感の欠如した者には裁かれたくない。






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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「書面の提出はまだですか!」~いやぁ、今年は暖冬なので…

2007-03-04 06:24:12 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
今年は本当に暖冬だった。そう暖冬がいけないんです。別にさぼろうとしているわけじゃぁないんです。ちゃんと次回裁判に向けた準備をしようという気持ちは誰にも負けません。だけど、事務所のソファーでちょっと横になって気づいたら5時、6時…。はっと目覚めて、「これなら帰って一眠りした方がよかった」、そう思うことが少なからず…。

去年までは、そんなに寝られなかった。2、3時間も寝れば、寒くなって自然に目が覚めていた。まぁ、時にはそれで風邪を引いたりもしたが…。

今年は風邪をひかないのはいいんだけど、どうしても起案時間が少ない…。

地球温暖化反対!そうつぶやいてみても、書面の提出期限を過ぎてしまったという事実は変えられない。

う~ん、でも、夏はどうやって起きてたんだっけ?


漫画は、今日マチ子さんの「センネン画報」(←クリック)から一作品の一部をお借りしました。



★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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「テロ対策、組織犯罪対策と人権・自由との両立は可能か」(日弁連主催)

2007-03-04 05:53:32 | 共謀罪
何とも刺激的なイベントを日弁連が3月8日開催する。「テロ対策、組織犯罪対策と人権・自由との両立は可能か」~。いまの政府が行っているのが「テロ・組織犯罪対策」だとしたら、それはノーだろう。力で抑え込む戦略、これが市民の自由と抵触することは間違いない。

しかし、そのような戦略は本当にテロ・組織犯罪対策といえるのか?

教育を行き渡らせ、格差の少ない豊かな社会を創出することで、テロを行おうという意欲を失わせ、組織犯罪を行うような集団に加わらないようにさせることが真のテロ・組織犯罪対策といえるのではないか?

そういう視点のない、力による押さえ込みは、暴力の拡大再生産につながるだけではないのか?

市民集会で「事実」を直視しながら、考えてみませんか?


■■日弁連HP引用開始■■

市民集会のご案内
「テロ対策、組織犯罪対策と人権・自由との両立は可能か」

「共謀罪」法案は今!?
対象犯罪を絞るとした、自民党の新たな修正の動きについて検証します。

「犯罪収益移転防止法案」は今!? 
これまでの法案修正の経過と今後生じる可能性のある問題点について検証します。

日時 2007年3月8日(木)18:00~20:00
場所 弁護士会館2階 講堂クレオ
東京都千代田区霞が関1-1-3
(地下鉄霞ヶ関駅B1-b出口直結) (会場地図
参加費 参加無料
内容(予定) 予定パネリスト及びテーマ(※変更の可能性があります)
斎藤 貴男 氏(ジャーナリスト)         
「共謀罪をはじめとする監視社会化の現段階」
村岡 啓一 氏(一橋大学大学院法学研究科教授)
「法曹倫理と犯罪対策」
清水 雅彦 氏(明治大学講師)
「安全・安心のための治安政策は何をもたらすか」

*当日は国会議員の方からもご挨拶いただく予定です。

申込方法 下記PDFの参加申込書にご記入の上、FAXにてお申込ください。
FAX:03-3580-9920(法制第二課宛)
参加申込書(PDF形式:86KB)
※なお、本申込書は参加者数把握のためのみに使用します。

主催 日本弁護士連合会
お問合せ先 日本弁護士連合会 法制第二課
TEL:03-3580-9481

■■引用終了■■






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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3月7日、報道被害無料相談会~東京の3弁護士会が主催!

2007-03-04 05:34:25 | メディア(知るための手段のあり方)
弁護士会HPより】東京三弁護士会では、取材や報道による被害に関して無料相談会を開きます。テレビ、新聞、雑誌、インターネット等によって名誉を毀損されたり、プライバシーを暴かれたり、侮辱表現をされたりする等の被害に関して、これら報道被害に詳しい弁護士が、直接、電話や面接で相談に応じます。被害に苦しんでいる方は、是非、ご利用下さい。

【日 時】 2007年3月7日(水)10時00分~19時00分
【電 話】 03-3597-4401(相談専用、当日のみ)
【面 接】 弁護士会館5階 505会議室
【予 約】 不要
【相談料】 無料
【主 催】 東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会

◇問合せ TEL 03-3581-2205 人権課 









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憲法改正国民投票法案成立阻止へ!~東弁が緊急声明+イベント目白押し、是非ご参加を

2007-03-04 05:21:23 | 憲法改正国民投票法案そのほか
東京弁護士会が「憲法改正手続法案の慎重審議を求める声明」を発表しました。手続法案の早期成立がささやかれる中、拙速な採決を控えるよう求めたものだ。以下、転載する。

■■引用開始■■
 現在、国会では「日本国憲法の改正手続に関する法律案」が審議されている。この法案については、与党と民主党の各担当議員の間で相違点の克服に向けた協議が行われ、本年5月3日の憲法記念日前にも法案成立の可能性が高いとの報道がなされた。これを伝えるマスコミの報道内容は、あたかも法案の問題点が解消したかのような印象を与えている。
しかしながら、これまでの国会における修正論議の到達点を直視すれば、日本弁護士連合会などが指摘した多くの問題点は依然として審議不十分のまま残っており、このまま立法化されれば国民の意思が正確に反映されずに憲法の改正が行われるような手続が作られるとの危惧を禁じえない。
 具体的に言えば、(1)憲法改正案の発議方式は、「内容において関連する事項ごと」とされており、複数の事項が一括して投票に付されるという日弁連の指摘する問題点は解決されていないこと、(2)公務員及び教育者の地位利用に対する規制については、罰則を定めないものの運動自体を禁止していること、(3)国民投票広報協議会については、原則として各会派の所属議員数の比率によるとされているため、反対意見の議員の意見が十分反映されないおそれがあること、(4)最低投票率の定めがなく、少数の投票者の意思により改正手続がなされる危険性があることなどである。
 さらに、同法案にある国会法の一部改正についても、両院に常設の憲法審査会を設置し国会閉会中の改憲案の審議を行わせることや、両院合同協議会の設置を認めることは各議院の独自性などからも疑義がある。
 日本国憲法96条が厳格な改正要件を定めている硬性憲法であることと対比するとき、当会は国会の審議の不十分さを深く憂慮する。
そこで、憲法改正手続法制定の必要性の有無をはじめ、法案の内容についてもいっそう慎重に審議することを求めるため、本声明を発するものである。

2007年2月27日
東 京 弁 護 士 会   
 会 長 吉 岡 桂 輔

■■転載終了■■

また、イベント情報を「許すな!憲法改悪・市民連絡会」から転載しました。本当にぎりぎりのところに来ている国民投票法案、最低投票率も決めないで通させることだけは避けなければならないのではないでしょうか(ここ参照)。

■■転載開始■■

★STOP!改憲手続き法★
3月8日(木)12:15~13:00
衆議院議員面会所集会
主催・2007年5・3憲法集会実行委員会
(事務局団体)憲法改悪阻止各界連絡会議、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、女性の憲法年連絡会、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会(お問い合わせは03-3221-4668)

★STOP!改憲手続き法――3・12国会へ行こうアクションの呼びかけ
安倍内閣の暴走許さない!
戦争のできる国づくり・ひとづくり~
9条改憲反対!
改定教育基本法関連3法反対!
米軍再編特措法反対!少年法改悪反対! 共謀罪反対!
イラク派兵特措法延長反対!★
日時・3月12日(月)18:30開始、19:30まで
場所・衆議院第2議員会館前(地下鉄永田町駅、または国会議事堂前駅下車)
ビラ 表面 / 裏面

国会に市民の声をこだまさせよう!ヒューマンチェーン&リレートーク
憲法9条をターゲットにし、自らの任期中の改憲を公言する安倍内閣と与党は、憲法施行60周年にあたる5月3日までに「改憲手続き法」を成立させたいとしています。
昨年末に強行成立させた教育基本法の改悪や防衛省昇格法によって、「戦争のできる国」への歩みを大きくすすめた安倍内閣は、この改憲手続き法に加えて、「改定教育基本法関連3法改悪」「米軍再編特措法制定」「少年法改悪」「共謀罪制定」「イラク派兵特措法延長」など次々と反動立法を準備しています。こんなことを絶対に許すことはできません。
私たちはいまこそ国会内外で呼応して「安倍内閣の暴走を許さない」という声を大きくしなければなりません。
全国各地のひとりひとりの自覚した市民による「呼びかけ人」を募り、「STOP!改憲手続き法―国会へ行こうアクション」という、市民の非暴力の大きな行動を作り上げたいと思います。この日、全国各地で同時にそれぞれ可能なキャンペンをつくりあげよう!
できるだけペンライトなどの光り物や、メッセージを書いたリボン、プラカードなどをお持ちください。
呼びかけ人を募集します。
この主旨に賛同する市民の皆さんは、以下のFAX番号かメールアドレスに3月8日までに「お名前」と居住「都道府県名」、「連絡先」をよせてください(連絡先は公表しません)。
FAX03-3221-2558
メールアドレスpkokkaieikou@yahoo.co.jp
お問い合わせは070-5212-0275へ。
とりあえずの言い出しっぺグループ 
学校に自由の風を!ネットワーク/基地はいらない!女たちの全国ネット/教育基本法「改正」反対市民連絡会(継承準備中)/憲法改悪阻止各界連絡会議/「憲法」を愛する女性ネット/憲法を生かす会/子どもと教科書全国ネット21/子どもと法・21/市民憲法調査会/女性の憲法年連絡会/盗聴法に反対する市民連絡会/平和憲法21世紀の会/平和を実現するキリスト者ネット/平和をつくり出す宗教者ネット/許すな!憲法改悪・市民連絡会/

★武力で平和はつくれない イラク占領まる4年 WORLD PEACE NOW 3・21 @HIBIYA
いまこそ声を上げよう! 中東・アジア・世界に平和を★
◎日時:3月21日(水・休)開場13:00~、開会13:30~
パレード出発15:00予定
◎場所:日比谷野外音楽堂
○呼びかけ:WORLD PEACE NOW
ビラ 表/裏

★ギリギリのところに来た
改憲手続き法、何が問題か
あらためて問う★
報告・内藤光博(専修大学教授)
菅沼一王(日弁連憲法委員会事務局長)

与党は5月3日までに民主党が修正協議に応じなければ、単独でもの法案を通したいといっています。安倍首相の「任期中に改憲を達成する」との発言に沿って、その布石としての改憲手続き法案の採決をしゃにむに急ごうとしているようです。
しかし、衆院特別委員会の議論の中でも、この法案の議論は転々として、与党の案はその立ち位置が定まりません。昨年末に与党と民主党、それぞれの修正案が出されましたが、これ自体がまた問題を抱えています。多くの問題が解決されていません。国会はこんな法案を通過させていいのでしょうか。
ぎりぎりのところにきたといわれるこの法案をあらためて検証します。

主催・けんぽう市民フォーラム
共催・専修大学社会科学研究所
日時・3月24日(土)14:00~
会場・専修大学神田校舎102教室
地下鉄・神保町駅徒歩5分
資料代・500円(非会員)
連絡先・03-3221-4668

★STOP!憲法改正手続き法案4.12大集会★
午後6時半/日比谷野外音楽堂
集会後、国会デモ
☆国会報告
☆ほか
声高に改憲を叫ぶ安倍首相。「参院選で改憲を争点に!まずは改憲手続き法を成立させたい」などなど。しかし、その足下で「チームあべ」はボロボロだ。生活破壊、人権無視の安倍内閣への人びとの怒りが高まっている。
米国議会でさえブッシュ大統領のイラクへの軍隊の増派に反対しているのに、安倍首相はいち早く「理解し、支持」した。防衛庁を防衛省に昇格させた後、首相は「今や日本人は国際的な平和と安全のためなら、自衛隊が海外で活動することをためらわない」などと宣言した。こうして「戦争のできる国」づくりをすすめる安倍首相が憲法第9条に手を出すのを許すことはできない。
安倍政権と与党は憲法施行60周年の5月3日までに、改憲手続き法を成立させたいと公言している。
いまこそ「STOP!改憲手続き法案」の声を高め、世論の力で国会を包囲しよう。
よびかけ/2007年5・3憲法集会実行委員会
(事務局団体)憲法改悪阻止各界連絡会議、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、女性の憲法年連絡会、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会(お問い合わせは03-3221-4668)
場所・衆議院議員面会所(地下鉄丸の内線国会議事堂前駅下車)

■■転載終了■■


写真や動画をアップして盛り上げましょう!







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袴田事件で「無罪の心証」を持っていた元裁判官の辛さを裁判員が味わうのか?!

2007-03-03 05:48:54 | 適正手続(裁判員・可視化など)
読売新聞によると、【静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年、みそ会社専務一家4人が殺害された「袴田事件」で、元プロボクサー袴田巌死刑囚(70)(再審請求で特別抗告中)に死刑を言い渡した1審・静岡地裁の判決文を起案したとされる元裁判官が「無罪の心証を持っていた」と、再審支援に協力を申し出ていることがわかった。袴田死刑囚の支援団体が2日、公表した】という。

すでにテレビ番組で告白をしている件だが、再審支援の協力まで申し出ていたという。

上記読売によると、【裁判官3人の合議で、熊本氏は無罪を主張したが、裁判長ら2人が有罪を支持、多数決で死刑と決まり、裁判長から判決文の起案を命じられた。熊本氏は「裁判長を説得できず、裁判長が有罪の決定をした。裁判長は最後まで迷っていたと思う」とも話した。熊本氏は「袴田君の年齢も考えると、この時期にはっきり私の意見を述べておかなくてはならないと思った」と語り、秀子さんには「私の力が及ばず袴田君をこんな目にあわせて申し訳ありませんでした」と涙ながらに述べたという】。

そして、この裁判官は、68年の地裁判決の翌69年4月に退官した後、弁護士活動を続けていたというのだ…。本当に辛かったのだと思う。

もちろん、袴田さん本人の辛さは想像に絶する。無罪なのに、死刑台に送られる日々を恐れる毎日…。こちら←から支援の輪を!

ところで、裁判員制度が始まれば、無罪の心証を持った市民は、元裁判官と同じような辛さを味わうことになるのではないか?個人的には、死刑制度は、冤罪の可能性を捨てきれないため、廃止するべきだと考えているが、少なくとも死刑判決を下すためには、裁判官・裁判員全員一致が必要だとするべきではないだろうか。

イラストは、こちら←より。






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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法務省に続いて外務省が嘘をついていたことを認める~共謀罪、阻止の必要性さらに高まる!

2007-03-03 04:56:09 | 共謀罪
 朝日新聞によれば、【共謀罪創設をめぐって政府案を見直し、対象犯罪を5分の1程度に絞り込む自民党小委員会の修正案について、外務省の浅野勝人副大臣は1日、小委の自民党国会対策委員会に対する説明会で、「法案が成立すれば、批准に向けて努力したい」と発言した】という。

 えっ?!これまで外務省は、「懲役・禁固4年以上」の約620の罪を一律に共謀罪の対象として、幅広く網をかけた政府案でなければ、組織犯罪対策を求める条約の要求を満たすことが出来ないとして、対象を絞り込むことに否定的な見解を繰り返していたはずだ。

 自民党が民主党が考えていた絞り込み案を丸飲みしようとしたときも外務省が反対して流れた(こちら←参照)。

 そのときの見解は間違っていたというのか…。

 一応外務省側は【「方針転換したわけではない。これまで(組織犯罪阻止という)条約の本来の目的に立ち返って絞り込むアプローチをしてこなかったが、そういうことで成立できるのなら締結に向けて努力する。法案が成立するか注視したい」と「様子見」を強調。別の外務省関係者は「従来の政府答弁と整合性のないものはだめ」と話している】(上記朝日)というが、まさに二枚舌だ。

 限定できないということが嘘だった!国際組織犯罪防止条約があるから成立させなければならない(ここ参照)っていうのも真っ赤な嘘ではないか?!

 共謀罪関連法案成立阻止へ向け、外務省に二枚舌について抗議する必要があるのではないでしょうか。


 


★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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-無理矢理の 自白、冤罪 作りだす-橋本勝の政治漫画再生計画第60回

2007-03-02 07:01:56 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本さんのコメント】
 「事件」がなかったのに「事件」があったとされ、逮捕され起訴される。2003年4月の鹿児島県議選での「選挙違反事件」の裁判で、2月23日被告12人の全員無罪の判決があった。検察側が有罪の根拠とした被告らの自白は信用できぬというのである。それに被告らのアリバイもある。捜査機関による見込み捜査による冤罪事件といえる。不幸中の幸いというべきか、この事件では無罪となったが、こうしたひどい捜査、尋問、そして裁判によっての冤罪事件が、他にも沢山あるのではないかと思わざるをえない。
 そういえば、2月26日の報道ステーションの中で、元裁判官という人の「元プロボクサー袴田の強盗殺人事件」の死刑判決を書いたが、被告は無罪であると涙ながら告白しているインタビューがあり、愕然とした。死刑囚の冤罪事件といえば「名張の毒ブドウ酒事件」も冤罪の可能性が高い。だが、名古屋高裁は、昨年の12月26日、奥西死刑囚の、再審開始を取り消した。無実の者を死刑にするようなことは決して許されないことだ。この二つの事件とも犯行の決定的根拠となっているのが被告の「自白」である。
 なお、「事件」がないのに「事件」をでっちあげたといえば「JR浦和電車区事件」も明らかに冤罪事件である。ちなみに私は、この事件の被告たちを支援する会のメンバーの1人である。権力によって邪魔になる組合をつぶすために、公安によってでっちあげられた「事件」である。くわしくはネットで「JR浦和電車区事件」を検索していただきたい。
 この事件でも自白をとるために脅迫的な取調べがあったのである。

【ヤメ蚊】
 真面目さあまって憎さ百倍…警察官が真面目に仕事に取り組むことはとっても大切なことだけど、事件解決に向けたプレッシャーからか、冤罪事件は後を絶たない。ちょっとだけ肩の力を抜いてみては…
 ※なお、今回、画像の調整の関係でサイズが小さくなっています。ご了承下さい。



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パチスロの闇と闘う鹿砦社社長、二審も名誉毀損で有罪判決

2007-03-02 01:16:58 | メディア(知るための手段のあり方)
 神戸新聞によると、【西宮市の出版社「鹿砦社(ろくさいしゃ)」による名誉棄損事件で、名誉棄損罪に問われた同社社長の被告(55)=同市=の控訴審判決が二十七日、大阪高裁であった。古川博裁判長は懲役一年二月、執行猶予四年とした神戸地裁判決を支持し、被告の控訴を棄却した】という。

 この事件は、【判決によると、被告はプロ野球・阪神タイガースの元スカウトの長女(49)=同罪で有罪が確定=と共謀。元スカウトが神戸市内のビルから転落死したことについて、当時の球団職員の実名を挙げ、殺害にかかわったとする内容の書籍を販売するなどした】(同紙)というもの。

 これに対し、被告は「言論弾圧に当たる」として、無罪を主張していたが、【古川裁判長は判決理由で「被告が元スカウトが殺害されたと信じる相当の理由はなく、名誉棄損の故意が認められる」とした】(同紙)。

 しかし、名誉毀損事件の最大の争点は、阪神の元スカウトの記事ではなく、パチスロメーカーのアルゼの問題点を指摘した記事の方だ。それにもかかわらず、神戸新聞はそれに触れていない。

 この事件のポイントは、共同が伝えている【また03-04年、パチスロ製造会社「アルゼ」の経営手法を批判する書籍などに、アルゼ役員の私生活に触れる記事を載せて名誉を傷つけた】という部分だ。

 鹿砦社が発行した速報(画像で引用したもの)によると、【警視総監が天下りした上場企業は、社会的に断罪されたサラ金大手「武富士」とアルゼしかありません】という。
 
 そこをスルーした記事を書いても仕方がない。

 確かに鹿砦社は行儀のいい雑誌社ではないし、時に差別を後押しするような記事を書いたりもする。しかし、パチスロに切り込んだ記事自体の評価はほかの記事とは離れてなすべきではないのか?

 明日、自分たちが弾圧されないように、鹿砦社を支援するべきだと思う。







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新靖国Q16.日本の政治家は、海外、例えば国連の場などで東京裁判史観のような主張をしますか

2007-03-01 06:27:46 | 靖国問題Q&A
Q.靖国参拝に絡んで東京裁判史観とかいろいろ云われていますが、日本の国内だけでなく、海外、例えば国連の場などでも日本の政治家がそのような主張をなすことがあるのでしょうか。


A.全くありません。確かに日本国内においては一部の政治家が声高に威勢のいい言説を語っていますが、これらはいずれも国内消費型ナショナリズムというかナルシズムであって、国際社会にあっては全く通用するものではありません。

      例えば中曽根康弘元首相は、日本国憲法制定当時、
      一、ああ嗚呼戦に打ち破れ 敵の軍隊進駐す
        平和民主の名の下に 占領憲法強制し
        祖国の解体計りたり 時は終戦六ヶ月
      二、占領軍は命令す 若しこの憲法用いずば
        天皇の地位請合わず 涙をのんで国民は
        国の前途を憂いつつ マック憲法迎えたり
と、日本国憲法を批判する歌を作りましたが、1985年10月28日首相として国連総会で演説したときには次のように述べているのです。

      「1945年6月26日、国連憲章がサンフランシスコで署名されたとき、日本は、ただ1国で40以上の国を相手として、絶望的な戦争をたたかっていました。そして、戦争終結後、我々日本人は、超国家主義と軍国主義の跳梁を許し、世界の諸国民にもまた自国民にも多大な惨害をもたらしたこの戦争を厳しく反省しました。日本国民は、祖国再建に取り組むに当たって、我が国固有の伝統と文化を尊重しつつ、人類にとって普遍的な基本価値、すなわち、平和と自由、民主主義と人道主義を至高の価値とする国是を定め、そのための憲法を制定しました。我が国は、平和国家をめざして専守防衛に徹し、二度と再び軍事大国にならないことを内外に宣明したのであります。戦争と原爆の悲惨さを身をもって体験した国民として、軍国主義の復活は永遠にありえないことであります。この我が国の国是は、国連憲章にかかげる目的や原則と、完全に一致しております。
      そして戦後11年を経た1958年12月、我が国は、80番目の加盟国として皆さんの仲間入りをし、ようやくこの国連ビル前に日章旗が翻ったのであります。
     議長!
      国連加盟以来、我が国外交は、その基本の一つに国連中心主義をかかげ、世界の平和と繁栄の実現の中に自らの平和と繁栄を求めるべく努力してまいりました。その具体的実践は、次の三つに要約することができましょう。
      その第一は、世界の平和維持と軍縮の推進、特に核兵器の地球上からの追放への努力であります。
      日本人は、地球上で初めて広島・長崎の原爆の被害を受けた国として、核兵器の廃絶を訴えつづけてまいりました。核エネルギーは平和目的のみに利用されるべきであり、破壊のための手段に供されてはなりません。核保有国は、核追放を求める全世界の悲痛な合唱に謙虚に耳を傾けるべきであります。とりわけ、米ソ両国の指導者の責任は実に重いと言わざるをえません。両国指導者は、地球上の全人類・全生物の命を断ち、かけがえのないこの地球を死の天体と化しうる両国の核兵器を、適正な均衡を維持しつつ思い切って大幅にレベルダウンし、遂に廃絶せしむべき進路を、地球上の全人類に明示すべきであります。」

    一瞬耳を疑ってしまうほどのまともな発言です。この発言に先立つ同年8月15日、中曽根康弘は内閣総理大臣として初めて東京裁判でA級戦犯として処刑された東條英機元陸軍大将らをも合祀している靖国神社に公式参拝し、中国・韓国・北朝鮮ら近隣アジア諸国からの厳しい批判を受けました。

この批判を受けて、特別国会において、
「やはり日本は近隣諸国との友好協力を増進しないと生きていけない国である。日本人の死生観、国民感情、主権と独立、内政干渉は敢然と守らなければならないが、国際関係において、わが国だけの考え方が通用すると考えるのは危険だ。アジアから孤立したら、果たして英霊が喜ぶだろうか」
と答え、以後参拝を取り止めました。

    安倍新首相も官房長官の時代の4月に密かに靖国参拝をし、それを自らリークしながら公式には参拝したとも、しなかったとも答えないというまことに奇妙というか姑息な方法をとっているのです。

    このように、国内においては威勢のいいことを言っている彼らも国際社会においては靖国参拝を正面切って言えないのが実情なのです。

    2006年10月6日毎日新聞によれば、5日、靖国神社の最高意思決定機関である崇敬者総代会が開かれ、「遊就館」の展示中、米国から批判の出ていた第2次世界大戦の米国関係の記述の見直しを決めたといいます。しかし、中国や韓国などアジアの国々から「侵略戦争の認識が欠けており、アジアの独立を促したと正当化している」などと批判されている展示については、見直さない方針だとのことです。

    米国とアジアとでその対応を異にする戦後日本の随所に見られるダブルスタンダードです。この点について日本近・現代史を専攻する纐纈厚山口大学教授は、朝日新聞「歴史認識」インタビューで以下のように語っています。

「日本が戦争で米国で負けたことは多くの人が認めるでしょう。しかし、中国に負けたとなるとどうですか。
米国との戦いが始まった41年、中国に投入されていた日本陸軍の兵士は138万人で、総兵力の65%だった。米国との闘いで兵力は南方戦線(南太平洋戦線)につぎ込まれ、敗戦の45年には164万人に達した。だが、同じ時点で中国にはそれをしのぐ198万人もの兵力が配備されていた。
中国戦線の比率は非常に大きかった。しかし、あの戦争は米国の物量に負けたと総括することで、日本の侵略に抵抗した中国やアジアの人々の存在を忘れることにしたのです」(2006年10月16日夕刊)

    中国との戦いに敗れたということを認めぬまま総括を誤ってきたのが、戦後の日本であり、日本人の戦争観の根本的な問題がそこにあるというのです。全くそのとおりです。遊就館のビデオが日中「戦争」について「支那事変、総攻撃」という戦前のニュース映画をそのまま流していることは前に述べたところです。

    今、靖国神社遊就館では「日本会議・英霊にこたえる会」が製作したというドキュメント映画「私たちは忘れない─感謝と祈りと誇りを─」(約50分)が上映されています。

    「あなたは考えたことがありますか? 国のために生命を捧げた多くの人々の上に、私たちの“今”があることを─。」
    「日清・日露の大戦から大東亜戦争まで─。わが近・現代の戦争史を、貴重な映像と史実に基づき再現した初めての本格的ドキュメント映画。教科書では教えられない真実の歴史が、今よみがえる─。」
   という解説語句からも明らかなように凄まじいまでの自己肯定(ナルシズム)の映画です。“大東亜戦争は白人の植民地支配からのアジアを解放する目的で闘われた。”“日中戦争は、中国とりわけコミンテルンに指導された中国共産党の目論見により長期化させられた。”“ABCD包囲網により日本は闘わざるを得なくなった。”“戦うも亡国かも知れぬ。だが戦わずしての亡国は魂まで喪失する永久の亡国である。たとえ一旦亡国になろうとも、最後の一兵まで戦い抜けば我らの子孫はこの精神を受け継いで必ずや再起するであろう。”(永野修身海軍軍令部総長)等々のトーンで満ち溢れています。そこでは重慶無差別爆撃も南京大虐殺も中国人・朝鮮人強制連行も、従軍慰安婦も泰緬鉄道建設工事に狩り出され連合国捕虜及びアジア人労働者6万以上の死等々のことは一切語られてはいません。

     地上兵力をもたず、したがって行軍や占領を考える必要のない海軍にとって中国作戦はそのまま航空侵攻作戦だといってよかった。上海に始まって南京、安慶、武漢、宜昌、重慶と揚子江の流域をなぞりながら内陸部へと分け入って行く「空からの侵略」の道は、疑問の余地なく海軍によって主導された作戦であり、その意味で中国における海軍は、陸軍と同じように血ぬられた手をしていた。銃剣による突入・占領・掃討によるのとは違う殺戮の形、突然空からやってくる侵入・制圧・爆撃が海軍のやり方であった。姿を見せず足跡を残さず速やかに現場を去り、しかも凶器は飛散して消えてしまうので跡づけることの困難な行為であったが、中国における日本海軍もやはり侵略の先兵、無差別・大量殺戮の実行者の告発から逃れるすべはありそうにない。日中戦争の鏡に映し出された日本海軍と日本陸軍の違いは、それぞれに属した人々の考えと振舞いに徴しても、結局のところ「ペストとコレラ」の差でしかなかった。……

      重慶空襲は「南京までの道」を一層拡大再生産する行為といえた。なぜなら南京空襲までは、都市占領を企図する陸軍侵攻作戦への支援という在来型の戦争形式をまだしも残していたのに対し、重慶爆撃はその枠を超え、都市恐怖爆撃、あるいは敵国民の抗戦意思破壊という、全く新しい航空戦力運用の思想を開示するものだったからである。無差別爆撃はここに至って「結果」から目的へ、「過失」から故意へと変換する。そして支那方面艦隊参謀長に井上成美少将が補佐されるや対重慶戦略爆撃はさらに大規模化し、かつ「緻密な無差別性」をもって実行されていくのである。対米政策に関してなら理性と沈着さを主張できる米内、井上両提督も、中国作戦と中国人の目から判定する限り、アジア人に対しては野蛮さを隠そうともしない、他と同列の日本軍人でしかなかった。
                 (前田哲男「戦略爆撃の思想」朝日新聞社、凱風社)

  先の戦争がアジア解放のための闘いであったなどと、ソウルで北京で、南京で重慶で、台北でシンガポールでマニラで、その他アジアの各地で語ることができるでしょうか。

    「大東亜戦争」が白人の植民地支配からのアジア解放の戦いであったとするならば、朝鮮、台湾の植民地支配は解放しなくてもよかったのでしょうか。ポツダム宣言で履行されるべきとされているカイロ宣言(1943.11.27)では「朝鮮人民の奴隷状態に留意し、やがて朝鮮を自由独立のものにする決意を有する」と述べています。

    この点に関し、評論家の加藤周一氏が自伝「羊の歌」(岩波新書)の中で戦時中の旧制一高の寮での作家横光利一とのやりとりについて興味深いことを書いております。

     激論がはじまったのは、その講演会が終わった後、私たちが粗末な茶菓を用意した座談会の席へ移ってからである。集まった15人ばかりの学生は、横光氏をかこんで車座になっていた。……
     「物質文明というのはだね」と横光氏はいった、「近代の物質偏重のことを、ぼくはいっているのだ。日本もこの〈近代の毒〉におかされてきたのです。だからこの厳しい時代を生きぬくために、われわれ文学者が召されているとぼくは思っている。その毒から日本を清める。──これが〈みそぎ〉というほんとうの意味ですよ、〈みそぎ〉の精神は、民族の心だ。今のこの時代ほど、偉大な時代はない。今こそわれわれは日本文学の伝統に還る……」。
     「どういう伝統ですか」と一人がいった。そして横光氏の答えないうちに、別の誰かがすかさず「化政の江戸……」と半じょうを入れた。それを聞くと、横光氏は爆発した、声の方をふり向くや否や、大喝した、「そんなことはいうから君たちはだめなのだ」。……
     横光氏の一喝は、私を興奮させた。たしかに「化政の江戸」は、毒を含んだ皮肉にちがいない。しかしそれは少なくとも権力を後楯にしたものではなかった。私たちの立場は、たとえ機会が与えられたとしても、駒場の寮の外では、もはや公言することの憚れるような立場であった。横光氏の立場は、当人自身が権力にへつらうことを目的としてはいなかったにしても、軍国主義権力が承認し、歓迎するものであった。議論をうち切って、大喝一声することは、横光氏にはできても、私たちにはできない。「だまれっ」ということは、軍人にはできても、代議士にはできない。相手が決して怒鳴ることのできない条件のもとで、怒鳴るのは〈フェア〉でないだろう。本人の主観の如何を問わず、事実上、権力をかさに着るのと同じことではないか。「君たちはだめだ」などと思い上がったことをいうな。……
     「だめなことはないでしょう」と私は声をしずめていった、「文学芸術の趣味は、化政の江戸で洗練の極みに達していた。それはほんとうの〈伝統〉ではないというわけですね。しかし元禄──といってみたところで、代わり映えもしないではないですか。元禄振りと〈みそぎ〉とは何の関係もない。平安朝の物語、いや、万葉集までさかのぼっても同じことだ。なんですか、一体、その万葉・源氏・西鶴・近松と全く関係のない日本文学の伝統というのは」。……
     「西洋自身が〈近代〉のいきづまりを自覚しているのだ」と横光氏は書いていた。「だから日本でその行きづまりが打開されることになりますか」「なぜならないのだ」「日本の行きづまりではないからです、近代社会が遠くの西洋で行きづまろうと、行きづまるまいと日本は近代社会ではない、そんなことを心配するのは場ちがいではないですか。68年の革命は、フランス革命ではなかった。この国の小作料は、おどろくなかれ、まだ物納なんですよ、しかもそれが収穫の半分以上だ、一体どこに〈近代的〉な土地制度がありますか。労働入口の過半数が農村に集中している国で、封建的土地所有と零細農民の収奪を保存しながら〈近代〉を語るのは無意味だと思う。いわんや〈近代〉を超えるの超えないのという議論は、滑稽そのものですな」「滑稽ではない」と横光氏は抗議したが、私たちの仲間は、もはや抗議を相手にもせず、自分の言いたいことを喋りまくった、「零細農民が封建的収奪のもとで窮乏化し、低賃金労働者の供給源となる。それを足場にして膨張した日本資本主義にとって国内市場のせまいのは、当然ですね。(大東亜共栄圏)というのは、要するに、その当然の帰結としての大陸膨張ということにすぎない。植民地の独立解放? 冗談じゃない、権力は英米の植民地を解放したいのでしょうが、日本の植民地は決して解放しませんね、その証拠には朝鮮の独立ということはおくびにも出さない。それどころか矢内原忠雄が台湾・朝鮮の植民地政策を批判してさえ教壇を追われているではないですか。そこで持ち出された(国民精神総動員)とは、誰が何のために、国民を動員しょうとしているものなのか。それさえ見極めずに、文学者が──ぼくは文学のことは知りませんが、文学者が、横光さん、(偉大な時代)とか何とかいうことがわかりませんね。なにが〈偉大〉ですか。あなたがだまされているのなら、愚劣ですよ。だまされていないのなら、みずから魂を売りわたしているのではないですか……」。    

    この記述は戦後に書かれたものでいささか整理されすぎている気もしないでもないのですが、しかし「大東亜戦争」が植民地解放のための「聖戦」であるとの虚構を見事に暴いていると思います。  

    ところで安倍新首相が好きなのは、吉田松陰だとのことですが、彼は近隣アジア諸国でどのように見られているのでしょうか。

    韓国のソウル郊外に「独立記念館」があります。韓国の歴史、とりわけ日本の植民地支配下での状況、その軛からの脱出、そして近年の朝鮮戦争までをわかりやすく展示したものであり、直接的には1982年の日本の教科書問題──高校社会科の教科書で「侵略」を「進出」と書き替えていた事実が発覚し、アジア諸国から厳しい批判を受けた──が契機となって建設され、1987年8月15日開館されたものです。

    かつてこの「独立記念館」を訪れた際、韓国・朝鮮を植民地化した元凶たる日本人として伊藤博文、西郷隆盛らとともに吉田松陰の顔絵が掲げられているのを見て驚いたことがあります。明治維新の「イデオローグ」吉田松陰が彼の地では帝国主義植民地者として位置づけられているのです。日本と韓国・朝鮮とでは歴史認識においてこのような大きな差異があることに私達は気付くべきです。
井出孫六『杏花爛漫─小説佐久間象山─』(1983年朝日新聞社)は、幕末列強に開国を強いられ、不平等な条約を締結させられたことに憤激した吉田松陰が師である信州は松代真田藩出身の洋学者佐久間象山に、
     「……国力を養い、取り易き朝鮮、満州、支那を切り随え、交易にて魯、墨に失う所はまた土地にて鮮満に償うべし……」
   と書き送ってきたことに対し、「それでは間違いができる」とさとす象山の姿を描いています。残念ながら日本の近・現代史は象山の憂慮したとおりの「間違いの道」を歩んでしまったのです。

    なお、松蔭は靖国神社に祀られていますが、象山は祀られていません。同じく暗殺された坂本龍馬は祀られているのですが、洋学者象山の暗殺は、当時尊皇攘夷を唱えていた長州勢によるものであったからでしょうか。

■■以上、内田雅敏弁護士執筆■■

中国に負けた…。確かに連合軍に負けたのだから…




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