ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

懐かしのウール

2009-06-17 16:27:18 | 着物・古布
なんたってこれを見たとたんに
「そうそう、昔のウールってこれよぉ」と思いました。
いかにもウールウールした?このハデさ、ポップさ。
今の時代、ウールそのものも質がよくなりましたし、
一見遠目ではウールか何かわからないなんてものが、当たり前になりました。
昔は「はいっ私がウールでございますよっ」という感じです。
おまけにこんなのがありました。


    


女性自身も、昭和40年代に別冊などで「きもの本」を出したりしていましたから
それでこういう着物のプロデュースもしたのでしょうね。
やっぱり「ウール・カラー」ではありますが、ちっと洗練されかかってますかね。

格子柄のものなどもあるのですが、なんといってもウール…、
虫さんに好かれているんですわー。小穴が必ずどれもあるんです。
まぁほとんどが、反の巻き始めに集中していますので、
うまく縫えば、着物にはなると思います。
同じ柄のものが二本あるものは、まとめ売りかな…。

そして同時に着荷したもので、こちらは珍しい、いや懐かしい、
広袖の丹前ですがな。


       


こんなの着て「靴下」で、好物の大福を、
クチの周りに粉つけながら食べていた実父を思い出しました。
あのころは綿入れに「火鉢」でしたねぇ。

ウールは単着物の代表ですが、絹物と違って長い期間着られます。
毎日着物で過ごす人には、便利ですね。
ウールには襦袢もモスリン、もしくは晒しの二部式、と、
相場は決まっているのですが、そうでなければならない、
と言うわけでもありません。
元々が普段着物、おウチ着物が原点ですから、
着易いようににすればいいわけで、裾除けにキュプラなどの滑る素材を使うと
足捌きがよくなります。
また防寒もかねて、ウールでも裏をつけたってかまいません。
胴貫でつけてもいいし、ははなどは、お尻が抜けるのを防ぐのに、
後ろの腰から下だけ、古い胴裏や、時には洋服の裏地などをつけていました。

なんでこれから暑くなる季節にこんなお話を書いているんでしょ。
暑い時期なら「サマーウール」「ポーラ」なんてのが、
昔は結構あったのですが、最近はあまりみませんねぇ。
しゃりっとしてて、いいんですけどねぇ。

今回のものの中には、着物や羽織も何点かあったのですが、
残念ながらダメージが多くて、カット使用か裂き織り用ですかねぇ。
それでも、こんないいものがついていました。


    


こういうのを「無双の羽織紐」といいますが、私はひとつしか持ってません。
両脇の三角っぽいのなんて「数珠玉」みたいです。
でも、私が気に入ったのは、紐じゃなくて「金具」。
普通一番簡単なのは「Sカン」、最近のものは、
ブレスやキーホルダーなどに使われるアクセサリー用金具がありますね。
これははじめて見ました。


      


左がしまったところ、右があけたところです。イヤリング金具みたいですね。
ちょっと動かしてみましたが、なかなか良いです。ちょっとゴツイですかねぇ。

古いものを広げると、いろいろ昔に旅ができます。
そうそう、黒の木綿の喪服もありました。これで二枚目です。
木綿が大事な時代だったのでしょうね。もう黒が黒じゃなくなっていますが、
ちょっと解いてみようかなと思っています。

さて、昨夜の雷様は大山鳴動なんとやらで、明け方がなんか静かなもんでした。
それでもなんか安定しなくて、ウールものの匂いを飛ばそうと、
表に出してひろけでいたら、カンカン照りでにわか雨、
どこかで「お狐様」がお嫁入りなさったのでしょう、お幸せに。
で、こちら本日のおまけ「朝顔」さんです。
父が「朝顔ってのはアタマいいから『手』になるものを
そばにつけてやるとすぐ伸びる」といってまして、
私は「眼もついてないのに?」って言ったんですけれど、ホントでした。
あっというまにグンと伸びて、コレがいまのところトップです。
がんばってのびれぇ~!


          



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サマーウール^^ (えみこ)
2009-06-17 21:01:36
ポーラ…なつかしいひびきです。ウールはだいぶ処分してしまったものの、サマウールだけは残しました。あのシャリ感、
気に入っています。生活着としてのきものの匂いって、どこかほっとしますね。
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はじめまして (sacco)
2009-06-17 21:38:36
しばらく前からさかのぼって読ませていただき、最近やっと追いつきましたsaccoと申します。どうぞお見知りおきを。
着物のお話はもちろん、時事問題に至るまで勉強させてもらっています(^_^)

で、今回思い切ってコメントしましたのは丹前のことでして。
家に生地があるのですが、丹前地を単衣着物(もちろん普段着)のように仕立てるってのはやはりおかしいことでしょうか?
今は北海道在住なので、冬の寒さをしのぐ普段着があればなあ、と漠然と考えていたのですが。
(まだ浴衣の一枚も縫えないのに…)
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-06-17 23:26:22
えみこ様
ポーラも今はあるんだかないんだか…。
暮らしの着物ってのがなくなってから、
「あれがあったら便利なのに」というものが、
いろいろなくなりましたねぇ。
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Unknown (とんぼ)
2009-06-17 23:39:05
sacco様
こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。
さかのぼってご覧いただいているとのこと、
恐れ入ります。話があちこち飛んでまして、
さぞ読みづらいことと思います。すみません。

丹前地で着物、ですが、生地的にも
「単」ということも問題ないですよ。
ちょっと渋めで、ステキですよきっと。
あと気をつけるのは長さです。
丹前は木綿地でもウールでも
男物の対丈分、ということで、
古いものほど11.5メートルとか
そのくらいだと思います。
御自身の身長などもありますから、
最初に反物の長さを計ってみてください。

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Unknown (陽花)
2009-06-17 23:48:13
若い頃はウールの着物ばかり着ていたのに
最近は本当に着なくなりました。

羽織紐の金具変わった形ですね~
珍しい物を見せて頂きました。

朝顔さん頑張って伸びてきましたね。
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Unknown (とんぼ)
2009-06-17 23:59:17
陽花様
そうそう、なんか絣みたいなのとか、
ピカソが絵の具ぶちまけたよーな、
わけのわからん抽象柄とか…。
便利でしたね、なにかと。

この金具、ちょっといかついのですけれど、
とても使いやすいんです。
こんなのほしいですわ。

お天気のせいかとおもっていたのですが、
手を作ったら、グングン伸び始めました。
自然ってふしぎですね。
返信する
ウールの着物って・・・ (りら)
2009-06-18 02:19:05
私は「ちょぃと買い物に~」なんて時は好きなんですけど、古着を買ってみると、一口にウールって言っても様々なんですよねぇ。
ちょっとごわついても着易い物、もうおはしょり作ってる端からズルズル滑って着難い物。
これが画像では判断できないんです。
それで最近はウールを敬遠するようになってしまいました。

トップ画像のステンドグラス調、薔薇ですよね?
色と言い柄と言い、面白い~♪
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Unknown (とんぼ)
2009-06-18 02:35:26
りら様
ウールもほんとにピンキリですね。
硬くて裃着てるみたいなのもあるし。
そのシャリ感が身に添うものもあるし…。

バラですね。まんま。かわいいです。
もう少し色目がおちていたら、
羽織にはおもしろいかもです。
りら様なら、まんまイケるかも?
あのパレードだったら、これで「マケナイ!」
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