ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

基本にもどって??

2006-01-28 14:53:49 | 着物・古布

今まで「外身」の着物や帯の話ばかりしてきました。
今日は、基本にもどって「着物を着る」ことについて・・。
と言いましても、私のブログに来てくださる方は、
皆さんご自分で着物を着られるかたばかりですから、
言ってみれば「今さら」・・の話題なのですが、お若いかたの中には
道具を使うとか、そういったことで迷っていらっしゃる方も・・なんて
かってに考えまして、今日のお題と致しました。

だいぶ薄汚れていてすみません、上の写真は、私が10年ばかり愛用している
「帯枕」です。母はこれを「ねこ」と呼んでおります。なんでだろ・・。
私の「帯枕」には、上から紐をつけてあります。
こういうものを買いますと、たいがい短めの細紐(時には化繊だったりする)が
枕の両脇から出ております。それを切り取り「モスリン」の腰紐を
外側から縫い付けます。こうすると帯枕がグラグラ動きません。
また紐も長く、モスリンは滑らないのでしめやすいです。
ゴムのついたものもあるようですが、帯枕は動かないほうがいいと思います。

次の写真は「帯揚止」、実はこの名前、最近まで知りませんでした。
実際には帯揚げを止めるものではありません。私は母が言っていた
「帯はさみ」という名前をそのままずっと使っています。
和装具で検索するときは「帯止め具」または「帯止め」、帯止めだと
「帯留」にも使われているので厄介ですが・・。



私は、着付けを教えてくれた母がずっとこれを使っていたので、
帯を締めるときにはこれを使うものなんだ・・と思い込んでおりました。
これ以外は着物を着るのに道具は使いませんが、コレだけは使います。
でも、知らない人が多いんです。年配の方ならご存知なのかなぁ・・。
では、ご存知ない方のために、説明しますね。

つまりこれは帯を「結ばなくていい」道具です。下の写真は、
帯を結ぼうとしている「後ろ姿」だと思ってください。
モデルとして帯を締めているのは私のパソコン用のイス君です、ははは!
左上に上がっているのが、お太鼓のとき「て」になる方、横になっているのが
胴に巻いたほうです。通常は、ここで結ぶかひねって(ねじって)紐で仮止め、
になりますが、そこでこの「帯はさみ」で、胴に巻いた分から全部挟み込み、
下で、金具をひっかけスナップを留めます。引っかかるようにできてますので。
これで帯は固定され、緩んできません。母がこれを使うのは
帯は結んでもねじっても「シワ」になってしまうことと、ねじっただけでは
緩む感じがしていやだから・・と言ったのですが、私もそうです。



挟んでとめたら「手」をしたに向けて折っておろします。
そのあとですが、ちょっと写真がわかりにくいかもしれませんが・・。
右側のたれになるほうの帯をひろげて、帯枕の位置を決め、
帯はさみの上にしっかり乗せて帯枕の紐を前で結ぶわけです。
帯はさみがよく見えるように、ちょっとめくりました。
実際には帯をきれいに広げて始末をすると、ごろごろしません。
わかりやすくするために「帯揚」をかけませんでしたが、
「帯枕」のあるところが当然、お太鼓のてっぺんです。
この帯はさみの上の部分を「枕受け」と言います。ここに帯枕を写真のように
乗せるわけです。これで、帯枕が下がってくるということがありません。



私としては、とてもすぐれものだと思っています。
はさみでバチッととめてしまうので、まず緩みません。
元々帯というのは真横にしめつけるのではなく、帯の下部分を持って
「下」を締めます。極端な言い方をすると、胴に対して「円筒型」に
締めるのではなく、胴に対して帯が「逆プリン型??」つまり、
上がひろがって下は締まっている・・という形になるように締める、
この状態で帯をはさんでとめてしまえば、下がゆるみません。
下が緩まないということは、帯がさがってこないということ。
ついでのことに上は余裕がありますので、けっこうな「ポケット」になります。

今の着付け教室での教え方がわからないのですが、私が娘の頃は
着物を着て腰紐を締める時は、ウエストではなく「腰骨」で締めよ、と
教わりました。いまでいうなら「ヒップハンガー」ですね。
ここなら締めても苦しくないし、着物が着崩れない・・と。
確かにそうなのですが、昔はなかったであろう駅のなが~い階段の上り下りや、
洋式トイレ、それに車の乗り降りなど、そういう動きをしていると、
だんだん腰紐が上に上がってしまうのです。
ひょっとして私だけ?・・たぶん・・なんせガサツだしぃ・・。
それで、中年すぎて帯をゆったり下目に締めるようになってからは、
腰紐はウエストに締め、帯の下が腰骨にかかるようにしました。

着物の着崩れというのは、こまかいところはどうしても起きるものです。
下前がズルリと出てきたなんてのは困りますが、
ちょっと手をあげれば脇があまくなりますし、私のように帯を下目にしめると
胸元が緩みがちです。こまめにちょっちょっと修正してしまうことですね。
何度も書きますが、昔々は着物はテレ~ンと着ていましたし、
帯もゆったりでした。一昨日の「モデル立ちの写真」でも書きましたが、
きりっとした洋装に対して、シャンとしたかっこいい着物姿を・・と
がんばった結果が、必要以上にきちんと着ることになってしまったのではないかと
そんな風に思うのです。外でグズグズに着るわけにはいきませんが、
家の中で着る時には、少しぐらい着崩れてもラクに着ればいいと思います。
昔のおとーさんは、丹前の前がはだけてて、中のラクダのシャツのボタンが
よく見えていたものだし??
きちんときられるだけの基本を身につけたら、あとは自由でいいと思います。
着付け教室に通った友人が、腰紐を何本に伊達締めが・・となんだか
ずいぶん小物の数を多く言ったたのですが、私は肌じゅばんにじゅばん、着物、
全部着るのに伊達締め2本と腰紐1本です。
若いころはこれに「補正」として作った「胴部分」のタオルに紐をつけたのとか
いりましたけど、現在は太ったおかげで胴まわりの補正はぜんっぜん
必要なくなりました。(うぇ~ん!)但しこのままいくと、
今度はおなかを押さえる補正がいりそうなので、やっぱり・・やせよう!
このおなか周りの「霜降り肉」を「スジ肉」にかえるべく、
有酸素運動、やるんだっ!!



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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いただき**です。 (着物好き)
2006-01-28 22:18:28
帯枕の紐いいアイデアですね、いつもあの紐が、すわりが悪くて気になっていましたのが、これで解決です。帯はさみやっぱりあれも優れもの***いつもありがとうございます。

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よかったぁ (とんぼ)
2006-01-29 00:14:59
着物好き様



帯はさみ、ご存知の方がいて嬉しいですー。下のボタン部分が弱くなったので新しいのを買おうと思ったら、なかなか置いてなくて・・。ネットでもやっと探しました。安いものなのにー。
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帯枕は、 (ぶりねぇ)
2006-01-29 00:31:33
紐をはずして、ストッキングに入れてます。これは、母のアイディア。

で、最近は、帯枕として、ヘチマを使っています。

うまこ様のページ、ご参考まで。

http://umacco.at.infoseek.co.jp/obimakura/obimakura.htm



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なるほど・・ (とんぼ)
2006-01-29 00:54:29
ぶりねぇ様



いろいろなアイデアがあるものですね。

うまこさ間のHP、ときどきおじゃましています。着物をラクに、楽しく着るための工夫というのは、今までもこれからも、いろいろ考えだされていくのでしょうね。そうやって着物人口が増えていくといいですねぇ。そのためにも、いいアイデアは実践して宣伝していかないと!
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帯はさみ ()
2006-01-29 01:14:05
娘に帯結びを手伝ってもらう時は帯はさみ(帯び止め)を使います。

アルバイト先で使用していたそうで、彼女はこれがないと結べません。

私は後ろがどうなっているのか自信が無いので、自分一人では心配で・・・。

昨夏はヘチマで帯枕の代用をしました。

帯揚げは麻で出来た生成りの垢すり?タオル。

ヘチマに麻のタオルを縫い付けて使いました。



とんぼさんのように今度は帯枕に直接紐を縫い付けて見たいと思います。
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私も手伝いました (とんぼ)
2006-01-29 01:43:22
恵様



まだ家にいたころ、母が五十肩で右手が後ろにまわらなくなり、一年ほどよく帯結びを手伝いました。私が帯はさみを止めると「なんやゆるい」とか「真ん中やないで」とか・・ちゃんとやってるのに・・あれはきっと自分でできないもどかしさでヤツ当たっていたのでは・・と今にして思います。

麻のあかすり・・いいですねぇ、うこんとか紅茶で染めてみようかな・・。汗で色落ちしたらアウト?
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女物の着付け。 (中村屋ダン之助)
2006-01-29 01:45:19
実は私、女物の着付を月2回のペースで習っております。最初はニョーボとペアだったのですが、来週から人台相手の授業になります。いかに体に触れずに着付けるかがテーマです。補正も少しづつ習っております。



着付け授業を受けていて気付いた事ですが、着物の平均寸法は現代女性には無理が出てきていると思うのです。

今は160cm台の女性はザラにいますよね。なのに袖付けは相変わらず5~6寸でしょ?これだと帯が上過ぎですよね。これじゃ苦しいんじゃないでしょうか?7寸でいいと思います。

また身八ツ口にしても身長の高い方などは、ちょうどバストの位置にきます。ゆえに浴衣の時期は”丸出し”の方がいらっしゃる(これはこれで良いのですが・・・汗)、4寸も開けなくても3寸で機能は損ねないと思います(あ・・・4寸のままでもいいか・・・)。
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役得・やくとく・・キヒッ (とんぼ)
2006-01-29 02:20:18
ダン之助様



なんてぇことは、ま~さ~か、ありませんよねぇ。着物の寸法については、本当にそうだと思います。いまどきの方は身長もあるし、腰の位置も高いです。この前振袖のところで書きましたが、最近は中振袖なんて寸法は、小振袖になっちゃう?アンティーク着物ばやりで、お若いかたが古着をじょうずに着ているのを見るのは楽しいのですが、総じて「裄」がたりず、おはしょりが小さい・・。着物業界は、みょーちきりんな「着物」を考案する前に、着易い着物を考えるべきです。あっ、この「みょーちきりんな着物」というのはですねぇ、高○屋でみたんですが、なんと帯に「おはしょり」がついている・・という着物だったんです。対丈の着物の上から帯をすれば、帯におはしょりがついているのでちゃんと着ているように見える・・という・・。私は思わずその着物を着ているマネキンの前で、脱力してすわりこみました。やめれ~。



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寸法 (蜆子)
2006-01-29 09:28:34
着物の寸法、身幅や身丈にばかり目がいってました。はい、私の寸法は私用で、これって男物?なんてもの、仕立て屋さん、まさかと思って電話かかってくるのはいざしらず、勝手に直したりするんです、

おくみさがり、えりあきのきれいさ、などなど、袖付けは若くはないので当然たくさんついてます。身八つの空きまでは気がつきませんでした。

ただ直すとすると、着物、襦袢、コートにいたるまでで大変なんです。
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わたしサイズ (とんぼ)
2006-01-29 11:43:49
蜆子様



仕立ててもらうときはホントに気楽、私も母の代からの呉服屋さんですから、毎度私サイズでやってくれます。でも「既製品」は洋服と同じでSML・・そのサイズに問題があるんですよね。実は「かるさん」の時きている着物は「L」なんです。身幅なんかは太ったしなんとかなるかと思ったのですが、やはりちと緩め、なにより裄が長かった。羽織から1センチくらい出てしまう・・。直しがいりました。でも、いまどきのヒトにはたぶんあれは「M」でしょう。着物は家の女が縫うのが当たり前だった時代は、おおざっぱな基準があって、あとは家族に合わせてアレンジ・・とやってましたが、既製品に頼る現代では、その基準がそのまま使われてしまいますから・・。
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