ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

まとまりなく・・?

2006-05-18 22:49:15 | 着物・古布

ここ数日、ちょっと勢い込んで書いておりまして、
夜中にアップしたり、朝イチだったり、ストック記事からあげたり、
一日がかりで書いたり・・これ、いかに性格が「散漫」かということですね。
どうもきちんとできない・・典型的なO型・・だそうです。
で、今日はよりいっそうまとまりなく?書いてみようかと。

まず、先日の「イラスト」かと思った・・というコメントをいただいた写真、
アップで撮ってみました。セーターの「網目」、わかるでしょうか。
いわゆる「修正」を施した写真だと思いますが、ほんとに「絵」のようです。
こちらは「キットもの」の「日本人形」、こちらのほうが「写真」だと
わかりやすいでしょうか。最初のページに載っているものです。



「キット」という言葉は当然使われておらず「材料一組」、
これ「3圓(円)80銭」という価格なんですが、昭和15年の3圓というのが
どれくらいの価値なのかわからず、ちょっと調べてみました。
当時のお米10キロが3円25銭・・だそうです。教員の初任給が50円。
なにしろ「銭」というのがくっついてますから、わかりにくいのですが、
お米の価格の比較で考えると、だいたい3000円前後くらいでしょうか。
今の時代なら、それほど高い「キット」だとは思いませんが、
当時は、子供の使う手芸材料としてはゼータクなだったでしょうね、きっと・・
あっシャレじやありません!
ちなみに、ちゃんと完成されたものの価格もありまして「5圓30銭」です。

さて、次のお話はガラリとかわって「うそつき襦袢」のお話、
昨日は、衣更えの話題で、外側に切るもののお話をしましたが、
今日は、中身のほうです。
基本的に、袷の着物には袷の襦袢、単には単で、夏は麻・・ですが、
このあたりは、昔から、袷が厚くていやなヒトは「胴貫き」にするとか、
そういう工夫はされているようで、古い和裁の本にも作り方が出ています。
うそつき襦袢というのは、その名の通り、表から見える部分だけは、
いかにも襦袢のように袖やすそをつけ、真ん中の胴体の部分は
「さらし」を使うものです。おもに普段着につかわれるもので、
昔からよくあるのは「さらしとモスリン」の組み合わせ。
普段用ですから、袖も単仕立て、洗濯ジャブジャブで便利なものです。
「胴貫き」は、ひとつにはリフォーム、つまり、あれこれ作り直しした結果、
一着作るには布が足りない、という場合に、袖と裾を同じにして、
胴体部分だけ別布を使う、という方法。これは昔の襦袢はけっこう多いです。
もうひとつの理由としては、最初から「胴貫き」に仕立てる場合があり、
これは「襲」の着物の場合、同じ色柄の着物を重ねて着るので、
中に着るもの、この場合は襦袢といわず「中着(なかぎ)」といいますが、
これを少しでも薄く軽くするため、「額仕立て」「鏡仕立て」などと呼ばれる、
褄先(おくみの先)などを額縁のように仕立てるなどする方法。
この「中着」の場合は、袖もまるまる同じ布ではなく、袖口布と「振り」の
外から見える部分だけ、表と同じ布を使います。袖の真ん中と、胴体は
だいたい本体より薄い絹を使います。本体はちりめん、胴は羽二重など。
下の写真が子供の「中着」です。



私は暑がりなのと、ボテボテするのがいやなので袷の襦袢の何枚かを
胴貫きにしてもらいました。晩春の頃今日はちょっとあったかくなりそうかな、
なんてときは、それを着ます。
うそつき襦袢も、モスリン袖のもの、化繊の袷の袖のもの、
古い絹の着物や襦袢の袖だけとってつけちゃったもの・・といろいろ。
絹と木綿を合わせるのは、基本的にはタブーです。
ひとつには生地同士のスレで絹がいたむから、それと木綿を縫うのは
木綿糸ですから絹にはきついです。かといってもめんに絹糸は、
逆にデリケートすぎる・・。で、私は最近「ポリエステル糸」を使っています。
この糸はバッグなどを作るときも使いますが、細くて耐久性があります。
確かに「絹は絹糸でなければ・・」というのはあります。
価格も高い、いい着物や襦袢には、絹でなければ・・ですが、
普段着、と決めたものについては、実生活の中での洗濯や保存、使用感、
それを優先的に考えます。
暑がりになってしまった私には、この「絹袖さらし胴」のうそつきは、
「かるさん」をはくときの必需品。あっ、かるさんのときは、下はつけません。
実は着物も切っちゃってます。

明日は、私のかるさんについてお話しましょうか。
先に白状しておきますね。私は正式のかるさんについては、
絵や写真をみただけで、まったく知りません。「ああいうのがほしい」と思って
勝手に作りました。それで、実際には「かるさんもどき」、なんです。
私はかってに「かるさんもどきパンツ」で「かるぱん」と呼んでます。
本日ちょっと短いですが、「中に着るものの工夫」とか「かる・・ぱん」について
明日は書いてみます。






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6 コメント

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Unknown (とんぼ)
2006-05-19 22:31:40
千兵衛様

だからやっと30になったばかりですってばぁ・・

何おもいっきり、ヒいてんですか・・。



糸はいいものが出てますよね。たまに大手の手芸店へ

新商品?のリサーチに行きます。

ポリ入りは伸縮性があります。ニット用なんか

ゴムみたい?あの「伸び」はいいですよ。



Fujipi様

そーなんです。さらしもお値段でいろいろ

ありますから、私は安くて薄いのを夏用に・・。

確かに弱いですけど「消耗品」ですよ。ホント。



陽花様

かんたんですからねー、おたのしみに!



ねね様

きいちのぬりえ、よくやりましたわ。

そのころから「お嫁さん」とか「藤娘」とか

着物の絵が好きでした。

先人の知恵って、ほんとすごいです。
返信する
写真ですね 2 (ねね)
2006-05-19 18:01:47
この写真を見て きいちのぬりえ思い出しました。私が最後にぬりえを楽しんだ世代だと思うのですが、今またブームなんだそうです。

うそつき襦袢なるものも初めて知り、先人の知恵に感心しております。
返信する
Unknown (陽花)
2006-05-19 11:05:52
とんぼ様



かるさん楽しみにしていま~す。

かるパン作ってはいてみたいです。
返信する
写真ですね! (Fujipi)
2006-05-19 10:40:25
 アップにすると写真だってわかりますね。確かに、セーターの網目がでてます。それと肌のかんじが、リアルです。これで逆にイラストだったらすごすぎます(笑)



 モスリンのうそつき、母からもらって持ってます。昔っぽくてかわいいので気にいって着てます。でも、もう暑くて駄目ですね。

 暑いのが苦手で汗を良くかく私は胴体の部分が木綿でできているうそつきが手放せません。全部ポリエステルや、絹でできている襦袢も持っていますが、どうしてもうそつきばかり着てしまいます。実用第一ですよね!
返信する
ごめんなさい! (萬屋千兵衛)
2006-05-19 09:17:22
うそつき長襦袢のところで、言葉が違ってました。

お端折ではなく、ふりや身八口ことでした。
返信する
お疲れ様です! (萬屋千兵衛)
2006-05-19 09:12:52
毎日、旺盛な執筆力でパワーを感じますね!

今、私は勝手にとんぼちゃんの年齢を推し量ってるのですが、さっぱり判らずで、困っております。(笑)

日曜日の私のブログのランキングをお楽しみにしてください!(笑)



さて、写真がイラストに見えるという件は、おそらく当時のカメラのレンズの解像度が低い為に線が甘くなっていて、その原稿をまた印刷した為に余計塗り絵っぽく見えてしまってるのでしょうね。この辺りは、りさこさんの方がお詳しいとは思いますが、、、



それから、「うそつき」長襦袢の件ですが、

更に、胴体部分無しの袖口やお端折、半襟などを長着に縫い込んだ「大うそつき」なんてのもありますよね?

もうこうなると「なんでも有り」で、しかもそれらは暗黙の了解的に認められているようですから、昨日の衣更えの事にしましても、もう、なんでも有りでいいんじゃないかと思いました。(笑)



縫い糸の件では、

今、私が木綿生地に使用している縫い糸は、木綿とポリエステルの混紡なのですが、それが昔ながらの混紡ではなく、同心円状になっておりまして、確か、ポリ70%が芯で、その周りを30%で木綿で覆われてます。見た目木綿ですが、糸の通りが良く、強くて若干の伸縮性があります。

50㎝位を両手に持って伸ばすと気持ち伸びる感じなのです。ですから着ていて多少、糸に無理がかかっても、切れたりしにくいんじゃないかと思いますね!
返信する

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