ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

プロマイド柄羽裏

2012-08-29 20:01:44 | 着物・古布

 

たまーに出ます。羽織はハデハデ「バラ柄」。母なら「布団柄」といいそうな色具合です。

あちこちシミもついてます。

 

        

 

こちらが羽裏。写真染め、感光染め、というそうですが、要するに写真の焼付けと同じ方法で柄を染めるわけです。

以前にも新聞を丸々写し取った羽裏というのをご紹介しましたが、なーんでも柄にしちゃうんですね。スゴイ。

 

      

 

こういう新しい技術とか、横文字、アールデコと呼ばれるような柄は、

大正から昭和初期にかけて、じゅばんや羽裏に使われています。

ダンスの図案や、外国タバコ、ポスター、お酒や彫像など。

なんかわからん横文字が並んでいて、読んでみるとつづりが違っていたり…。

これって、今外国の人が「漢字」を「デザイン」としてかっこいいから…と使う感覚と似たようなものなのでしょうね。

「台所」という字の書かれたTシャツのお話しをしたら、

ミクシの友人が「外国人で『痔』という刺青をしている人がいる。本人は『ことぶき』のつもりらしい…」。

まぁ「寿」より「痔」のほうが画数多いし???

 

さて、このプロマイドですが…サイン入りなんですけどねぇ…サインとなると、よけいに読めません。

下の名前が「比呂子」ではないかと思うのですが、さっぱりわかりません。

 

    

 

もうちょっと大きく…

 

       

 

もう一人こちらは、まったくわかりません。

 

       

 

で「横文字部分」…何がかいてあるのやら。

 

      

 

表は初期のころの銘仙のようです。

初期の銘仙は丈夫の代表みたいなものですから、これもしっかりしたもんです。

それでも「傷み」のある部分もあり、その補修たるや…こうまでして着たんだなぁと思います。

羽織の裏側の裾、裏打ちびっしり。

 

   

 

傷んでないところは、まだまだ使えそうです。おそるべし、銘仙!

バッグなんかにしたらかわいいですね。

 

さて、ここで質問です。

皆さんはこういうスターやタレントの写真を「ブロマイド」といいますか「プロマイド」といいますか?

パソコンだとわかりづらいですね。「」か「」かの違いです。

」ロマイドは印画紙そのものをいいます。

」ロマイドは、あの有名な「マルベル堂」さんが、最初に映画スターの写真を今のように写して売るときにつけた、

いわば「固有名詞」といいますか「商品名」なのだそうです。

つまり女優さんの写真の場合は「ロマイド」が、正しいわけです。

商標登録などをしていないのだと思いますが、NHKなどで放送するのに商品名になっては、と

「ブ」の方を使い始めたので、ごっちゃなったみたいですね。

私はつい「ブ」の方を使ってしまうのですが、今日はまちがえないように使いました。

 

日本で初めての写真は1860年…大政奉還のまだ数年前です。じっと動かずに…のあの時代ですね。

少しあとに日本にやってきて20年滞在したのが「フェリーチェ・ベアト」。

日本の「写真」というものに、大きな影響を与えた人といわれています。

私の持っている「明治のころの写真本」にも、彼の名前は頻繁に出てきます。

彼の仕事の助手や社員、弟子などが、その後「写真館」を開いて、これがはやったわけです。

 

プロマイドの最初のころは「花柳界」の女性。文字通り「カオを売る」には、とてもいいものだったでしょうね。

なにしろ今みたいな「芸能界」はまだ存在しないわけですから、美しい有名人、といえば芸者さんだったわけで。

映画が始まると、映画スターのプロマイド、そして今で言う歌手タレント…が始まるわけですが、

皆さんはなにかプロマイドを買ったとか持っていた…という記憶はありますか?

私は小学校の6年生のとき、シャボン玉ホリデーが好きで好きで…。

そのころに出ていたスリーファンキーズのを持っていました。確か京都の新京極で買ったと思います。

それ以後は、けっこう雑誌も出てきましたしね。買うことはありませんでした。

 

この羽裏は表地同様繰り回しのようで、ちと寸法が短いのですが、表地ほどの弱り傷みはありません。

大切にとっておいたのでしょうね。

この女優さんのファンだったのかどうか…もしかしたらお母さんがファンだったのかも…。

で、結局…この人ダレなの…?? 


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もしかしたら (よっちゃん@ニューヨーク・スローライフ)
2012-08-29 23:30:58
「比呂子」さんは、ピアニストの中村紘子さんじゃないでしょうか?
お顔は似ているように思います。。。

羽裏のブロック柄、いい色ですね~。
古い羽織って、色柄はじけてて楽しいですね^^
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Unknown (陽花)
2012-08-29 23:49:50
よっちゃん様がおっしゃるように中村紘子さんに
よく似ていますね。

こういう派手な柄は若い頃羽織じゃなくねんねこで
見た様に思います。
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Unknown (とんぼ)
2012-08-30 00:13:22
よっちゃん@ニューヨーク・スローライフ様

お顔は確かに似ていますが、彼女は確か私より5~6才年上なだけです。
この写真が撮られたころは、ご本人まだ乳幼児だと思いますよ。

銘仙は特にポップが多いです。これはまだまだ具象柄のほうですね。
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Unknown (とんぼ)
2012-08-30 00:15:50
陽花様

ほんとよく似ているんですよね。
眉毛の描き方、長いと思いません?
当時の流行だったのかもですね。

私もねんねことか布団でみた柄のように思います。
かなりあちこち丁寧に「補修」しています。
そういうものを作り変えたのかもですね。
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Unknown (古布遊び)
2012-08-30 08:01:51
こんな羽裏があるんですねえ~~
本当に羽裏の世界は面白い。

表の方は確かに布団で見たような、と言う感じですね。
今朝は面白いものを見せていただきました。
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Unknown (とんぼ)
2012-08-30 09:48:26
古布遊び様

羽裏はキャンバス…ですわ。
なんでもアリです。

母なんかはゼッタイ「布団」って言いますね。
この市松に分けた感じなんか、見たことある気がします。
じっと見ていて、小ぶりのお座布団もいいなぁと…
思ったりしています。
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Unknown ()
2012-08-30 19:41:01
誰かに似ている 
でも年代が違うから判らない・・・
       と思ってコメント欄を読んだら
そう 皆さんのお話の通り 
中村紘子さんに良く似ていらっしゃいますね。

私もお母様と同じに 布団柄
でも 私も ねんねこ柄で 見た事があるような気がします。
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Unknown (とんぼ)
2012-08-31 17:06:06
惠様

昔の写真ですから、目は黒々で、ちと平面的なんです。よーく見ると部分的には違うんですよ。
写真ってフシギです。

こういう柄って、昔の旅館のふとん…みたいな気がします。
元々あのあたりの織物は「布団側」が主でしたからねぇ。
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この伝でいったら・・・ (りら)
2012-09-03 07:01:46
百恵ちゃんだのピンクレディだのの羽裏ができたっておかしくなかったってことですよねぇ。
ピンクレディの踊りの振りのコマ割とか、あったらおもしろいでしょうに・・・・

このモデルさん、レビューのスターのようなお化粧やヘアスタイルに見えますけれども・・・・
バンプ系ですよねぇ。
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Unknown (とんぼ)
2012-09-03 08:58:07
りら様

私もこのかた「日劇」とか、そういうほうの方かしらんともおもいました。
今よりそういうものがもてはやされた時代ですからねぇ。

ずっと着物が着られていたら、ジャニ系とか、いろいろでたでしょうねぇ。
振袖に、そんな柄が出たりして??
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