ちょっと見ると「古典」でも書いてありそうな、
或いは水茎麗しい書道の手本のような・・・。
実はこれ、明治44年9月発行の「○越デパート通販カタログ」です。
表紙の裏側には、3本の万年筆の広告があります。
「何れも舶来の高等品なり。一年二年で使用に堪えざる如き安ものにあらず。
試みに御使用ありたし。」あ~~今ならゼッタイ買う気はおきませんね。
カタログの中は「モノクロ」といいますか「紫と白」の印刷で、
さまざまな商品が紹介され、説明は全部「万年筆」と同じ調子。
もともとが呉服屋さんですから、まずは反物・着物のオンパレード、
そのあとは、簪、懐中時計、指輪、メリヤスシャツ、靴(ブーツ)、
便箋や手帳などのステーショナリー・・・。
私と年が近ければ名前くらいはわかる「インパネス」「二重トンビ」
おしろい、タバコいれ、ショール、イス・・。
通信販売は、最近になって始まったものとばかり思っていました。
いやーおどろいたー。このカタログの「説明」などを読んでいると、
やはり「通販」という方法がリスクを伴うものだということで、
お客に対して少しでもその不安を取り除こうとする工夫というか熱意というか・・
そんなものが感じられます
例えばこんなページがあります。タイトルは、ちと長いですが
「地方係員が御註文品を選択する際には 一時御客様の積り、
身は店員なれど 御客様の名代にて○越に買い物をする心掛け」
中身は要するに、遠くにいてここまでこられなくても買い物ができますよ、
という「利便性」のアピールと「通販は、店員が御客様の身代わりとなって
買い物をする。自分のお金で自分が買うとしたら、という立場で
品物を選ぶ、そういう心意気でやっているから大丈夫」という説明です。
カラー写真もなく、簪など細かいもようのアップ写真もありません。
そういう状態で地方の御客様に買っていただくには、なにはともあれ
信用とこまかい気配り・・それに徹している感があります。
これって、今でも本来は当たり前なんですが・・。
ネットでの買い物も、ネットオークションも通販ですが、
詐欺事件が起きたり、ニセブランドが横行したり・・。
通販という方法は発展したけど、心意気の方は同じだけの向上はなかった?
すごいですね。
何がすごいって何だか全部すごいです。
他に言葉が見つかりません。
時間の使い方然り。
本当にすごいです。
なぎささんといい、とんぼのすけさんといい・・・
素敵な方たちと知り合えて嬉しいです。
どれひとつとして、深く追求したことがない。
かろうじて着物・和物に関することだけは、
好きが高じてシゴトにまでなりましたけど、
あとはもーいい加減なもんです。
すごいなんて言われたら恥ずかしいです・・
(必死で穴掘ってます、今・・)
最初からずーっと、時には目を見開き、時にはくふふと笑いながら、一気に拝見させて頂きました。
いや、ほんとにすごいです、全部すごいです、頭下がりっぱなしです。
穴掘ってるとんぼのすけさんもすごいです。(あれ?)
私ととんぼのすけさんの共通点って、着物が好きっていうコトと、姉さん女房っていうコトだけで、あとはもう足下にもおよばないのですが、なんだか、すっごーくお逢いしたくなりました。
でも、好きが高じてシゴトになる、って、とてもすてきな事だと思います。
好きな事を仕事に活かせている人って、実は世の中、意外と少ないと思います。
生意気言いましたが、ご迷惑でなければ、またいろいろ教えて下さいね
大変失礼致しました。
手馴れております・・?!
いろいろ浅く広くのニンゲンなので
ちょこっとおもしろいお話しなど
書いていこうと思っています。
息抜きにいらして、
クスッと笑ってやってください。
古い記事から読ませて頂いている最中です。
「トンビ」は我家にある筈です。母方の祖父はもう昔に亡くなりましたが、宝生流の能と俳句をたしなみました。仕事は貿易関係の会社員でしたが、殆んどこれらに注ぎ込んでいたようです。仕事以外は和服が多かった祖父は、冬になるとこの「トンビ」を着ておりまして、祖父が亡くなった後、父が形見としてもらって父が着ておりました。そう言えば、父が着る姿も暫く見ないうちに、父も逝ってしまいました。
いやーなんたって重い!
着ただけで肩こりどころか、
妖怪「ぬりかべ」にのしかかられたように
倒れてしまいそうです。
重いことが「よいもの」の象徴ってことも
昔はあったんでしょうね。
あれを着て歩いた昔の人って体力あつたんだー。