先日「羽裏」をお見せしたときの「クモの巣柄」羽裏のついていた羽織の紋部分。
これは「根笹紋」で「三つ追い」とか「三ツ割」と呼ばれる紋です。
よく見ると、丸のまわりにところどころ白っぽいものが見えてますね。
これは「以前の紋」、つまり最初は根笹紋じゃなかったわけです。
ではどんな紋だったのでしょうか。
実は「橘紋」でした。はい、種明かしぃ~~。
これは「貼り紋」といいます。もう一枚お目にかけましょう。
こちらは男物の紋付、直径3.5センチもあるという大きな紋ですが、
はがしてみると…
元は「丸に剣木瓜(けんもっこう)」、貼り付けたのは「上り藤」。
ちなみに「木瓜」は「きうり」と書くことや、
模様が胡瓜を輪切りにしたところのような柄、というところから
きゅうりだと思われていますが、実際には「鳥の巣」の図柄といわれています。
さて、古い紋付の羽織を見ると、この「貼り付け紋」はけっこうあります。
パッとみたところは全くわかりません。意識して紋の部分を触ると、
ちょっと厚みがある、指で表面をそっとなぞると「段」がある、
そういうことでわかります。
紋を入れるには、さまざまな方法がありますが、
一番手のかかる方法は、手間も時間もかかるので、それだけお金もかかります。
今では誂えるときくらいしか使われなくなりました。紋章糊置きという手法です。
まず、紋付は紋の入る場所が決まっていますから、
反物で「ここに紋がくる」というところがわかります。
そこを先に「紋の形」に「糊」をつけて染まらなくしておくのです。
そして全体を黒く染めてから「糊」を落とし、その中に筆を使って描くのです。
京都には、この「描き紋」を生業とする方がまだ残っておられますが、
下書きもなく、細い筆を使って複雑な紋を正確に描く技術は、
ほんとに「神業」としか思えません。
この「描く」ことより少しランクが下がるのが、
丸く染め残したところに紋を染める方法です。
今呉服屋さんなどで販売されているのはほとんどこの方法です。
先に反物を黒に染めて「紋のところが白い丸」に抜けています。
ここに紋を染めるわけです。
紋を入れる技術については、たとえば色無地などの場合は、
「抜染」という技法を使います。
つまり、紋の形の型紙を置いてその中だけ抜染して白地に戻し、
紋を描き入れるわけです。
どれも同じに見える紋付ですが、そのつけ方にはいろいろあるわけです。
ですから、周りの丸のないもので白く抜けている紋があったら、
それは一番手がかかっているということです。
実は、最初の「根笹紋」の下の「橘」、これがそうでした。
地模様も花唐草のような凝ったものです。
誰かの手に渡ったとき「貼り紋」をつけたと言うところでしょうか。
少し小さめの紋を選んだために、元の橘紋の茎や葉の先がちょっと出てしまった、
これがトップ写真の「紋のまわりの白っぽいもの」です。
もったいない、という意識がこうやって繰り回すためのワザを生み出す。
知恵はこう使いたいものですね。
江戸小紋などで紋を入れるとき、たいへんだからと縫い紋にする場合がありますが
染め抜き紋に対して「縫う」ことは、カンタンに(技術はたいへんですよっ!)
できますから、染め紋よりワンランク格が下がります。
それくらいにしておいたほうが、堅苦しくなくていいものです。
さて、本日のおまけ…、
なんだこの「アブナイ写真」!はいはい、こちらにおいでの
男性の皆様(萬屋千兵衛様、maymayman様…と限定は致しませんが)
お喜びいただけましたでしょうか!?そうめんのときの器です。
ちょっと暑くなってきて、私の好きな「そうめん」の季節!
今年はネットでみつけた「ガラスの器」、
これでいってみようと思います。ホントは「冷茶用」の湯のみなんですけどね。
で、横に立っている「ないすばでぃ」のもの、実はこれ「お銚子」です。
以前「昔、親子で着物でせともの紀行をした」という記事を書きました。
これはそのとき「常滑」で買い求めたものです。
あの急須で有名な「朱泥」ですね。我が家は下戸なのになんでお銚子が…。
母はこれを一輪挿しに使っております。花より先に下に目がいくっつーの…。
私も結婚するとき2本もらってきたのですが、
主人は洋酒が多いので、酒器としてはまだ3回くらいしか使っていません。
もったいないので私はこれを「そうめんつゆ」の入れ物に使っているというわけ。
では後姿も…、
加工したので「つや消し」みたいになっていますが、実際には
ツルツルツヤツヤのきれいな肌を、じゃない「地」をしています。
腰のくびれのところが、つゆを注ぐのにちょうど持ちやすいんですよ。
私も昔はこんなふうに…あっやめておきましょう、寂しくなるし…。
今の私のぼでーを模して「お銚子」を作ったら、
ただの「とっくり」になりますなぁ、がっはっは…。
これは「根笹紋」で「三つ追い」とか「三ツ割」と呼ばれる紋です。
よく見ると、丸のまわりにところどころ白っぽいものが見えてますね。
これは「以前の紋」、つまり最初は根笹紋じゃなかったわけです。
ではどんな紋だったのでしょうか。
実は「橘紋」でした。はい、種明かしぃ~~。
これは「貼り紋」といいます。もう一枚お目にかけましょう。
こちらは男物の紋付、直径3.5センチもあるという大きな紋ですが、
はがしてみると…
元は「丸に剣木瓜(けんもっこう)」、貼り付けたのは「上り藤」。
ちなみに「木瓜」は「きうり」と書くことや、
模様が胡瓜を輪切りにしたところのような柄、というところから
きゅうりだと思われていますが、実際には「鳥の巣」の図柄といわれています。
さて、古い紋付の羽織を見ると、この「貼り付け紋」はけっこうあります。
パッとみたところは全くわかりません。意識して紋の部分を触ると、
ちょっと厚みがある、指で表面をそっとなぞると「段」がある、
そういうことでわかります。
紋を入れるには、さまざまな方法がありますが、
一番手のかかる方法は、手間も時間もかかるので、それだけお金もかかります。
今では誂えるときくらいしか使われなくなりました。紋章糊置きという手法です。
まず、紋付は紋の入る場所が決まっていますから、
反物で「ここに紋がくる」というところがわかります。
そこを先に「紋の形」に「糊」をつけて染まらなくしておくのです。
そして全体を黒く染めてから「糊」を落とし、その中に筆を使って描くのです。
京都には、この「描き紋」を生業とする方がまだ残っておられますが、
下書きもなく、細い筆を使って複雑な紋を正確に描く技術は、
ほんとに「神業」としか思えません。
この「描く」ことより少しランクが下がるのが、
丸く染め残したところに紋を染める方法です。
今呉服屋さんなどで販売されているのはほとんどこの方法です。
先に反物を黒に染めて「紋のところが白い丸」に抜けています。
ここに紋を染めるわけです。
紋を入れる技術については、たとえば色無地などの場合は、
「抜染」という技法を使います。
つまり、紋の形の型紙を置いてその中だけ抜染して白地に戻し、
紋を描き入れるわけです。
どれも同じに見える紋付ですが、そのつけ方にはいろいろあるわけです。
ですから、周りの丸のないもので白く抜けている紋があったら、
それは一番手がかかっているということです。
実は、最初の「根笹紋」の下の「橘」、これがそうでした。
地模様も花唐草のような凝ったものです。
誰かの手に渡ったとき「貼り紋」をつけたと言うところでしょうか。
少し小さめの紋を選んだために、元の橘紋の茎や葉の先がちょっと出てしまった、
これがトップ写真の「紋のまわりの白っぽいもの」です。
もったいない、という意識がこうやって繰り回すためのワザを生み出す。
知恵はこう使いたいものですね。
江戸小紋などで紋を入れるとき、たいへんだからと縫い紋にする場合がありますが
染め抜き紋に対して「縫う」ことは、カンタンに(技術はたいへんですよっ!)
できますから、染め紋よりワンランク格が下がります。
それくらいにしておいたほうが、堅苦しくなくていいものです。
さて、本日のおまけ…、
なんだこの「アブナイ写真」!はいはい、こちらにおいでの
男性の皆様(萬屋千兵衛様、maymayman様…と限定は致しませんが)
お喜びいただけましたでしょうか!?そうめんのときの器です。
ちょっと暑くなってきて、私の好きな「そうめん」の季節!
今年はネットでみつけた「ガラスの器」、
これでいってみようと思います。ホントは「冷茶用」の湯のみなんですけどね。
で、横に立っている「ないすばでぃ」のもの、実はこれ「お銚子」です。
以前「昔、親子で着物でせともの紀行をした」という記事を書きました。
これはそのとき「常滑」で買い求めたものです。
あの急須で有名な「朱泥」ですね。我が家は下戸なのになんでお銚子が…。
母はこれを一輪挿しに使っております。花より先に下に目がいくっつーの…。
私も結婚するとき2本もらってきたのですが、
主人は洋酒が多いので、酒器としてはまだ3回くらいしか使っていません。
もったいないので私はこれを「そうめんつゆ」の入れ物に使っているというわけ。
では後姿も…、
加工したので「つや消し」みたいになっていますが、実際には
ツルツルツヤツヤのきれいな肌を、じゃない「地」をしています。
腰のくびれのところが、つゆを注ぐのにちょうど持ちやすいんですよ。
私も昔はこんなふうに…あっやめておきましょう、寂しくなるし…。
今の私のぼでーを模して「お銚子」を作ったら、
ただの「とっくり」になりますなぁ、がっはっは…。
お銚子ですか。いいアイデアですね。
うちもお酒はお正月に飲むくらいなもの
ですから、おそうめんのつゆ入れに丁度
いいですね。アッ!でもうちにはそんな
ナイスボディの子はいないですけどね。
息子は紋付一式をまだ着たことありません。
仕立て下ろし婿に着せなきゃよかったかと思っています。だって息子はまだ結婚の予定なく、縁遠い気がしています。仕立ておろしを人に先に着せたからというわけでもないでしょうが。
なるほど・・・
糊置きの紋は、だからエライんですね。
格が高いということは、そういうことか。
娘に、あんたの振袖は、えらいんや!とえばらなきゃ。(無地だけど・・・)
私もふとした思い付きだったんですが、
そういえばお蕎麦屋さんなんかでも、
お銚子みたいなのでおつゆが
でてくることありますよね。
今度はガラスのを探したいと思ってます。
蜆子様
マイナス思考はいけませんよぉ、
お嬢様はおしあわせなんでしょう?
だったらいいご縁のかたに着ていただいたんですから
ご子息様にも、いつかいいご縁があると思いますよ。
Suzuka様
私も最初のころは、はがそうかどうしようか、
なんて考えましたが、全部はがしゃいいやって…。
何の紋が隠れているかも楽しみ?です。
お嬢様の振袖、りっぱですね。
無地なんてかえってステキだと思います。
お酒もたっぷり入るでしょうよね?(爆)
私も、同じような形の白い徳利を父への土産に買った事があります。
中学3年生の修学旅行で、四国の道後温泉で買いました。
父に渡すと「おまえは変わった子だ!」と言われました。
私は単純に、父が喜びそうなモノを買っただけなのにな、、、
「白」じゃぁ、なおなまめかしかったことでしょう。
わたしじゃね、どーせとっくりよ、フン!
そもそも萬屋千兵衛様はお茶碗買ったり、
フシギなコだったんですね。今はもっとフシギ?
フシギよぉ、電話でお話ししたりすると、
「石部金吉」さんみたいだもん。
あっ「石部金吉」こりゃ「死語」だわ~。
こういうのって、観光地のお土産のライターくらいしか知りませんでしたが、あるもんなんですね。
こんな酒器で出されたら、気になって、もぉ(笑)
個人的にはモロな前姿より、控えめな?後姿がオツだと思うんですが、なんとも・・・
女の身ではただ「くやしい」ばかり??
まぁ、お客様もたいがい「これはこれは」と
言うそうで…そりゃそーだ。
私も後姿、すきですね。ウエストラインがなんとも…これに近いときも昔はあったんです、昔はっ!
着付けの先生から染め紋の方がランクが上とは聞いていましたが、技術的にも難しいんですね。
素人考えだと、縫い紋の方が作業が細かくて難しく思っていました。
なんでもないように「そこにある」ものですから、
ついそれが当たり前なんですが、
実はとても手間のかかるものなんですよね。
西陣では、この「紋描き」は見られるとか
聞きました。一度拝見したいものと思っています。