ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

カオが命??

2009-11-20 23:04:42 | 着物・古布
写真は我が家のお雛様なんですが、古典的でいいおカオなのに、
土人形のため、あちこち黒く汚れています。
なおせるのでしょうけれど、そのまんま60年つれそってます。


さて、カオってのは「絵」にとっては大事ですよね。
いえ、別にきれいでなきゃいけないというのではなく、
なんといいますか、キレイはキレイでまたいいのですが、
オトボケてたり、ハズしてたりしていても、
なーんか楽しいなぁっていいますか…味のあるのがいいですね。

まぁへりくつをこねているようですみませんが、
一昨日の「ねずみさん」の顔を見ていまして、
着物の柄の中のカオってだいじだよなぁと、改めて思ったのです。
昨日のねずさんは「リアルねずさん」で、姿もさりながら、
とても「いいカオ」でした。(キライなかた、すみませーん)
羽裏の額絵というのは「絵」ですから、それこそぱっと見たときには目立ちます。
そこに描いてある絵が、とてもいいのに「カオだけがぁ~」ってのが
たまーにあるんですね。いや、ただ、ダメだけじゃなくて
「これがオモロイわん」というのもあるんですけれど…。

思いついて、いろいろ以前の画像をひっぱりだしてみました。
私の好みは、どうしても「キレイ」とか「リアル」ですので、
たとえばよく使われる「童子柄」とか「唐子」は、やっぱりかわいくないとねぇ。
こんなのは、まぁまぁかなぁ。この柄のときは「品性」ってのも必要ですよね。
これはどちらかというと、「青と紫」の色に惹かれて選んだのですが、
よくよく見ると、なかなかのお顔サマでした。
これは「桃太郎芝居仕立て」柄、「ワンさま」のお面もかわいいです。


    



同じ人物でも、こっちは「カッコ」ともあってますでしょ。
なんといいますか、表地に使って歩きたくはないけれど、
見えないとこなら楽しいかなぁと。これは襦袢だったと思います。
この駕籠、相当揺れそうな気がする…。


       



江戸の風俗画のようなものは、北斎マンガの影響というわけでもないのでしょうが
なんとなくユーモラスで特徴的、かっこいいより「味」が大切」みたいな?
こんなのを見ると、ムンクより先かあとか…?!


    



女の人はやっぱ美人でないと、と思うのですが、この時代だと
「引き眼鉤鼻」…引き眼??…どんぐり眼ですけど…まっかわいい…かな。


    



この女の人見たときは、なぜか「クレヨンしんちゃん」のおかあさんを
思い出しちゃったんですが…。これ「服部織物」の帯なんですが、
たくさんの平安貴族のカオがみんなマンガチックで…。
一応、いい着物に締める帯なんですけどねぇ、笑かしてナンボ…みたいな?
   

    



人のカオは難しいものですが、じゃあ動物ならカンタンかというと、
これがまたなかなか…。
動物柄は、やっぱり暮らしに身近な「犬・ネコ・馬」などと、
ちょっと野生に向いて、猿やふくろうなどの鳥、
おめでたいということで鶴や亀、海産物だと元気なイセエビ…。
けっこうなんでもありなんですが、鳥やエビはその姿の描写が上手なら、
まぁまぁいけるんですが、犬やネコというのはやっぱり「カオ」ってのが、
モノをいう場合が多いです。
いつも思うのですが、着物の柄に関して言えば「犬」は
どうもちびっとハズしてるのが多い気がするんです。
身近な動物だと思うのですが、昨日のねずさんほど「おっ」というのがナイ…。
よくあるタイプがこういうワンちゃんです。


    



元絵を描いたときは、きっとまずクロッキーだと思うのですが、
そういう「線」のとらえ方は、さすがにうまいと思うのが多いです。
こういう「子犬が戯れている」というのは、時々でるんですが、
どれを見ても「そうそう子犬ってこんな風に遊ぶよね」って思います。
ところが、いざ額絵になると、どっかハズれてません??
やっぱり「眼」でしょうねぇ…。

我が家で一番のハズシ眼で、実際何かに使いたくはないけれど、
絶対保存しておこうと思うのがこちらの「ふたえまぶた犬」…。
いいでしょう、この「ありえないハズしよう」が…もぉたまりません。


           



以前、テナガザルの羽裏をみつけたことがあります。
ささっと描かれた猿で、片方で木の枝につかまり、
もう片方で柿の実を採っている…でも、あまりに高額で手が出ませんでした。
特別に猿に興味があるわけではないのですが、
犬のボケと同じくらい「猿」の胸キュンは多いのです。
つい、眼が行くんです。
手持ちの一番はもちろんこれなんですが…


        
    

モノはどんぱ、色目が黒系で、ちょっと華やかさにかけますが、
ストーリー性でピカイチ。お話しについて知りたいかたはこちらをどうぞ。
そしてこちらは初おひろめ、これは染です。


    

 
猿回しの猿、本日の興行終了…でしょうか。
なんたってこのお猿さんの「哀愁漂う顔」が「背中」が…たまりまへん。


     


絵について詳しいわけではありませんが、着物の柄や羽裏の絵を見ると、
日本人って「楽しむ」ことがうまいなぁとおもいます。
何かと「生真面目」とか「勤勉」とか、硬いように言われたり、
意味なく曖昧に笑うとか、東洋人は…みたいな言い方をされることかありますが、
日本人の本質って、本来おおらかで明るいんじゃないかと思っています。

ちょっとお疲れのお猿さんを背中にしょったこの羽織の持ち主は、
「おまえさん、よくやってるよ」と声をかけていたのでしょうか。
それとも、自分をかさねていたんでしょうか…。
 

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4 コメント

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好みもあるでしょうが・・・ (りら)
2009-11-21 01:16:47
うわぁ!最後のお猿、帯にして欲しい~!!と駆け出してしまいそうです。
(お猿の夏帯が欲しい!!っと・・・うはは)

洋画を見慣れていると日本画の描き方、ものの捉え方にちょっと違和感を感じることもありますが、同じ動物でも描き手に見えているものが違うんじゃなかろうか?と思ったりします。

唐子や御所人形なども、いろんな顔のがありますよね~。
私、仲良しさんにそっくり!という唐子の帯を持ってるんです。
うへへへへぇ
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Unknown (陽花)
2009-11-21 08:12:51
絵って本当に顔が命なんですね。
それにしても、リアルなねずみさんから
漫画チックな顔からムンクまで様々ですね。
羽裏でめったにない柄を見つけるって
楽しいでしょうね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-11-21 17:30:44
りら様
いいカオでしょう?
今はどうしてこういうのが…って、
毎度、お題目のようにブツブツ言ってます。
帯、いいですね。
おさるさんて、人間に近いせいか、
絵にするとおもしろいですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-11-21 17:33:58
陽花様
中には「私でもこうはひどくない…」
なんていう「ヘタ絵」もありますが、
みているだけでも楽しいです。
最近は、なかなかいいのが出ないんです。
京都の骨董市やお店だと、すごく高いし…。
出会いってのは難しいですねぇ。
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