なんなんだこのイラストは・・実は「揚巻おいらん」に扮したつもり・・・
あとで「あげまき」ってのがでてきますので・・。
「かるぱん」のお話の中にも「袴」のひもの結びのことを書きました。
男袴でも、特に正式な紋付の袴ではぐるぐると廻すだけでなく、
どこで抑えて重ねるの、最後の結びはどうだのといろいろ決まり事があります。
それによって同じ紋付を着ていても「結婚式」だったり「お葬式」だったり・・
たった一つの結び目で、それをあらわすわけですし、
また周囲もそれで相手の心を認めるわけです。
それにしても「袴をしまうときのひものたたみ方」、
いまだにササッとできません。めったにやらないからなおのこと、
毎度メモを横に置いての作業ですが、できあがったものを見ると、
「日本人と言うのは、こういうところでも美しさを追求したのだな」と思います。
「結び」と言うのは、もともとは中国から入ってきたものですが、
日本に入って、また独特の結びなども考案されたのと同時に、
日本人にとっては「結び」というものが、特別の意味を持つこととして
ひとつの文化になりました。
「結納」という言葉がありますが、元々「結」と言うのは
「血族」のことを言います。つまり同じ血で結ばれたもの・・です。
「血族の集団」のこと、つまり「一族」のことですね。
いまではもう「核家族」などという暮らしが当たり前になり、
一族とか血縁とか、あまり重苦しく考えるることはなくなりました。
しかし太古の昔からついこの前まで、日本という国は「一族」というものを
たいへん重要に考えていた民族でした。
身分あるものは「一族」の繁栄のためには政略結婚もあり、讒言もあり、
だまし討ちあり・・なんかちょっとアブナイ話しになってきましたが、
実際、一族の主か主につながるものが誰かひとりコケれば、
それは一族郎党に及んだのです。流刑だの打ち首だの・・。
また庶民は庶民で、その地に根付き農耕や作業をし、
子供を生んで育てて「労働力」とし、農業や技術を絶やさないように
それを家族として伝えていかねばなりませんでした。
地域が違えば、信仰や習慣も違う・・そういう中で、他の血族と縁を結び、
更なる繁栄を願う・・。そういう中にあっては、結婚というものは
「相手を信頼し、見も心も魂も、全てを互いに結び合うこと」だったわけです。
いや、今でも本当はそうあるべきだと思いますが・・。
「結び」ということは、今よりずっと重い意味があり、
またさまざまな「結び」が考え出されて、それは「家紋」と同じように、
それぞれの血族の象徴ともなったのだといわれています。
その大切な結びをしたものを、相手に届ける、ということは
「あなたを信頼し、心も魂も全てを添えてお届け致します」という意味。
結納というものは、そういう意味がありました。
「結ぶ」ということが重要だから、結納には「帯料」というものもあるのですね。
さて、この「結び」というもの、道具などにも独特のものが考えだされました。
中でも「総角(あげまき)結び」は、平安時代に公家集の取り決めの中で
一番多く使われ、装束や道具類のそこここに見られます。
あげまきは「揚巻」とも書きます。歌舞伎「助六」の恋人さんの名前ですね。
今でも目にするのは「相撲の幕のところ」ですね。
結んでみました。これが「あげまき結び」、
実はこの細ひも、陽花様に組んでいただいたもの、
最初はアクリルコードであんだのですが、すべるばかりでぜんぜんダメ。
改めて絹のしまりやすさとときやすさを感じたことでした。
「総角」または「揚巻」・・。
こちらは「願いが叶う」といわれる「叶結び」
こちらもよく使われる「あわび結び」
そしてちょっと変わった「みょうが結び」、琵琶結びとも言います。
たった1本の紐で、よくぞここまで・・と思います。
ところで、子供の頃こんなひも遊び、しませんでしたか?
親指の輪を抜いて右端のひもをひっぱるとスルスルととける・・
これ「追いはぎ結び」とか「夜逃げ結び」と言う結び方の一種だそうです。
つまり、どこかはずす、どこかひっぱる・・で、あっという間に解ける結び。
それと子供の頃、いろいろな色の細~いビニールのひもでいろいろ編みました。
こんなの、覚えていませんか?
これ平編み、といわれるものですが、ひとつの結びをずーっと続けていったもの、
実は几帳の飾りなどにも使われています。
最近はまた「アジアン・ノット」とか「アジア結び」などと、
ちょっと話題になっていますが、実になが~~~い歴史のあるものなのですね。
今私たちは日常生活で、せいぜいかた結び、蝶結びくらいしか使いません。
こちらの写真は、帯締めの「藤結び」という結び方、
昔は振袖と言うとコレだったんですが・・。
帯締めは「手ぐみひも 陽花」様の作品です。
実はこれも、かた結びのときの交差させる回数を増やしただけなんですよね。
最近はプレゼントのリボンなどは洋風で、クリクリっとカールしてるとか、
お花のようになっているとか、そういうものになってしまっていますが、
時には和風に、結んでみるのもいいんじゃないでしょうか。
さて「結び」についてのお話ばかりがが長くなってしまいました。
包みは、明日ということに致しましょう。
で、一度やってみたい「おいらん姿」ではありますが、
やったあとはたぶんこんなです・・。はい、お目汚しで・・。
心がなごみます。
それにしても色んな結びが出来るという事は
重宝しますよね。私はいまだにメモを見ながら
でないと結べませんが・・・
紐遊び、とお~い記憶の中では見覚えがあるの
ですが、どうやってしたのか全く思い出せません。
私の記憶の回線壊れているのかも・・・
なんか、楽屋裏みたいな、シャレっ気が~
本にして欲しいな~~ぁ
当地の結納は今ではたいしたことはありませんが、往時そりゃ大袈裟でした。水引をしごきながら、色々な結びを舅がやってました。ならっときゃよかった、荷造りも全部紐で結ぶ、きれいでゆるまない結び、これもならっときゃよかったです。小柴結びさえあやふや、揺るまない、美しい、
それにしても、とんぼさん、絵心ありますね~。孫3歳8ヶ月、わけのわからない絵を書いて、葉書が送られてくるんです。たいする私絵心なしで四苦八苦、返事はしたし、字は読めず、主人、私の絵を見たら、孫からは葉書来なくなるだろうよといってます。孫への葉書頭痛です。
結びって「組」にも通じてますよね。
すごく面白いと思いつつ、私もいちいち見ないと
覚え切れませーん。回線切れてるのおんなじー。
切れてる場合は「むすび」ましょ?!なんちゃって。
ぶりねぇ様
揚巻さんにゃ申し訳ないあんばいで・・。
本にゃ・・・ムリでしょ~~。
蜆子様
結納も、今でも豪華なところってありますね。
手作りですものたいへんですね。
それにしてもだんだんなくなっていくのは
残念なことです。
「絵心」と呼べるほどのものかどうか・・。
お孫さんのすきそうなキャラクター丸写し・・
なんてのはいかがですか?