先日いただいた着物の中にあったものです。
かわいらしい女の子の着物。手触りのいい「錦紗」です。
大正から昭和初期に流行ったもの。このころの柄はほんとに華やかですね。
袖は広袖の袖口下をとじてありますから、実際着せていたんでしょう。
腰揚げをしても、歩いたら袂の裾が下についちゃったかも。そんな姿を想像します。
色柄は元々子供のものではなく、若い娘さんのもの。
もしかしたら、年の離れたおねえさんのものだったかもしれないし、
もしかしたら、おかぁさんが娘のころにきていたものもしれません。
着込まれて、しなしなになった錦紗です。
裏は全部まっかっか、でも紅絹ではなく地もようのある薄い生地。
紅絹でなかった分、よれたり裂けたりはほとんどありませんでした。
柄なんですが、ちと悩みました。最初は普通の「薬玉」かなと思ったのですが、
ちょっと描きかたがちがうなぁ、では「手毬」かな、とも思ったけど、ちょっと楕円みたい…。
この写真でははっきりしませんが、別のところでは楕円です。
それと、丸い先に牡丹のようにちょぼっと飛びでた感じで「芯」みたいに描いてあります。
もしかして、もしかたら…ですが、女の子の着物には珍しい「振々毬杖(ぶりぶりぎっちょう)」かな?
振々毬杖は、今の時代で言うと「ポロ」とか「ラクロス」など、スティックで玉を叩いて相手の陣に入れる遊戯。
このときの「玉」が、丸い形ではなく、あのラグビーボールの表面を八角形に面取りしたような形。
お借りした画像、コレは香合。
最初は大人の遊びから始まり、やがて男の子の遊戯になり、叩いて進めることもあったようですが、
車輪をつけ、紐をつけて引いて遊ぶものになっていったようです。
この着物の柄は、はっきりそうだとは言い切れないのですが、どうにも薬玉にも毬にもみえなくて。
どちらにしても、とても華やかでかわいらしい柄です。
着用はムリですから、いずれ解いてきれいに洗いましょう。(色落ち必至なのでガンバリマス)。
それとこちらは、先日も写真をだしました、昭和40年くらいの付け下げ。
懐かしい柄です。たくさん見た気がしますね。ハヤリだったのでしょう。
菊の描き方が独特で、白地やクリーム地が主流でした。
上の右側は袖です。前裾の柄は「源氏車」、源氏車そのものは、車輪の柄のことですが、
この柄のように御所車のかわりに花をたくさん載せたりしたものも、そう呼びます。
もう一枚、女の子の着物、こういう色はどうしても汚れがめだってしまいますね。
柄は雲取りのなかに扇面。小さな扇子がたくさん描かれています。
小さい子供の着物(七五三用でなくても)を見ると、いつも「親心」を思います。
着物で過ごすことが当たり前だった時代に、子供のために母親やおばぁちゃんが、
かわいらしい柄を探してきたり、古い着物を解いたりして、せっせと縫い上げる…。
これを着てそだった女の子は、その後どんな人生を送ったのでしょう。
この着物は、最初の持ち主の手から誰かに渡って、そこでも着られたのでしょうか。
そのままの姿で残ったということは、傷んで使えなくなるまでは着られなかったということです。
ずっとしまわれたまま、戦争も越えてきたのでしょうか。
思い出と一緒に大事に保管されて、今日に至るわけです。
これもきれいに解いて洗います。
とは言っても、今はとにかくあれこれお片づけとあちらに運ぶものの準備に追われています。
とりあえず前述の「付け下げ」は、解きまして使い道は決めました。
さて、どう姿をかえますか、それはいずれまた、のお楽しみと言うことにしてください。
楽しいですね。こんなかわいらしい着物に囲まれて、
どうしよう。。
こうしよう。。
こっちにしようかしら?
な~んて、考えてる時間w
いろいろ、お手伝いに行きたい気分です(笑)
手伝いいらないですか??←チョットホンキw
トンボさんにとっては至福の時間でしょうか!
子どもの着物は本当に楽しい柄が色々とありますね。
「振々毬杖(ぶりぶりぎっちょう)」というのは初めて知りました。そんな遊びがあったのですね。
着物というのは知らない世界に連れて行ってくれますね。
今は大人以上に、小さい子が着物を着ませんから、
普段着物のこういうものが出ると、みているだけでカオがほころんできます。
汚れてはいますけれど、なんとか細かくでも使いたいですねぇ。
お手伝い、ありがたいです。
そのためにもコロナがさっさと終わってくれればと思っています。ほんとにもー…。
ほんとにうれしいことで、口では「こんなにたくさんあると
時間かかるわー」とかいいながら、
カオはニマニマニコニコが、とまりません。
振々毬杖なんて、名前からしておもしろいですね。
ぎっちょう、というのは「左利き」のギッチョの語源ともいわれています。
ホントかどうかはわかりませんが…。
ほかの着物も、あれこれ気づかされることもあり、
こんな閉塞的な時期、気が晴れる思いで、着物いじってます。