言わずもがな『COBALT HOUR』。ユーミンの荒井由美時代の3rdアルバムで名曲の数々が見事な演奏陣で彩られている名作だ。1975年発売時に私はおこずかいが足りなくてレコードを買えずじまいだったが持っている同級生はたくさんいた。
妻がユーミンのLPレコードをたくさん持っているので現在は原盤は我が家に存在している。妻は朝からキッチンで唄う。あまりうまくないがおもしろくていい。殿様キングスの『おんなの操』を唄うことが多いが、たま~にユーミンの『ルージュの伝言』も唄っている。『卒業写真』も唄うので『COBALT HOUR』が与えた影響ははかりしれない。
1975年発売当時、私はギター少年で学校から帰ってくると寝るまでギターを弾いていた。1975年の私のギターヒーローはエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、高中正義と鈴木茂だった。鈴木茂のユーミンのアルバムでの数々の名演奏のひとつに『雨のステイション』がある。『卒業写真』『コバルトアワー』『雨のステイション』とこのアルバムでの鈴木茂の快演は素晴らしいの言葉しか浮かばない。
写真はワウワウぺダルと呼ばれるギターのエフェクトマシンだ。クラプトンもクリームの時代に多用している。ジミヘンもしかりで私たちの時代のギタリストはこのワウワウペダルをうまく使えることも大事なことだった。
鈴木茂は『COBALT HOUR』の中でワウワウとスライドを駆使して名演を披露している。『卒業写真』のギターソロも有名だが私は『雨のステイション』の演奏も当時コピーしてみた。ユーミンのシングル発売の『あの日に帰りたい』でのギターソロも圧巻だ。最初聴いたときは衝撃をうけた。ユーミンのベストアルバムで小野リサとのコラボでの『あの日に帰りたい』もよいのだがシングル発売時の鈴木茂のギターバージョンが頭から離れないのは私がロックギターが好きだからだ。
鈴木茂はリトル・フィートのローウェル・ジョージ(故人)に影響を受けているはずだがしっかり鈴木茂の世界を構築しているのが凄いところだ。デュアン・オールマンやデヴィット・リンドレーに並ぶくらいのスライドギターの天才だと思う。鈴木茂はスライド以外の演奏もかっこいい。松田聖子の『天国のキッス』が発売前にラジオから流れてきたときに鈴木茂の演奏だということがすぐにわかった。
2000年にニュースステーションで鈴木茂がティンパンとしてあいもかわらずかっこいいギターを披露していたがアルバムは聴いていない。私が中学のときにギターがうまかった武蔵君が鈴木茂のファーストソロアルバム『バンドワゴン』を買った。鈴木茂の歌はへただったのだがかっこよかった...ようは存在がかっこいいというか。はっぴえんどやティンパンアレイの鈴木茂よりユーミンや松田聖子の曲で弾く彼のギターは鼻歌できるくらいに浸透している。
朝おきたらめずらしく雨だった。『雨のステイション』の鈴木茂のギターが頭のなかに流れた。ちなみにユーミン曰く『雨のステイション』とはJR青梅線の西立川駅のことだそうで西立川駅には『雨のステイション』の記念碑もたっているそうで....妻と見にいくとしよう。
雨の金曜日。これから新しい図面を書くのだが...かっぱを着て雨の上信電鉄駅のそばで『雨のステイション』を聴きにいこうかな.....