875-2 または 8875-2 この数字はRED WING社のアイリッシュ・セッターの品番である。
私は875-2をアメリカのワシントン州シアトルのRED WING SHOPで購入した。52歳の私が33歳前後の頃だった。コンボイトラックが乗り付ける、いかにも労働者が買いに来るカスタマーショップで購入した。店主はチェックのネルシャとオーバーオールが似合う白人の老人だった。椅子に私を座らせると目にも止まらぬ速さで靴ひもを華麗な手さばきでしばって「立ってみて」という仕草をした。とってもワクワクしたことを今でも覚えている。
RED WING SHOPでは労働者のための靴下をたくさん置いてある。農家の女の人向けのちょっとダサめのスポーツシューズも置いていた。靴下の一番小さいものを3足購入したが日本サイズで28センチ以上あった....丈夫だった。つい最近まで私の靴下入れに入っていた。
先日、おじゃまさせていただいたお客様の玄関に最近のではあるが正規物のRED WINGがたくさん置いてあった。33歳のめっちゃ服好きのメンズ君の狭い玄関にずらっと並んだ靴たちを見て私はしばらくぶりに燃えてきた。靴は履きこんでなんぼだ。私もRED WINGをはじめたくさん靴を持っている。19歳のときに姉に買ってもらったラルフ・ローレンの子牛の皮のスリッポンが最年長でいまだに存在している。良いモノは一生もつ。息子の大学がもうじき決定するが。お祝いにRED WINGを買ってあげるつもりだ。
875-2の赤茶の貴重なアイリッシュ・セッターを履いて明日でかける。クレープ・ソールもだいぶちびてきた....色もいよいよ渋くなった。コピーものでは味わえない本物の味。夏に妻がレッド・ウィングの札入れとコイン入れを買ってくれた。重いし,ごっついのだけど毎日愛用している。私にはスーツよりRED WINGの方が似合っていると妻は言う。「おひげも生やせばいいのに」とも言う。RED WINGの講義を若者たちにしていた頃に口ひげをのばしていたっけな....妻と次女は「ひげをのばして」という。
息子にアイリッシュ・セッターを買ってあげたい....できればアメリカ本土で。息子とはソウルの街を歩いたがアメリカの街を歩いていない。息子はスタイルがよくデニムが似合う。私が昔、手がけたデニムやベルトを身につけてくれている....嬉しい限りだ....
アイリッシュ・セッターを映画でみかけることはあまりない。ジョン・トラボルタの『フェノミナン』でワンカット。ケビン・コスナーの『パーフェクト・ワールド』でも見れる。映画で男優の靴を見るのも面白い。『フェノミナン』のタイトルソングはエリック・クラプトンのベビー・フェイスのプロデュースによる名曲『チェンジ・ザ・ワールド』だがRED WING社のクラプトンモデルがあったくらいでクラプトンのRED WING好きは有名だ。
明日はアイリッシュ・セッターをお供に出かけよう。ずいぶん長いつきあいになったRED WING 875-2 これからも宜しく。
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