ひかりとしずく(虹の伝言)

勉強会や講演会、上映会のレポートなど主に載せています。

『シェーナウの想い』を観て

2012-09-23 | ともこレポーターによる記事
昨年日本のフクシマの原発事故後、一早く脱原発、再生可能エネルギーへのエネルギーシフトチェンジへと舵をきったドイツ、それにはもともとチェルノブイリ原発事故の時からの環境活動というベース、それもこのシェーナウの様なすでに脱原発、再生可能エネルギーでの民間会社による電力供給を行うという例があったからだとわかりました。

シェーナウはドイツの南西部にある小さな素朴な町です。黒い森と呼ばれる森の近くの山間にあります。チェルノブイリの原発事故後、自分たちの住む一帯に放射能物質による汚染があったことから、子どもたちのために、母親たちや環境を守りたいと考えた一部の市民が大きな権力(電力会社)と対立しても、理想を曲げないで戦い勝ったお話です。
脱原発、再生可能エネルギーの使用。そのためには、市民が勉強して、電力会社を立ち上げなくてはなりませんでした。

その前段階として、一般の他の市民に向けて意識を持ってもらうために、節電についてアピールし、競い合って勝てば、商品がもらえるという楽しいイベントを行ったり、情報スタンドを作り、電力についてや、原子力発電の危険性を知ってもらえる場を作ったのです。

それから、原子力発電を行っている電力会社から、送電線を買い取る為に市民で投票を行ったり、話し合いを持ったり、投票の前には、不安を煽る電力会社に対抗し、心をこめた活動を手作りで展開していったのでした。

二回の投票で半数をきって勝利しましたが、彼らは本当に努力をしていました。太陽光発電の他に小型のコージュネ装置を家庭に設置する方法を取り入れていました。

とにかく、地に足の着いた理想家たちによって、シェーナウは自分たちの手による発電、電力供給に成功したのです。

私たちもただ羨ましがっている場合ではありません。彼らのように前向きに活動をしなくては、と勇気をもらえました。

「母親は、子どもを守るために、ライオンのように戦わなければなりません」シェーナウでEWS、シェーナウ電力会社を起こしたうちの方。ウルズラ・スラーデックさんの言葉です。

上映後、市議会議員の加藤万理さんのお話もありました。彼女はチェルノブイリの当時、母乳育児を行っており、食べ物にとても気を付けていたこと(職場である学校の給食を拒否し、噂にもなったとか)そのチェルノビリへ最近、視察に行ったとのこと。立入禁止区域ではアメリカ製のガイガーカウンターでの数値が12μSvとなった所もあったそうです。(4号機付近は6.37μSv)これから、核燃料を取り出したり、シェルターを造るという計画は100年先の予定なのだそうです。
万理さんは、秋田県がホームページでの食品の放射能汚染数値の公表の仕方について、測定値以下だと全て「不検出」としていることをおかしいと異議を唱えているとのこと。
新聞でも数値の発表を避け、「昨年と同様」という書き方をしているのには、市民の意識を逸らす為と危ぶんでいました。

また、東京大学の方もたまたま講義の日程で秋田に来ていたからといらしており、その方は、福島県出身だという事ですが、福島市内などの空間線量がまだまだ高いことや、先日の甲状腺検査の値について山下医師のあるまじき発言について話されました。ゴメリ(10万人中)でも、長崎(2000年に実地)1%に満たなかったという甲状腺検査での異常の率が、フクシマの子どもたちでは昨年、35%、9月11日の発表では43%にも昇っているのに、経過を診る段階だと言っていて、また、全国の医師にセカンドオピニオンを断るよう要請をしているとか。情けないですね。

秋田の文化会館での映画の上映予定を話されていた方もいました。
『フクシマ2011』、『10万年後の安全』、順にあるということで是非観たいとですね。

それから、何と私も映画の観想と言いながら、自分の家でのほかの家族との意見の相違に悩んでいる事情や、食に対する不安を話しました。
それというのも、後で秋田大の村上先生がお話されたのですが、東北東電告訴団のことを他の参加者に知ってもらいたくて、でした。第一回の今年6月は福島県の方々だけで起こしたふくしま集団訴訟でした。今回は全国的に地域を区切って、そこそこで行うことになっているとのこと。

村上先生は産廃の問題を今は問題視されていました。やはり、ガイガーカウンターや、食品の放射能測定室が必要な世の中になっています。
秋田県内ではかずの市:すくすく測定室、横手市:市役所内に設置、秋田市:市民測定室があるとのこと。由利、にかほ地域にも欲しいと思います。

それから、主催のこども未来ねっとさんも素敵な冊子を作ってくださっていましたが、築地書房から『原発をやめる100の理由・エコ電力で起業したドイツ・シェーナウ村と私たち』 「原発をやめる100の理由」日本版制作委員会 西尾漠監修 というとっても読みやすい書籍が紹介されていました。お薦めです!
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