一歩一会・・・♪

日々のお仕事の事や、趣味、旅行関係についての自分記録♪

自分を愛する心・・・♪

2016年09月01日 | 書道関係
昨日、男の子の生徒さんが退会された。
中2のY君。
「出会ってから何年になりますかねえ?」と
ご挨拶に来てくださったお母様にお尋ねすると
「8年なんですよ~!昨日の晩、息子と一緒に数えたんです!」

ひ~~~♪長いお付き合いでした!!
Y君が来ると、なんとなく教室が賑やかになり(・・なりすぎるときもあったが・・)
多少ふざけたところはあるが、素直で可愛い男の子。
お習字の教室に、中学2年の夏まで来てくれるなんて・・・
・・・なんか凄いぞ!!

そんなY君が、昨晩で終わり。

『名所史跡』と『百戦錬磨』と練習し
最後の一枚・・・・

「なんでもいいから好きなものを書きなよ!!」

・・・っても、すぐに思い浮かばんわな・・・(笑)
悩むY君・・・・

「え~~~!どうしようかな?なやむ~~・・・
・・・・・じゃあ・・・・・
自分の名前書くわっ!」

「ええやんっ!それっ!!
あんた、自分の事、大好きやもんなっ!!」

・・・に、教室中、大爆笑!!(笑)

「そやで!
俺、自分、好きやねん!しかも書いたこの字と
一生のお付き合いやし!」

・・・おっ!
なんか哲学~~!!

書いたその字を、教室に置いて・・・
(持って帰れば~~・・と言ったが、置いといてだとさ!(笑))
そしてY君は教室を後にした・・・。

・・・取り立ててさみしくもない・・・。
同じ市内にいるというこのことだけで、そんなにさみしくないなあ!
凄いぜ!同じ空の下って・・・(笑)
(来年から、Y君の妹ちゃんが来る予定だし♪)



自分の名前を書いて、自分が好きやねん!・・と言って
爆笑をいただいて帰っていったY君を見て思い出した詩・・・・。


奈々子に <吉野弘>

赤い林檎の頬をして
眠っている奈々子。

お前のお母さんの頬の赤さは
そくっり
奈々子の頬にいってしまって
ひところのお母さんの
つややかな頬は少し青ざめた
お父さんにも ちょっと
酸っぱい思いがふえた。

唐突だが
奈々子
お父さんは お前に
多くを期待しないだろう。
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
どんなに
自分を駄目にしてしまうか
お父さんは はっきり
知ってしまったから。

お父さんが
お前にあげたいものは
健康と
自分を愛する心だ。

ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ。


自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう。


自分があるとき
他人があり
世界がある


お父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労がふえた


苦労は
今は
お前にあげられない。


お前にあげたいものは。
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ。



中2って、爽やかでいいねっ!!
自分を愛してる中2って・・・・いい!
心の中は、人生で一番複雑な時なんだろうけどね・・・。

そして・・・・私は・・・心の中で・・・・・

己が名を ほのかに呼びて 涙せし 十四の春に かえる術なし (石川啄木)


遠い涙目で苦笑い・・・。