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T.Shimada's Diary

日々の話題、過去の話題から。

福井鉄道のあり方~問題意識が低いか~

2008年08月02日 23時58分50秒 | 福井の公共交通
 8/2の福井テレビ「座・タイムリーふくい」。「えち鉄・福鉄、支持される
地域鉄道への課題」と題して、地域の鉄道のあり方についての議論が交わされた。番組内ではえちぜん鉄道と福井鉄道について取り上げられたが、存続問題について結論が未だはっきりしていない福井鉄道を中心とした意見が交わされた。

 福井鉄道福武線については現在、行政の支援の下、「存続する」という結論が出ている。ただし、そのための沿線3市(福井市・鯖江市・越前市)と県の具体的な負担割合、親会社である名古屋鉄道の撤退後の新経営陣の選定など、肝心な部分に関しては何一つ決まっていない状態となっている。一応、経営陣の選定については行政側が各方面で交渉を行っているとの報道もあったが、鉄道以外の部門(乗合バス、不動産業など)も引き受けなければならないため、難航しているという。それ以外についても、行政側は官民協議会での話し合いをしてはいるが、番組内の指摘では「形式的にしているが、行政側のまとまりがない(肝心なところで逃げ腰になっている)」という。

 番組内では、このような行政側の怠慢を批判する一方で、沿線市民の熱意も今ひとつである、と指摘している。昨年に存続問題が明らかになった以降、鯖江市をはじめとした沿線3市(福井市は一部)で署名活動が行われ、約5万人の署名が集まった。ただ、署名運動以降は沿線市民の活動が(実際にはいくつかの団体立ち上げがあるものの)目に見えるほど活発には行われてはおらず、そのために「署名だけで満足してしまった」感は否めないかもしれない。

 そもそもの経営形態からの指摘もあった。今回の福武線存続に当たっては「第3セクターではなく現在の福井鉄道での再生」という沿線市の要望のもと、様々な支援策を練ることとなっている。現会社での連続的な経営を考えてのことであるが、あくまで普通の一企業として捉えられるため、行政による税金投入に異論が出やすいという問題もある。一方番組内では、えちぜん鉄道のように、福武線経営だけを専門とする第3セクターの新会社を設立したほうが、より行政や沿線住民の理解、支援を受けやすい、との意見が出された。現会社維持のままでは、行政が経営に直接参画しないため、鉄道のあり方にかえって責任をもたなくなる、という。第3セクターであるえちぜん鉄道の場合は、行政の支援と、沿線住民の利用、支援(駅舎清掃などのボランティアなど含める)があり、設立以降も順調に利用者数を伸ばしている。そのため、経営赤字は設立当初より確実に少なくなっており、行政の補填する割合(沿線住民の税金負担)も軽くなってきているという。

 番組内では、試しに福武線も旧京福のように運行を止めてみてはどうか、という話もあった。この話は、そうすれば車に転換した分道路の渋滞が起き、JRは普通電車の本数が少なく、福武線の機能を完全に補完できないことを実感できるが、そうなってからでは遅い、というものであった。旧京福の場合、2度もの正面衝突事故を起こし、突然運行停止命令を受けた上に、再開せず廃線すると発表した。沿線自治体や住民は、運行停止によりはじめて電車の役割が大きかったことに気づかされ、廃線決定の下されるまでの短い期間の間、電車の再生のために様々な活動・運動を展開し、えちぜん鉄道という形で再生させた。それと比べれば、福武線問題に関する行政や我々住民の動きは、余りにも小さいことに気づかされ、恥ずかしい。


 福井鉄道の経営難が表面化してから1年近く。あれから決まったことといえば、「福武線を存続する」だけではないだろうか。行政(特に県)の動きはあまりにも遅く、時間を掛けすぎると「今度はあきらめ感が入る、「福武線存続はやめにしよう」ということになる」(番組内での指摘)。怠惰に時間を費やす時期ではもうなくなっている。期限をはっきり区切り、本当に迅速な問題の処理が求められる。そのためには、行政側ではまとまりをもった行動が、住民側でも署名運動に代わる何らかの活動をする必要があるのではないだろうか?



(関連サイト)
福井テレビ
 -座・タイムリーふくい


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