「あなたは、昨日の夜、何時ころ、どこで、どんなことを見たのですか?」
これは、一つの質問で3つのことを聞いています。
こういう質問をされると証人は、はじめの「何時ころ」という質問に答えるのを忘れるかもしれません。
律儀に「10時ころ、四条烏丸の××銀行の裏側にある駐車場のところで、被告人が被害者の○○さんと、****しているところを見ました。」と証言してくれても、聞いている裁判員は理解するのが大変です。
一つの質問では、一つのことしか聞かない。
それが、証人尋問の鉄則です。
シンプルでわかりやすく、そして、テンポのよい、正確な尋問ができるようになります。
「あなたは昨日の夜何時ころ、被告人を見たのですか。」
「10時ころです。」
「どこでみたのですか。」
「四条烏丸の××銀行の裏側にある駐車場です。」
「被告人は、誰と一緒にいましたか?」
「被害者の○○さんです。」
「被告人と○○さんはなにをしていましたか?」
「****していました。」
こうして尋問をしていくと、証人尋問に勢いができていきます。
普段の会話の中でも、一度に多くのことを尋ねずに、一つずつ聞くようにすると、
相手も答えやすくなって、会話も弾むかもしれませんね。