厚労省局長郵便不正事件の無罪判決、その裁判の過程で明らかとなった違法な取調べや、証拠改ざん事件をきっかけとして、始まった刑事司法改革。
えん罪を繰り返さないために、取調べの可視化、証拠開示、被疑者国選弁護の拡大、人質司法の打破などの捜査改革を実現して行くことが本来の目的でした。
ところが、えん罪防止ために設置された法制審議会の特別部会では、警察や法務省の強烈な巻き返しによって、えん罪防止の改革は骨抜きにされてしまっています。
逆に、盗聴、黙秘権の否定、司法取引など、捜査権力を強化するような改革ばかりが推進されてしまっています。
それらの改革の中には、必ずしも全否定されるものではないものもありますが、どれもが大きなテーマで、全体的な制度のバランスを十分に考えて設計されるべきなのに、捜査機関が望むままに作られようとしています。
少なくとも、今回の刑事司法改革の目的からは外れたテーマです。
そのため、捜査機関の 「焼け太り」 と批判されたところです。
特別部会に参加されている周防正行監督や、厚労省の村木さんは孤軍奮闘して、「焼け太り」に抵抗してくださっていますが、官僚や裁判官、検察官、御用学者たちによって、どんどん進んでしまっています。
少しでも、周防監督や村木さんの後押しをしたい・・・・
そんな思いも込めて、京都弁護士会として意見を述べました。
長文で、専門用語も多いですが、ぜひ、一度ご覧になってみて下さい。
京都弁護士会 意見書はこちらから。
https://www.kyotoben.or.jp/siritai/menu/pages_kobetu.cfm?id=722
そして、えん罪を防ぐ手だてを拒否して、間違った裁判を繰り返そうとしているこの国の刑事司法制度には、命を奪う死刑まであります。