昏い
五月も半ばを過ぎてからmonotoneの雲に連日塗り潰された雨催いの空でもう来週は六月の短夜に弾けただけでなくやむを得ず弾けてしまった世界中の生と死が宇宙樹の果実にimaginationされるというのに
否!
だから昏い天上も地上も地下も深海のマリンスノウの藻屑もCOVID-19感染症禍の景気も世相も何もかもがどうでもいいCryに昏くて暗いのだから
あしたは、わたくしに、
ひかり、を、ください、
とそう祈っていた
早朝の首都では十日振りに雲が切れてそれは十日という時間と空間の相対性に関わることもなくLEDの人造光ではない太陽が放つ日光を松果体に浴びるだけ浴びて 虹を圧縮した日光は崇高な希望をも内包した『色彩《いのち》の源』であり光合成は生き物の必要充分だと知れたから自ら進んで悔い改めたのだった
ニワトリとタマゴ問題(あるいは『事件』)に想いをはせるまでもなく初めは誰がそう構成したのか知らないはずなのにすべての色は
白から始まり黒で終わる事を知っていた
最初は淡く徐々に濃くそれでも恋に溺れるようなヘマは決してせず色彩にその身を委ねて躊躇いも矜持も無く何色でも産み出し染まるのが白
……そう識っていましたか?わたくしは識らなかったし恥ずかしいとも思わなかったその事実が痛恨の無知でしょう
それぞれの肉体がそれぞれの色彩を生きることに何の衒いもないように雨の中でただあなたと揺れていたいだけのわたくしだからHomo sapiensにはそんな大した知恵はないのです
photographed
2020/05/12,17,19,26
written
2020/05/18〜29