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詩と物語を紡ぎます

金木犀

2020-10-08 17:30:00 | uta
冷たい雨に

キンモクセイの香りが
溶けてゆくよ

秋が
深まってゆくよ





あまやかな
きんもくせいの
かのしみし
いとのあめおり
ふかみゆくあき


甘やかな
金木犀の
芳香の染色みし
糸の雨織り
深みゆく秋



ぱらぱらり
ばらばらばらり
かさをうつ
あめはひねもす
のわきのにほひ


ぱらぱらり
ばらばらばらり
傘を打つ
雨は終日
野分の予感




written, photographed
2020/10/08

天上の瑠璃

2020-06-04 21:40:00 | uta
ほほよせて
ゆるるあぢさゐ
てまりうた
うたふおやこに
ひだまりのかぜ


頬寄せて
揺るる紫陽花
手毬歌
唄ふ母子に
陽だまりの風






あをいろに
かさなりふかむ
てんきうを
とうきやうあらーと
つきぬくるあか



瑠璃色に
重なり深む
天球を
東京緊急警報
突き抜くる赤



けたり

によろによろの
かぜにふかれて
ゆるるごと
あぢさゐのはな
ひそりさきをる





ニョロニョロの
微風に吹かれて
そよぐ如
額紫陽花の両性花
ひそり咲き居る





written
2020/05/25,26,29,
2020/06/02,03,04

photographed
2020/05/25,26,
2020/06/02

咲みし一輪 ――花さんぽⅰ

2020-03-22 18:30:00 | uta


夢に観て
夢に描いて
夢に酔ひ
夢も半ばに
夢覚醒むる夢



ゆめにみて
ゆめにゑがいて
ゆめにゑひ
ゆめもなかばに
ゆめさむるゆめ




綻びて
咲みし一輪
一輪の
南風に散り行く
その先の碧



ほころびて
ゑみしいちりん
いちりんの
かぜにちりゆく
そのさきのあを





「好き」と唯
二文字ノートに
殴り書き
逃亡した君
両頬の紅梅色


すきとただ
ふたもじのーとに
なぐりかき
たうばうしたきみ
りやうほほのあか



written
2020/03/22

photographed
2020/03/22

メジロかウグイスか

2020-03-08 22:25:00 | uta


 先週の火曜日、病院へ向かう途中で、紅梅の花枝に戯れ止まるウグイス色の鳥を目撃! 写真を連撮してはみたが、しかと写ってはくれなかった。

 あれはメジロだったか、もしかしてウグイスだったのか。見分ける力も知恵もない節穴には、確かめる術もない。



 紅梅の花
 居るは目白か
 鶯か
 我存ぜぬと
 東風に花弁

 うめのはな
 をるはめじろか
 うぐひすか
 われぞんぜぬと
 こちにはなびら



written
2020/03/03,04,05
improved
2020/03/07,08