Heart Beat

草なぎ剛くんのこと、読書記録など・・・気ままに更新♪(コメント&TBは承認制となっています)

『暗い抱擁』

2009-07-05 18:52:38 | 読書
2009 No.23 6/25~6/28

作者:アガサ・クリスティー(早川書房クリスティー文庫)

評価・・・★★★★ 4.0

クリスティーが別名義で書いた普通小説です。
あらすじは、かんたんにいうと「名家の若く美しい女性が、どこの馬の骨ともわからない(が、妙に不思議な魅力をもった)男と駆け落ちするまでとその数年後の物語」を、彼女を愛していた別の男性の視点から描いたもの。
なぜ彼女がそのような行動をとったかの謎が知りたくて読み進めていきました。
彼女のとった行動も謎ですが、彼女自身どこか謎めいた人。彼女と駆け落ちすることになった男から、ラストの数ページで、彼女に対する思いや、彼女がとったある行動についての全容が明らかにされます。それでもやっぱり彼女は謎めいた存在のまま…
文庫裏の解説には「キリスト教的博愛をテーマに描く至上の愛の小説」とあるので、そのあたりに答えを見いださなければならないようです。
ある意味、ミステリよりもミステリアスな作品かもしれないです。

『死への旅』

2009-07-05 18:23:25 | 読書
2009 No.22 6/20~6/24

作者:アガサ・クリスティー(早川書房クリスティー文庫)

評価・・・★★★ 3.0

クリスティーの人気探偵が登場しない作品で、しかもスパイもの。
1955年の作品で、東西の冷戦まっただ中ということを思わせる作品です。
人生に絶望したヒロインが、思いがけずイギリス情報部のスパイとして死の危険のある任務に就くことになります。敵がどのように接触してくるかわからない中で、いろんな人と出会ったり、いろんな場所を訪れたりしているうちに、いつのまにかヒロインの心に変化が現れて・・・というくだりはなかなかよいモチーフだったのですが、結末はハリウッドのアクション映画やサスペンス映画に慣れてしまっている現代人にはもの足りないものでした。派手な立ち回りがあれば、もう少し星をあげてもよかったかな。