2008 No.8 5/18~5/22
作者:奥田英朗(講談社文庫)
評価・・・★★★★☆ 4.5
大きな大事件が起こる訳ではない物語なのですが、寝る時間も惜しんで読んでしまいました。
亡くなった妻の母親といるときだけ心に安らぎを覚える刑事・九野、夫が放火犯かもしれないという疑惑を忘れようとするあまり静かに暴走を始める主婦・恭子、高校も大学もできれば卒業したいと考えるちょっと不良の裕輔の3人を軸にして描かれる物語。
3人とも、それぞれラストには思いも掛けない結末が待っているのですが、一番強烈なのはやはり恭子の暴走の結果。最も意外でドラマチックで、まさに驚愕のラスト。
こういうストーリーを発想できるのもそうだけど、恭子の主婦の日常をとてもリアルに描けているところにも、作者のすごさを感じました。