普天間米軍機、緊急時に校庭着陸想定
2013年9月2日 沖縄タイムス
【平安名純代・米国特約記者】米軍普天間飛行場に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなど、同飛行場所属の軍用機のパイロットらが、緊急時の着陸地として同飛行場周辺の学校の校庭などを想定していることが1日までに分かった。同飛行場での駐留経験を持つ複数の現役・退役パイロットらが本紙の取材に対して明らかにした。オスプレイは、昨年から米本土で緊急着陸を頻発している。人口密集地のど真ん中に位置し、多くの学校が隣接している同飛行場の危険性があらためて問われそうだ。
同飛行場でオスプレイのパイロット勤務経験がある米海兵隊員は、「同飛行場への帰還が難しい機体の不具合などが生じた場合、近くの空き地などに速やかに着陸する必要がある」と述べ、緊急時の使用が予想されている場所として、沖縄国際大学や宜野湾市立嘉数小・中学校、普天間第二小、普天間中学校、宜野湾小・中学校、県立中部商業高校、琉球大学などを挙げた。
現在は米本土内の基地に勤務する海兵隊員は「こうした想定は、われわれの共通認識というレベルのもので、(在沖米海兵隊の)マニュアルなどには記されていない。事故などが起こらぬよう、整備には万全を期していた」と話した。
沖縄国際大学ヘリ墜落事故が発生した2004年に同飛行場でパイロットとして勤務していた海兵隊員は「住宅地と隣接する普天間は、操縦士も高度な技術が求められる」と指摘。
当時の事故の被害は「操縦士の判断で最小限にとどめられた」との認識を示した。
オスプレイに詳しい米国防分析研究所(IDA)の元主任分析官、アーサー・リボロ氏によると、オスプレイが緊急着陸を要するのは、(1)計器点検などの予防的措置(2)安全性に関わる不具合が生じ、近くの空き地や駐車場などにできるだけ早い着陸が必要(3)エンジンからの出火など深刻な問題が発生し、ただちに着陸が必要-の3点を挙げた。