7月23日に一時駐機先の山口県岩国基地に陸揚げされたオスプレイは、10月1日、2日及び8日に、全12機が順次普天間へ飛来、飛行訓練を行っている。はじめから予想されたこととはいえ、日米両政府の合意もまるでないかのような飛行ぶりだ。沖縄の強い反対を押してなお強行配備するのか。それは、オスプレイがアメリカの軍産複合体の象徴だからと識者は言う。オスプレイ配備を撤回することはオスプレイが欠陥機であることを認めることであり、複合体の存在を危うくする。
オスプレイが墜ちても兵士や機体の補充はいくらでもできるのだろう。だが沖縄の住民の命は一つだ。尖閣の領有権の問題で悪化した対中関係で、中国公船とオスプレイのニュースが同時に載り、だからオスプレイの配備が必要なのだというのだろう。訳の分からない政治家の尻拭い、また国の捨て石にされるのはご免だと、沖縄は怒っている。
世界の武器輸出は米国の663億ドルで総額の4割だ、次がロ?アの48億ドル、あとはフランス、中国、韓国と続く。イラクやアフガニスタンでは自国が売りつけ、提供した武器で自らの兵士が攻撃される。基地の中を写す映画で、自分が殺されないために、自分が殺人マシーンになるよう、黙々とトレーングに励む兵士たち。インタビューに応じていた若い兵士も、表情は明るいが、どこか焦点の定まらない眼をしていた。この人たちも軍産複合体国家の犠牲者なのだろう。
話を最初に戻せば、軍隊が国家の免疫システムとするならば、アメリカはもはやそのシステムが、他国民だけでなく自分の国民を犠牲にし、人間でいう「死」に向かっているように思われる。それは軍備を拡張しつづけている中国やそのほかの国、また暴走を見せ始めている日本の防衛省、自衛隊も同じことが言える
最後にこの映画「誰も知らない基地のこと」制作の概略をちらしから引用しておく(普)
「本作は2007年にイタリアで起こった基地拡大への反対運動をきっかけに、イタリアの若手監督2人がその謎を探る旅に出て制作したドキュメンタリー。主な取材地はビチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、普天間(沖縄)基地の騒音や兵士が起こす事故に苦しむ住民と専門家への取材を通じ、 あまりに横暴な米軍と膨らみ続ける軍産複合体の真実を暴いていく。」
PS 監督からのメッセージ
親愛なる日本のみなさんへ
この作品の企画を立てた当初、日本で取材することは考えてもいませんでした。 それが出来上がった作品では、沖縄の撮影部分こそが最も重要なパートとなっていました。それは私たちが沖縄で目にしたことが、政治的、社会的、そして精神的になによりも衝撃的だったからです。
しかし、それ以上に、沖縄で出会った方々に強く刺激を受けたからでもありました。彼らの中には、不平等な力関係に直面しながらも、決して希望を捨てない人々がいます。その姿は、日本人の精神性の高さと心の強さを見せてくれました。
彼らの姿に続こうと、日本の、そして世界の人々がこの映画によって勇気づけられることを願っています。
希望と敬意を込めて