ふたつの手の思い出 森山良子 1967
私には友達と呼べる人間が4人ほどしかいない。
少ないとは思うが、友人の定義が気の置けない間柄ということであれば、そんなもんだろう。
でも、友人だからといってもいつも行き来しているわけではない。
やつらとは2年に一回とか、中には結婚式以来会っていない者もいる。
それが果たして友人と呼べるものなのだろうか?
不安になり自問自答してみるが、やはり彼らは友人だ。
時々会って、”よう、お前元気だったか?”と言い合えるのが私の理想形。
べとべとした関係はまっぴらごめんだ。
しかし、もしかしたら彼らに対する私の思いは片思いで向うは友人と思っていないかもしれない。
それならそれでいい。大事なのは自分がどう思っているかだから・・・・。
それにしてもみんな友達ってどのくらいもっているのかな?
さりげなく息子に聞いてみた。
「ざっと100人はいるよ」
「えっ?」
「だって携帯にそれだけ登録しているもん」
そりゃ、友人ではなくてただの知り合いだろう・・・・。
そう言いたくなったが、やめた。
彼がそう信じているのならそれでいいのだから。
要はそのなかに自分をさらけ出せる相手が何人いるのかだから。