からくの一人遊び

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2025-02-06 | 小説
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ちょいと本を読んだ感想を。

拙い文章だなあと思いながらも、性懲りもなくここに書いてみました。


小説三億円事件

佐野洋(さの・よう):1928-2013 推理作家。昭和3年5月22日生まれ。昭和28年読売新聞社入社。33年「銅婚式」が「週刊朝日」と「宝石」共催の懸賞小説に入選。翌年「一本の鉛」を発表し,作家専業となる。40年「華麗なる醜聞」で日本推理作家協会賞。48年-54年日本推理作家協会理事長。「透明受胎」「轢(ひ)き逃げ」など,斬新な着想による本格推理に定評があり,平成10年第1回日本ミステリー文学大賞。21年菊池寛賞。著作はほかに「葬送曲」「推理日記」シリーズなど。平成25年4月27日死去。84歳。東京出身。東大卒。本名は丸山一郎。

 
〇あらすじ
事実は小説よりも奇なり? 小説は現実よりも面白いか? 1968年に発生して日本中の話題をさらい、今なお未解決の、かの「三億円事件」をヒント・素材にして、推理作家がさまざまの視点からリアリティーのある五つの「小説・物語」として構成した、異色かつ出色の連作ミステリー集。


〇レビュー
 「三億円事件」とは1968年12月10日に起きた盗難事件である。恐らく50代以上であれば、殆どの人は知っているとは思うが、以下の年代であっても折あるごとにテレビなどで特集を組んだりしていたので、かなりの人が事件名くらい一度は耳にしたと思う。
 この 「三億円事件」、東芝府中のボーナスの現金を運んでいた輸送車が、偽の白バイ隊員に府中刑務所前にて停止させられ、車に爆発物が仕掛けられているので避難してくださいと言われ、全員が車から降りて遠ざけられた隙にそのまま現金を載せた車ごと、乗りこみ運転した偽の白バイ隊員によって盗まれてしまった世紀の大事件である。その後いくつかの犯人説がでたものの、刑事でも民事上でも時効となり、犯人は捕まらず迷宮入りになってしまった。
 この小説はそういった「三億円事件」を背景にした、推理作家である佐野洋が創作した五編の短編小説群である。まず順を追って説明してみよう。
1. 系図・三億円事件
「三億円事件」発生から一か月が経過した頃、或る新聞社に一つの情報が寄せられた。
戦時中、昭和19年6月にほぼ同じ手口で2,400,000円もの金が奪われた。事件の発生地は愛知県、海軍工場前。奪われたのはその工場の従業員の給料。犯人はサイドカーに乗った憲兵のなりをした二人組。といった違いはあるが、その手口については同じものであった。
 調べるうちに、その事件の関係者の一人と思しき美容外科医が浮かび上がるが……。
 出だしから犯人の特定に至るまでの話が展開されるが、そこまで核心に迫るのはこの短編とあと一編だけである。そのせいか所々犯人もこうしたのではないかと現実の事件とリンクするようなエピソードがある。それにしても戦中の海軍工場の事件、本当にあったのだろうかと思わせる。さすが、推理作家・佐野洋である。

2. 三億円犯人会見記
 N新報サブキャップの田川が春日康子というシングルマザーと出会ったのはひょんなことだった。それを契機にちょっとした関わりを持った田川は三億円事件の犯人に繋がるかもしれない情報を得た。康子を通じて犯人への接触を試みた田川はついに犯人との単独会見に成功したが、それはその後の思わぬトラブルへと繋がる罠だったー。
 これもよく練られた推理物だなと思った。現実にありそう。作者は「三億円事件」は誰もが知っている世紀の大事件だけに、事件の説明がいらない、だから推理作家にとってはどうとでも書けるし、とても扱いしやすいと言っていたが、なるほどこういう風に扱う手があったのか、と気づかされた。
3. 三億円犯人の情婦
 T省の役人である春日井。彼はT省の同期の役人の中でも評判になるほどの美人な妻を娶ったが、実はそこには愛があったわけではない。ただ誇りたい、己の自尊心を満足させるために「彼女を所有した」という感じなのである。ある日妻の奇妙な行動により「男」がいると感づいた彼は、友人経由で探偵に調査を依頼したが、その後に判明する事実の数々は衝撃的といっていいものだった。
 結末は大体予想どおりだったが、男の立場から言わせてもらうと、こんな春日井のような人間でも同情してしまうような仕打ち。
4. 三億円犯人の挑戦
 これは私にはちょっと分かりかねる短編だった。パトロンが情婦と密通している雑誌の編集長を陥れる話であるが、その中で「暗号文」の解読という作業が待っている。しかも競馬繋がりの暗号なので、その辺に無知な私にとってはかなりの難問だった。そこがある意味メインと言える小説なので、理解できない私は斜め読みをして済ませてしまった。なので、この短編については詳細な感想は述べられない。
5. 三億人犯人の秘密
 フリーのルポライター津岡は、ある出版社で「三億円事件」についての座談会にて速記記者の小出品子と出会う。後日再度品子に出会った津岡は、「自分が三億円犯人だ」と称する誇大妄想狂の男がいることを品子に告げられる。それに興味を持った津岡はその彼が入院している精神病院での面会を試みるのだが……。
 これは勿論三億円犯人に行き着く話ではあるが、それよりも三億円がどこにあるのかに焦点を当てたところが、非常に面白い。結末に意外性あり。時代が1970年前後なので今ではそんなことは出来ないが、成程なあと思った。さすがだなと思う。

 さて、これらの短編を読んで意外なことに新鮮な驚きがあった。この事件はもう50年以上前の古いといっていい事件であるし、1970年代でも度々小説になったり、漫画にもなったり、テレビでドキュメンタリーみたいなものも放送されていた私自身もよく知っている事件である。また今回の小説も1970年代に書かれたものである。つまり、事件自体は衝撃的であってよく憶えているのだけれど、50年ともなれば、さすがにそれに関しての推理小説などはその時代の社会状況にしろ、事件の解明方法・背景などは「古い」と感じるものだろう。しかしこの小説たちはそれがなく逆に新鮮に感じたのだ。これはどうしたことだろう。
 思うに例として違うところはあるにしても、令和を生きる若者が昭和の歌を聴いて古いものだと分かっていても、なお新鮮に感じるというその感覚に似ているのかもしれない。何となくではあるが……。
 今回久しぶりの推理物の小説だったが、非常に面白く読めた。特に1と5については、具体的に犯人は誰なのか、奪った3億円はどういう理由で何処にあるのかまで突っ込んでおりその推理は意外性に富んでいた。ただ4だけは私の好みの問題で、完全には読み切れなかったが、それでもこの佐野洋という推理作家の作品は読む価値があるなと思う。興味が湧いたら一度手に取ってみればいいと思う。なお「小説三億円事件」と同じタイトルの小説がある。著者は推理小説界の大御所だった松本清張である。ことらも一度読んでみたいと思う。
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確かに輸出国からの輸入製品の価格が高騰して売れなくなり、輸出国は打撃を受けるだろうけれど、自国の技術ではどうにも出来ないどうしても調達せねばならない部品関連とかあるわけで……。

関税というのは輸入製品にかかるもので、つまり結局輸入する側の業者が払うもの。最終的に払ったのは自国の消費者であるということになる。

物価高、賃金据え置き、インフレに逆戻り、ブルーカラーの労働者不足、更なる分断、これって自分で自分の首を絞めてんじゃないの?
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2025年2月21日(金)公開。主演:広瀬すず×監督:根岸吉太郎×脚本:田中陽造

映画『ゆきてかへらぬ』公式サイト

 


これは正直楽しみ。

岡田将生の小林秀雄というのには驚いたけれど。

広瀬すずは意外とこの時代の空気にうまく溶け込めると思う。
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中原中也と長谷川泰子、小林秀雄が出会ったのが確か1925年、大正末期15年か。

広瀬すずには大正、昭和初期という時代がよく似合うのではないか。意外と古風な顔立ちで、ファッションも合う。

中原中也役の役者はよく知らないけれど、帽子をかぶれば中也にとてもよく似てる。

根岸吉太郎監督は良い映画を作り続けているが、「遠雷」を超える作品をまだ作れていないと思う。

「ウホッホ探険隊」は二番目に好きな、彼ならではの映画であったが。

団塊の世代だから、あと映画を作れても一、二作がいいところだろう。

この映画が16年ぶりというのだからこれが最後という可能性も無きにしも非ず。

どのように作り上げたのだろうか。

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