晏次郎のぐうたら日記

偶にする星見(重星観賞)や鳥撮関連などの気紛れ思いつき日記
  開設 2006年12月

我が原点の望遠鏡が・・ 遂に!

2020年02月15日 21時29分26秒 | 天文ネタ

私は自他ともに認める望遠鏡好きである。その始まりには其々、誰もが原点とも云うべき望遠鏡があると思う。私の場合は、天文に興味を持って先ず最初に買った天文書ある。 中学2年の夏に隣町の本屋で(天体望遠鏡ガイドブック)小森幸正著 誠文堂新光社 を棚に有るのを見つけ即、購入したのだ。当方の住む小さな町の本屋にこの様な系統の本が有ることは珍しく、当に速攻で購入した。それからは家でも学校の授業中も貪るように何度も何度も読んだ。これ程読んだ本は後にも先にも無いだろう。しかし、計算式等も所々書かれているが、その様な部分は常にパスしていたので、読んだ割には私の知識は余りに浅く初心者の域を出ていない。

さて、この本の中の項目で(天体望遠鏡の使い方)というところに太陽投映板での観察の様子を掲載している写真が有ったのだが、その中に小さな卓上望遠鏡でのものがあった。当時、未だ望遠鏡を所有出来ずにおり、又、其れなりに使える望遠鏡は自分にとっては高嶺の花、望遠鏡は欲しいが玩具望遠鏡は要らない。でも、この卓上望遠鏡は立派に見えて又、望遠鏡としての品格が備わっているように感じ、この小ささの望遠鏡なら自分でも買えるのでは無いか、と思い色々な望遠鏡メーカーのカタログ収集に励む日々を送った。 画像にあるのがその望遠鏡である。

出典:【天体望遠鏡ガイドブック 誠文堂新光社】より引用

しかし、各メーカーのカタログを隅々まで探しても見つけることが出来ず、卓上望遠鏡は略玩具類のものしか載って無かった。この望遠鏡は写真を観ても実際に観察に使われており造りも立派で、使える望遠鏡の雰囲気がムンムンである。(この本のお陰で、望遠鏡を観る目は相当に培われていたようで、間違っても玩具系の望遠鏡に手を出すことはなかった)

結局見つけることは出来ず、紛いではあるが、少しでも似たモノをという事で、友人から3㎝アクロマートの卓上地上望遠鏡を譲ってもらい天体用に改良して、星見のデビューをした。この望遠鏡のことは頭から離れることは無かったが、無いのだから如何し様もなく、その後もヤフオク等でも見付けることが出来ず(見逃していたのもある)今に至ったのだが、つい、先日ヤフオクで見つけ、目出度く落札出来き、本日私の手に届いた。それが、これである。 アストロ光学工業及び輸出ブランドROYAL並記 D=50mm f=500mm

説明書以外は欠品無く、経年の割には痛みの少ない格納箱も付いており、思った通りの立派な卓上望遠鏡である。驚くことは水平、垂直ともガタがないことである。これまで、此れより大きな6㎝級の一世を風靡した経緯台式を数台所有したが、それらは決まって何方かの軸にガタが出ていた。これは当時思っていた通りの使える望遠鏡である。対物キャップは樹脂製であるがネジ式、フードは差し込み式で対物レンズの掃除等へのアクセスは良い。レバータイプの垂直、ノブタイプの水平フリクション調整部も簡単容易でよい。三脚エレベータークランプもシッカリと効き問題なし。ドロチュープは調整が必要であったが、ちゃんと調整ネジの付いた接眼部で云う事なし。鏡筒径50mm 全長約500mmで全体的に細身である。

付属品として、HM6㎜、HM9㎜とSUNグラス、ゼニスプリズム(24.5㎜のすり割りタイプ)が付き、アイピースはカビが蔓延って曇っていた。地上風景を部屋の中からPENTAXオルソ6mmとタカハシオルソ12.5mmで観たのだが、中々優秀なレンズのようで、私の自作5㎝屈折よりもシャープに観える。鏡筒内の遮光環は3枚で、アイピースアダプターのドロチューブとの取り付けサイズは33mm程(このサイズのアダプター等は出回っていない)なので、アメリカンサイズは使えない。この辺りはエイコー9cm反射もそうなので、ツァイスサイズで楽しめば良いことである。

今日の昼頃に届いたのだが、念願の望遠鏡を手にしたことで嬉しくて柔らかな布でず~と磨いていたが、クローム部分も綺麗な輝きを保っており非常に程度の良いモノであったと満足感一杯である。次の星見には気の利いたテーブルでも用意し、その上にコイツを据えてノスタルジックな気分に浸りながらゆったりと重星鑑賞をしたいものである。 勿論、野暮な星像云々など考えずに心で観て感じたいと思っている。