とかくに人の世は・・・

智に働いてみたり情に棹さしてみたりしながら
思いついたことや感じたことを徒然に記します 
  nob

こんな噺「貧乏花見」

2009年04月03日 | 寄席芸
春です。今年は桜の開花がいつになく早かったようですが、その後の冷え込みから満開までがゆっくりだそうです。その分長く桜花を楽しめるということですね。

ここにございました裏長屋。朝からの雨があがった春の日の午後、仕事に出そびれた連中が花見へ繰り出そうと相談がまとまります。が、貧乏長屋のことで花見するような恰好やないし、また御馳走もない。そこで工夫を凝らした衣装と家にある残り物を持ちよって出かけることとなります。酒はないので替わりにお茶を、「長いなり」(オカラのことを“切らず”ということから)や「カマゾコ」(かまぼこではなく御飯のお焦げつまり“釜底”)、タクワンは玉子の巻焼きのつもりという珍妙な御馳走をもって花見へ。花見へ繰り出す道中や現地での騒動、まことに春らしく賑やかで陽気なこの季節にふさわしい噺で、あちこちの落語会でもこの時季よく掛けられます。

この噺のなかに「“気で気を養う”ということを知らないかんで、心まで貧乏すな。気は持ちようやっちゅうねん」というセリフがあります。ボロは着てても心は錦。ここに我々庶民の生き方を示唆してくれている深~い教えがあるように思います。
そんな大層な

   
                                     【写真は紀州粉河寺の桜です】

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2 コメント

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Unknown (対馬太郎)
2009-05-02 10:20:54
酒柱、忘れてまっせ。紙の羽織着た占いの先生もいたはりましたな。おサキはんのエエ匂いの染みついたおこしを万幕代わりにしたり、あれは面白い話ですね。私はこの噺の一番手は、やはり仁鶴さんやと思うてます。
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そうですね (nob)
2009-05-03 10:34:54
仁鶴さんの”貧乏花見”よろしいな。ニンに合うてます。昨年のこの時季はお弟子さんの仁勇さん、今年は仁嬌さんでこの噺を聞かせてもらいました。ご両人ともに師匠の口跡を引き継ぎながらも個性を出してはりました。仁鶴さん、エエお弟子さん育てたはります。ウンウン。
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