明日のリサイタルの作品紹介もあと二作品を残すばかりとなりました。
まずは「身投げ救助業」菊池寛。
菊池寛と言えば「父帰る」と反射的に思い出す人が多いと思います、教科書に載っていたし覚えやすいタイトルですし(^^ゞ
菊池寛は文筆家のほかに、事業家や翻訳家としての顔も持つ多彩な人。
そしてユーモアを含んだペーソスたっぷりの小説をたくさん書いています。
今回朗読する「身投げ救助業」はまさにその真骨頂。
なかなか他の人には書けない感じですね。
京都のおばあさん(おばあさんと言いつつ、43歳っていうのがまず衝撃。明治大正の頃は、43歳は老婆だったんですね!)が、身投げ者を助け、政府から報奨金をもらい、郵便貯金に預け入れる。
とっても良いことをしている自分。
しかしある日、貯金がごっそり引き出されてしまい、世をはかなんだ彼女が選んだ道は…。
すべての登場人物に自分自身を投影してしまう、私の好きなお話です。