4/3のリサイタルも一週間後と迫ってきました。
私は音楽出しがちゃんとできるかどうか、日々気がかりですが、朗読メンバーはとても元気です。
今日は、「雪女」をご紹介します。
雪女は誰でも知っているお話ですが、小泉八雲の文章は、一文が短くて、日本人の私たちには慣れない筆運びという感じです
「怪談」のくくりに異論はないのですが、良く読んでいくと、これは実は恋のお話なんだなと思うわけです。
あの吹雪の晩、雪女は巳之吉に恋をしてしまいました。
雪女の恋は叶って、二人は夫婦になるのですね。
彼女は大変立派な女性で、巳之吉はもちろん、お姑さんにも良く仕えて、10人の子供を産み、かわいがって育てているのです。
そんな雪女を巳之吉は裏切りました。
彼女の気持ちを思うとき、15年(だいたいそのくらいじゃないかなと…(^^ゞ)の歳月をかけて作り上げた愛する家庭をこわした巳之吉へどんな感情を抱くのか、
セリフは、大変難しいです。
雪女は出ていきますし、そこにいる巳之吉の感情や振る舞いは分かりません。
しかし、恐らくは巳之吉は生涯自分の浅はかな口からポロっと出た言葉が引き起こした現実に苦悶するに違いないと思います。
お話にはそこまで書かれていませんが、ドラマの前後に思いをはせることは、朗読に深みを与えてくれるものです。
リサイタルでは、愛情、忍耐、母性、献身、許し、決別、怒り…、すべての女性がもつ豊かな感情を読み手がどう表現してくれるのか、皆様どうぞ楽しみにお聴き下さいませ。
ラフマニノフの「ボカリーズ」、いかにも吹雪く雪山を連想させる静かな曲に乗って始まり、サンサーンスの二短調のバイオリンソナタがあらわす不安、悲歓、荘厳、崇高さで物語はクライマックスを迎えます。
あ~、雪女は、私が最も好きな演目の一つです(^^♪!