浮島ヶ原自然公園 公園レポート

静岡県富士市にある自然公園です。
このブログでは、浮島ヶ原自然公園の日々の様子についてお知らせしていきます。

カヤネズミの巣がありました

2012-12-27 17:51:48 | 浮島ヶ原自然公園の生き物
枯れたヨシが刈られた園内で、アゼスゲがあった場所をガサガサと探してみました。
目的は、カヤネズミの古い巣です。
一昨年もこの場所で巣の残骸があったので、もしかしたらあるかも…と思って探してみたわけです。



そうしたら、ありました!
まさか本当にあるとは思いませんでした。
時間が経っているので、若干上の方の葉がほどけてきていますが、それでもきれいな巣です。



さっそくまわりの葉ごと切り取って、管理棟の展示に加えました。
カヤネズミの人形かぬいぐるみと一緒に展示したいなと思っています。

来年度から、浮島ヶ原自然公園が環境省モニタリングサイト1000里地里山調査の一般サイトに内定しました。
その一環でカヤネズミ調査も行う予定です。
園内のどの場所で、どれぐらい営巣しているのか、きちんと調べていきたいと思っています。

クサガメがいました

2012-07-31 16:35:31 | 浮島ヶ原自然公園の生き物
来園者の方から、時々「カメがいますね」と言われます。
公園ガイドをしていてもなかなか出会うことがなく、何ガメだろう?と思っていましたが、先日水中を歩くカメを見つけました。



園内にいたのは、クサガメでした。
一応日本のカメということになっていますが、中国からペット用に子ガメがたくさん輸入されているので、それが増えたという研究者もいます。

ともかく、ヨシを刈った水辺に来てくれたので、これからも時々顔を見せてくれるといいなと思います。

今年はアメリカザリガニがやたら多いです

2011-08-08 00:42:24 | 浮島ヶ原自然公園の生き物
休日になると、親子連れのザリガニ釣りでにぎわっています。



管理棟前の水場で糸を垂らすと、かなりの数が釣れます。
サイズは小さいですが、足下で釣れてきます。



この家族は、入れ物2つにぎっしり入るほど釣っていました。
この写真は、まだ始めたばかりの時です。

管理棟周辺では、異常なほどアメリカザリガニが増えています。
水が澄んでいる時は、目で見てたくさんいることがわかるほどです。

実はアメリカザリガニが大量にいることで、他の水生生物や水草が生育できない状態になっています。
今の公園の水辺には、アメリカザリガニとカダヤシとウシガエル(のオタマジャクシ)ばかりと、外来種だらけです。水辺の生き物の環境としては、非常に貧弱な環境になっているのが現状です。

ですので、アメリカザリガニ釣りは「駆除」ということで行っていただいています。ですので、捕れたアメリカザリガニは持ち帰ってくださいね。また、不用意に他の場所へ放さないようにお願いします。
そして他の湿地の動植物は、基本的に採取禁止とさせていただいています。
また、カダヤシとウシガエルは特定外来生物なので、法律上許可無く採取や持ち出しができません。つまり、網を持ってきても持ち帰れる生き物がいないのが現状です。

それに、水辺にはタコノアシなど貴重な湿原の植物もありますので、立ち入りが制限されているところには入らないようにお願いします。
マナーと熱中症に気をつけて楽しんでくださいね。

牛のような鳴き声の正体

2011-07-17 19:44:51 | 浮島ヶ原自然公園の生き物
ヨシの向こうから聞こえてくる「ンモォー」という鳴き声。
「あれは何の鳴き声ですか?」とよく質問されます。

その正体が表に出てきていました。



でっかいウシガエルです。
このサイズは久しぶりに見たかも…

これまたでっかいウシガエルのオタマジャクシは、園内のあちこちの水辺で漂ったり泳いだりする姿が見られます。
(特定外来生物なので、あまりにもたくさんいる現状は問題なんですけどね)

今の時期、変態したばかりの小さなウシガエルがたくさんいます。
水辺に近づくと「キャッ!」と鳴いて水中に逃げますが、コイツは網で突いても逃げようとしませんでした。

このサイズになると、水鳥のヒナや野ネズミまで食べてしまいます。口に入るものは何でも食べてしまうといった感じです。
どうにかしないとなぁ…

コガネグモに会うことができました

2011-07-09 21:34:04 | 浮島ヶ原自然公園の生き物
なにかと嫌われてしまうクモではありますが、園内のタチヤナギに立派なコガネグモがいました。



黒と黄色の縞模様が特徴です。
よく軒先に巣を作るジョロウグモより、落ち着いた印象です。

性別によって大きさが極端に違い、大きく目立つのがメス。
オスは、茶色一色でメスの1/5ほどの大きさしかありません。

攻撃的なクモなので、地方によっては「クモ合戦」が行われます。
それだけ身近で親しまれるクモだったのでしょうね。

でも、巣を作るために広い空間が必要なこと、体を維持するために多くの昆虫をエサとして必要とすることが満たされなくなってきて、コガネグモが数を減らしています。埼玉県や群馬県では、絶滅危惧I類の生き物になってしまいました。
この富士市でも、近年急速に減っているようです。

コガネグモが住める環境を守っていけるといいなと思います。