設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
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お墓に語りかけ

2011年05月18日 17時14分43秒 | 独り言
「トイレの神様」じゃないけれど 自分も育ての親は、おばあちゃん。
このおばあちゃん、今考えると、本当に変わっていた。

いつも言うセリフが
「人は生まれた瞬間から死へ向かって生きている」
なんとも元も子もないようなセリフだが、今思うと
おばあちゃん、哲学してるねえ~~~!と言ってあげたくなる。
まあ、このセリフの後には必ず
「だからこそ 今を懸命に生きないと」というセリフが続くのだけど。。

小さい頃 母親がフルタイムで働いている家庭というのは当時
非常に珍しく、自分のように幼稚園の送迎から各行事、小学校の行事まで
おばあちゃんが母代理の家は相当少なかった。
だから小学校くらいになると、おばあちゃんが授業参観とかに
来てくれるのはありがたい反面、超恥ずかしく・・・・
若いお母さん達の間に 真っ白い白髪頭、それに着物姿。
これが目立って目立って・・・・で、絶対友達がクスクス笑うのである。
これも嫌で嫌で・・・
いつだったか、意地悪な男子になんでおばあさんしか来ないんだ、変だと
言われ、帰宅するや、学校には絶対に来ないでと泣きながら
おばあちゃんを責めた事もあった。。子供は残酷である。
というより 性格悪い孫である。
それでもおばあちゃんは、怒るでもなく、いやむしろ悲しそうに
「わかったよ、もう行かないから」と何度も言ってた。
ひどい孫である。
そんな事を言った、ひどい孫だが、やっぱり家に帰れば台所で夕飯準備している
おばあちゃんの周りをいつもウロウロしていた。
なんかそれが帰宅した儀式というか、ほっとするというか・・・

ともかく好奇心の塊、珍しい物大好き、若い人大好きの変わった
おばあちゃんだったので、今流行っているもの、最新のものの
話をよく自分から聞き出しては、「へえ~~ 凄い世の中だねえ」
なんて言ってたものだ。

亡くなって、もう10年以上。
今いたら、紹介したい物がいっぱいだ。
まず携帯にパソコンはくらいつくだろう。で、メールも絶対覚える。
便利だねえなんて言いながら、ネットも面白がって使いこなしそうだ。
それに連れていってあげたい場所もたくさん増えた。
あれだけディズニーランドには感動していたから、ディズニーシーに行ったら
楽しめたかもしれない。豊洲とかお台場の街も気に入りそうだ。
街も物もどんどん変わって、自分も年とって曾孫達も赤ん坊から青年期。
でもお墓参りに行くと、お墓だけは変わらない。
おばあちゃんが入った頃のまま、冷え冷えとお出迎えだ。

まあ、変わったおばあちゃんは死ぬ間際まで変わってて
「死んじゃえば、魂も何もないよ。だから墓に来ても
 何もないよ~」なんて謳うように言ってたが
時々 墓参りに行くと、そんな声が聞こえてくるような気がする。

それでもさ、つい墓参りに行くと
おばあちゃんに問いかけてしまうのだよね。
「ちゃんと自分、生きているかなあ」と・・・・
勿論 ただの石だから うんともすんとも言わないけれど・・・


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