「フランチェスコの暗号」というタイトルで、そういう話を読むつもりでいる人。
読むのを止めた方がいい。暗号がメインじゃないから。
じゃあ何がメインかというと、大学生の青春小説(だが爽やかさはない)。
特にプリンストン大学の学生生活の詳細。
ということは、この本を読んで面白いと思う人は、
アメリカの大学について、大学生の日常生活について関心がある人で、
主人公の青年の父親、友人、恋人をメインにする内的葛藤に興味がある人。
つまり、タイトルに惹かれる層とこの本を面白いと思う層は、
まるっきり乖離しているのではなかろうか。
わたしは恩田陸が面白いと書いていたから、この本を読んだんだけどさあ。
ちょっとも面白くなかった。
上巻の3分1くらいでどうにもノレず、読もうか止めようか考えたのだが、
全然すすまない謎の奇書・ヒュプネロトマキアの暗号が、ここから
どう発展・収束するのか気になって、まあ文庫上下巻とはいえ
そんなにページ数ないし、さくっと読んでしまおうと思った。
そしたら……下巻が修行でしたね。
上巻はまだましなのよ。まあ暗号と内的葛藤が半々くらいだから。
でも下巻は内的葛藤が8割。もうええから、暗号の話を進めろっちゅうねん。
どうでもいいんや、青臭い大学生のうだうだは!
20ページごとに残りのページ数にため息をつきながら読んだ。
そしたらね!暗号の話は最後までウダウダですからね!
ああ、上巻の3分の1で止めとけば良かった。
そんな人のために、ざっくりとしたネタバレです。
ヒュプネロトマキアは、結局、フランチェスコがお宝のありかを記し、
それを隠すために書いた書物という話でした。
で、その宝物が何かというと、サヴォナローラの「虚飾の焼却」から救い出した
いくらかの宝。
あれ?みんな焼けちゃったんだっけかな?
まあとにかくそんな感じで、しかも謎解きとして面白い部分はまったくありません。
謎解きはほぼポールが長々と説明して終わり。
どうしてそう推理したかも、他の可能性の道筋もほぼ言及されないまま。
で、別に最後お宝を見つけるということにもならない。
暗号部分も面白くないですからね。
途中でつまらないと思った人は、心置きなく止めて大丈夫ですよ。
最後まで面白くなることはないので。
ポールが長々と説明しているサヴォナローラ部分が納得出来ないよなあ。
あくまでわたしの印象だが、サヴォナローラはフィレンツェでこそ
大勢力だったけど、影響力はその外にはそれほど及ばなかったはず。
サヴォナローラは主にその情熱的な説教で広がった勢力で、
テレビやインターネットがある時代ならまだしも、
実際に現地で聴く範囲の人にしか影響力を及ぼせなかったのではないか。
人文主義者で芸術を愛するフランチェスコが虚飾の焼却の美術品を
救い出そうとしたのはいい着眼点だと思ったけど、
全ヨーロッパがサヴォナローラの影響下にあるように書いてあると白ける。
虚飾の焼却の時に自己犠牲の姿を発揮して……っていうのも、
反発行動を取った時点でフィレンツェ市民に袋叩きだろうなあ。
フィレンツェ市民とはいわんけれども。サヴォナローラ親衛隊に。
あの頃は狂信の渦中にあった、フィレンツェは。
のちのヒトラー政権下のドイツのように。
あとは文章表現が陳腐だった。
まあ好き好きだけれども。わたしはこういうしつこい比喩は好かん。
これは訳ではなくて原文の癖だと思う。青臭いのだ、全体的に。
しかしヒュプネロトマキアなんて書物は初耳でしたよ。
てっきりフィクションだと思ったら実際にある書物なんですってね。
何度読んでも単語として覚えられなかったけどね。
まあ読むことはないだろう。
ぐだぐだした青春物語が7割、ヒュプネロトマキア研究者であった父の回顧が1.5割、
暗号・謎が1.5割くらいの話。
「ダ・ヴィンチ・コード」の成功の追随物。
読み終われたのがうれしい。開放感。あー、大変でした。
読むのを止めた方がいい。暗号がメインじゃないから。
じゃあ何がメインかというと、大学生の青春小説(だが爽やかさはない)。
特にプリンストン大学の学生生活の詳細。
ということは、この本を読んで面白いと思う人は、
アメリカの大学について、大学生の日常生活について関心がある人で、
主人公の青年の父親、友人、恋人をメインにする内的葛藤に興味がある人。
つまり、タイトルに惹かれる層とこの本を面白いと思う層は、
まるっきり乖離しているのではなかろうか。
わたしは恩田陸が面白いと書いていたから、この本を読んだんだけどさあ。
ちょっとも面白くなかった。
上巻の3分1くらいでどうにもノレず、読もうか止めようか考えたのだが、
全然すすまない謎の奇書・ヒュプネロトマキアの暗号が、ここから
どう発展・収束するのか気になって、まあ文庫上下巻とはいえ
そんなにページ数ないし、さくっと読んでしまおうと思った。
そしたら……下巻が修行でしたね。
上巻はまだましなのよ。まあ暗号と内的葛藤が半々くらいだから。
でも下巻は内的葛藤が8割。もうええから、暗号の話を進めろっちゅうねん。
どうでもいいんや、青臭い大学生のうだうだは!
20ページごとに残りのページ数にため息をつきながら読んだ。
そしたらね!暗号の話は最後までウダウダですからね!
ああ、上巻の3分の1で止めとけば良かった。
そんな人のために、ざっくりとしたネタバレです。
ヒュプネロトマキアは、結局、フランチェスコがお宝のありかを記し、
それを隠すために書いた書物という話でした。
で、その宝物が何かというと、サヴォナローラの「虚飾の焼却」から救い出した
いくらかの宝。
あれ?みんな焼けちゃったんだっけかな?
まあとにかくそんな感じで、しかも謎解きとして面白い部分はまったくありません。
謎解きはほぼポールが長々と説明して終わり。
どうしてそう推理したかも、他の可能性の道筋もほぼ言及されないまま。
で、別に最後お宝を見つけるということにもならない。
暗号部分も面白くないですからね。
途中でつまらないと思った人は、心置きなく止めて大丈夫ですよ。
最後まで面白くなることはないので。
ポールが長々と説明しているサヴォナローラ部分が納得出来ないよなあ。
あくまでわたしの印象だが、サヴォナローラはフィレンツェでこそ
大勢力だったけど、影響力はその外にはそれほど及ばなかったはず。
サヴォナローラは主にその情熱的な説教で広がった勢力で、
テレビやインターネットがある時代ならまだしも、
実際に現地で聴く範囲の人にしか影響力を及ぼせなかったのではないか。
人文主義者で芸術を愛するフランチェスコが虚飾の焼却の美術品を
救い出そうとしたのはいい着眼点だと思ったけど、
全ヨーロッパがサヴォナローラの影響下にあるように書いてあると白ける。
虚飾の焼却の時に自己犠牲の姿を発揮して……っていうのも、
反発行動を取った時点でフィレンツェ市民に袋叩きだろうなあ。
フィレンツェ市民とはいわんけれども。サヴォナローラ親衛隊に。
あの頃は狂信の渦中にあった、フィレンツェは。
のちのヒトラー政権下のドイツのように。
あとは文章表現が陳腐だった。
まあ好き好きだけれども。わたしはこういうしつこい比喩は好かん。
これは訳ではなくて原文の癖だと思う。青臭いのだ、全体的に。
しかしヒュプネロトマキアなんて書物は初耳でしたよ。
てっきりフィクションだと思ったら実際にある書物なんですってね。
何度読んでも単語として覚えられなかったけどね。
まあ読むことはないだろう。
ぐだぐだした青春物語が7割、ヒュプネロトマキア研究者であった父の回顧が1.5割、
暗号・謎が1.5割くらいの話。
「ダ・ヴィンチ・コード」の成功の追随物。
読み終われたのがうれしい。開放感。あー、大変でした。
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