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超音波システム研究所

超音波の新しい利用に関するブログです

<西田幾多郎と「場」の知>/野中郁次郎による解説

2024-11-23 23:49:37 | 超音波システム研究所2011

西田幾多郎

 

西田幾多郎と「場」の知‐野中郁次郎による解説

 『善の研究』において「純粋経験」という言葉で西田が表現したのは、単なる個人的、主観的体験を超えたところにある、自己の超越でした。それは真理を実在するものとして求める(つまり私と真理が主客の関係にある)「有」の哲学としての西洋哲学へのアンチテーゼといえます。西田は、西欧近代哲学における主客の対立関係を超える物我一体の世界観として、純粋経験をあげたのでした

西田哲学のポイント
 ☐現実をありのままに見る直観 
 ☐「知識」形成の母体としての「経験」の場
 ☐「直観」→「反省」→「自覚」という知識の弁証法的な発展
 ☐「知識」創造を可能にする「場」の重要性
 ☐ 自己と忘我の循環プロセスが「知識」を生み出す

日本人が知的風土としてきた東洋の伝統から、私たちは知識経営のためのもう一つの知の型を学び取ることが可能です。西洋知になく東洋知にあるものとしては、まず経験や実践の重視があげられます。さらにたえず「われ」という主体にこだわり、そこから主観・客観・経験・理性といった二項対立的世界観を導きだす西洋知に対し、東洋知は「われ」という主体の垣根はさほど高くなく、西洋のように個の確立が厳然と要請されているわけでもありません。そのため、「われ」を超えた主客未分や没我、忘我状態での知、自由に視座を移動させ、融通無碍に形を変える視点からの知がたえず探求されてきたのです
こうした東西の二つの図式は、それぞれ「場所的論理」と「主語的論理」とも呼べる異なる推論の図式にまで展開されえます。前者は「場所において見る思考、イメージ的同一性による推論」であり、具体的感覚的な論理だといえます。それは西欧の主語的同一性に基づく推論の前段階ともいえる思考なのです。さらに、両者の論理は日常の中では無意識に用いられており、それらを発展的に統合するものとして、弁証法論理が位置づけられるといえるのです。

 

知識創造の四つの知のタイプの一つ、共同化を代表する哲学者・西田幾多郎は、経験というものをより深部、暗部に降りていくことで「形なきものの形を見、声なきものの声を聞く」ような、経験の純化が得られる、と説きました。西田の中にも「直観」→「反省」→「自覚」という、弁証法的な存在論が語られています。

ヘーゲルが「即自」から「対自」への運動を知識運動の第一歩としてとらえているのに対し、西田は逆に「対自」という客観性を捨て去る「即自」すなわち直観や純粋経験を、知識の動的プロセスの第一歩と考えているところに違いがあるのです。
いわば仏教でいうところの「立処即真」、すなわち起こることすべてが真実である、と体感できるところまで経験を純化させること、それが東洋的知をバックボーンにおく西田の弁証法であった、と理解できます。

西田自身、

「自分は西洋の有の哲学に対して、

無の哲学を打ち立てる」

と宣言しているように、

彼の知はある面では西洋哲学とは正反対のベクトルを持っています。

 

 


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「掟の門」 原作フランツ・カフカ

2024-11-23 22:12:31 | 超音波システム研究所2011

「掟の門」 原作フランツ・カフカ


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これからビジネスはどうなるか

2024-11-23 20:49:36 | 超音波システム研究所2011

 

講演録
第1回講演会(西条会場)
 日時:平成10年10月15日(木)13:00-15:00
 場所:東広島キャンパス法学部・経済学部257講義室
 演題:「これから日本はどうなるか」
  『これから日本はどうなるか』─二○五○年の日本 
ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス名誉教授 森嶋 通夫




未来としての現在 
 よく、現在の日本は、一九二九年の世界大恐慌が始まる直前のような危険な状態であるといわれます。仮に一九九八年をその頃だと仮定して、二〇五〇年を考えるとしますと、ちょうど一九二八年に一九八〇年を予測するようなものです。そんなことが果たしてできるのか。経済学者にはできない。政治学者にもできない。だれもできない。 
 しかし、あえて将来の日本はどうであるかを考えてみます。五十二年後の二〇五〇年に、日本の首脳部や官僚トップにいるであろう五十五歳ぐらいの人は、現在もうすでに生まれたところだ。そのとき大臣や代議士のなかに七十歳の人がいるとするならば、その人は今十八歳で、大学の一年生。ひょっとしたらこの部屋の中にも、二〇五〇年の総理大臣になる人がいるかもしれない、という状況です。 
 そうするとこれは、予測の問題ではなくて、現在の問題なのです。この現状を吟味して、未来を今の若い人たちに期待できるかどうか、という問題であります。ここで当然教育の問題になると思います。どのような教育が日本で行われているかという問題です。




基本の道徳的教育は家庭で 
 教育には、家庭で、学校で、職場でという三つがあると思いますが、イギリスの場合は、家庭ではもっぱら道徳教育で、学校では知識プラス道徳教育、会社教育は技術教育だけです。 
 日本企業に働くイギリス人が「あなたは日本企業をどう思いますか。いい企業だと思いますか。満足して働ける企業だと思いますか」と聞かれ、次のようなことを言うのを聞いたことがあります。 
 「日本の企業はいい企業だ。だが日本の企業は、大人の扱い方を知らない。例えば、遅刻したときに日本の企業はお説教をする。なぜあなたは遅刻したのか、そういう理由で遅刻したら困りますよ、あなたの将来はそういう態度では困る、という説教が長々と続く。これは大人に対する待遇ではない。こんなことは学校でやることで、企業が説教なんかしなくていい。遅刻したら悪いことはみんな知っている。だから、説教せずに、あなたは何時間遅刻しましたね、だから、何十ポンド給料から減らしておきます、それだけでいいんだ。それが大人に対する待遇である」。 
 日本の家庭では、ごく小さいうちから仮名や漢字を教えるなど、知的教育を強調しています。しかし、もっと道徳的な教育、特に、親子間の信頼関係を教え込むことが大切です。親への信頼感を子どもがもち、親も子どもを信頼するのが、子供の家庭教育の一番大切なことだと思います。 
 将来の日本の社会を創っていくためには、子供たちを教育しなければいけない。ところが、終戦のときに導入した教育はアメリカ式教育であるのに、現実の大人の社会はアメリカ社会ではなくて、非常に古い日本社会をもっている。非常に自由な教育を受けて大学を卒業した人が会社に入ると、そこでその人を待っているのは、ガチンとした古い日本の社会です。接続が全然うまくできておらず、日本の大失敗ということだと思います。アメリカ式教育を導入したならば、日本の会社も大人の社会も、もっともっとアメリカ式に自由主義的に、合理主義で動かしていくべきだと思います。  
陣笠政治家と真の政治家のちがい 
 経済界では、経営者と企業家の二つがあります。経営者とは、ただそのまま日々の経営的な事務をやっている人である。企業家とは、特別なアイディアをもち、そのアイディアを実行していくようにみんなを説得する力のある人である。 
 例えば、松下幸之助です。一九三〇年代不況のときに、松下の品物が売れず、在庫がどんどん増えていくので、みんなが値下げをしようと言った。売れ残ったら値下げするのが、その当時の常識でした。しかし松下は「値下げをしてしまったら、いままでがボッていたことになるじゃないか。値下げは絶対しない。そのかわりに生産を止めて、全員セールスマンになれ。在庫が減ってきたら、また生産を開始せよ」と言った。これもひとつのニューアイディアです。 
 政治屋にも、日々の政治的事務をやる人と政治家の二つがいます。政治的事務をする政治家は、日本では「陣笠」と言います。陣笠は政治家ではない。ところが日本の政治家は、全員この「陣笠政治家」である。政治家はアイディアがなければいけない。人のやれないアイディアをもって、そのアイディアで闘うのが政治家なのです。 
 偉大なる政治家というのを思い起こしてみれば、日本人だったら西郷隆盛だし、中国人なら毛沢東だ、イギリス人だったらミセス・サッチャーだ。新しいアイディアを持ち込むのが政治家なのです。選挙とはアイディアとアイディアの闘いなのです。それを見て、どっちが期待できるかという点をみて投票するのが政治である。 
 政治家のアイディアは、みな実行可能で、まわりからのサポートを得られるような現実的なものでなければいけない。理想的アイディアを立てると同時に現実的である、理想主義者であって現実主義者である、しかも、成功しても自惚れない、という組み合わせが政治家には必要な条件です。これは非常にむずかしい。偉大なる政治家もみな、最後には自惚れで失敗したわけです。 
 しかし、現在の日本には、こういう人が全然いない。ミセス・サッチャーやトニー・ブレアーのもっているような理想主義すら、日本の政治家にはない、と言わなければなりません。日本の政治は、大人の世界、つまり村落共同体を維持しようとしている。この日本の村には村長さんというボスがいます。外国の政治ならば、そういう村落共同体があったら、政治家はまずそれをブッつぶして新しいものをつくり上げていくでしょう。 




東アジア共同体の確立 
 教育や政治といった問題をこのように考えていったら、日本の二〇五〇年はどうなっているでしょう。人口は五分の一減って、現在の八〇%になっている。都会も田舎も人口減少です。こういうふうに大変なことになるんじゃ、子どもがかわいそうだ、子どもを産むのをやめておこうということになって、子どもの出生率が下がってくる。こういう話をお聞きになりますと、若い皆さんは、暗澹とせざるをえないでしょう。 
 そこで私は、東亜共同体をつくるというアイディアが、唯一の可能性だと思います。アジアの諸国(日本、韓国、北朝鮮、中国、台湾など)が、ECのような、一つの共同体を創る。 
 ヨーロッパは市場共同体ですが、われわれのところはまず開発共同体にしましょう。中国の奥地には、未開発の資源がどれだけあるのか、だれも知らない。そういうところの資源開発をやって、海岸部へもってきて、工業製品にする。日本の技術力を、そういう奥地開発や、物資の輸送に使う。とくに、資源や製品を運ぶのに、新幹線を貨物列車にして運ぶ。 
 こういう一つの開発共同体ができあがってから、やがてはそれをヨーロッパのように、市場共同体に転換していくのです。そしてこれを実現していくのは、皆さんの中にいる将来の企業家・政治家なのです。 
 最近私は中国の大学で講義しましたが、中国の大学の学生は非常に優秀で、一生懸命です。中国人の学生に「あなた方は中国のエリートでしょう」と言ったら、彼らはすぐ「そうです。私たちはエリートです」とはっきり言う。日本人はなかなか言わない。しかし、大学で勉強する人が、自分自身のことをエリートだと思わなかったら困るのです。エリートの義務、エリートが率先してやるべき責務があるということを、考えなければいけないと思います。 
 講義がすんだら、彼らはドーッと私のところにきて質問をしました。ところが、「自分は留学しようと思うが、ハーバードとシカゴとどっちがいいか」などと、中国の学生の眼は、全部アメリカに向いています。どうしてもアメリカへ行きたい、というのが今の中国の学生です。 
 中国人はこんなふうに切実に、外国と密接に結びつきたいと思っている。それなのに、こういう中国人と、日本人とが、どうして結びつかないのだろうか、と私は感じました。率直に話し合えば、我々は相互に了解することができるはずなのです。
以上




「これからビジネスはどうなるか」と言うことについて上記を参考に以下の点について考え・検討する必要があると思います 
1) 未来のビジネスとして、現在
2) ビジネスの信頼関係
3) ビジネスのアイデア
4) ビジネスの哲学







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西田幾多郎記念哲学館

2024-11-23 20:41:09 | 超音波システム研究所2011

西田幾多郎記念哲学館




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オリジナル超音波プローブを利用した超音波実験(超音波システム研究所)

2024-11-23 19:31:22 | 超音波システム研究所2011
オリジナル超音波プローブを利用した超音波実験(超音波システム研究所)


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Sofia Gubaidulina - Light of the End (2006) - part 1

2024-11-23 19:17:21 | 超音波システム研究所2011

Sofia Gubaidulina - Light of the End (2006) - part 1


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小平邦彦の数学

2024-11-23 19:15:05 | 超音波システム研究所2011

小平邦彦の数学

超音波技術を発展させる
(複雑で難しいものを論理的に考え抜く)ために

1) 数学の重要性を理解する

2) 数学への取り組みを実施する

3) 数学を応用した新しい超音波の利用を進める

 と言うことが必要ではないかと考えています

そこで、「数学者(小平邦彦)」の数学に対する
資料・記事を参考のために提示します


小平邦彦『幾何のおもしろさ』
  岩波書店(数学入門シリーズ)、1985年





また、十八世紀およびそれ以前においては、
ユークリッド幾何がただ一つの公理的に構成された理論体系であった。

だから私は子供に公理的構成の考えを教える材料は
ユークリッド幾何に限ると思うのである。

近年ユークリッド平面幾何は
数学の初等教育からほとんど追放されてしまったが、
それによって失われたものは
普通に考えられているよりもはるかに大きいのではないかと思う。

昔われわれは平面幾何で論理を学んだんですが、
幾何でないと論理を教えてもだめなんじゃないかしら。

代数なんか材料にして論理を教えようと思っても
材料があんまり単純でしょう。 

小平氏は言う。
「わからない証明を繰り返しノートに写してしまうと、
 自然にわかってわかってくるようである。

 現在の数学の初等・中等教育ではまずわからせることが大切で、
 わからない証明を丸暗記させるなどもっての外、
 ということになっているが、

 果たしてそうか疑問である







コメント

 わからない現象を繰り返し実験確認すると、

 自然に問題点が見えてくると感じています



新しいものをつくりだすためには、

第一に、無に耐える力

を身に付けることだと考えます。

「無の哲学」は無に徹し、


何者にも寄りすがらないで
無(考える)ということです。

孤独な思考に耐える精神力が重要です



超音波について
<様々な事項の複数の組み合わせ> 
  ヒーター、オーバーフロー、立体液循環、弾性波、整流、ガイド波、 
  出力、周波数、複数の振動子、制御・・・

Spectral sequences 
appear everywhere in nature
スペクトル系列は自然のいたるところに現れる
(コホモロジーのこころ 加藤五郎著 2003年 岩波書店より)

超音波のような複雑な現象に対する取り組みに
 様々な数学を論理モデルとして利用することで
 本質的な特徴が検出しやすくなるという考え方です。


超音波システム研究所

 

 

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超音波めっき処理:日本バレル工業株式会社 ultrasonic-labo

2024-11-23 19:12:17 | 超音波システム研究所2011
超音波めっき処理:日本バレル工業株式会社 ultrasonic-labo





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小型ポンプを利用した「流水式超音波制御技術」 ultrasonic-labo

2024-11-23 19:04:59 | 超音波システム研究所2011
小型ポンプを利用した「流水式超音波制御技術」 ultrasonic-labo


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宇宙的なリズム

2024-11-23 19:02:26 | 超音波システム研究所2011

宇宙的なリズム

三木成夫
『人間生命の誕生』より 
・・・
われわれの日常を振り返りますと、
このような慾と不安に駆り立てられた時の呼吸には、
全くリズムというものがない。

大抵は息を凝らし、さらには息を殺しております。

これに対して、平常心の時には呼吸のリズムがあります。

これこそ、古生代の昔からえんえんと続いてきたリズムです。

それは、始めにお話しました、あの波打際の、
ザザーッと寄せて、そしてサァーッと引いて行く、あのリズムです。

それこそ宇宙的なリズムではないでしょうか。

お釈迦様の呼吸の教えはこのことではないかと思っております。

コメント
 私は、人が生きて物事を考えるうえで最も重要な視点だと感じました
 最近は、リズムのずれが大きくなっていると思います
( 音波の伝播における、非線形現象を検討するために
  「宇宙的なリズム」をテーマにすることが
  「執念・気合」として必要ではないか
  と考えています )

追記

学問は勝負事ではない。しかし、やはり気合が大切である。
学問は芸術とも違う。しかし、気塊が肝要なことに変わりは無い。
要するに学問することそれ自身が執念です。
(湯川秀樹)

コメント
 物事を深め、探求していくときには「執念・気合」といったものが
 その人間に強く意識されていることに対して
 「創造の奥深さ」を考えさせられます
 もっと、「執念・気合」の強さが必要な気がします

 
超音波システム研究所
ホームページ  http://ultrasonic-labo.com/

 

 

 


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