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「切り回し」と「切り盛り」

もう長年、気になっていることがある。
それは「切り盛り」という表現が世の中に溢れていることだ。

「夫婦で店を切り盛りする」「美人女将が切り盛りする旅館」はよく聞く。
「切り盛り」は「新明快国語辞典」によると
①決まった分量の食べ物を人数に応じて程よく盛り付けること。
②収入の範囲内でうまく処理すること。「家計の切り盛り」などと使うが
企業の経営には、相応しくない。ここは本来「切り回し」ではないのか。
同辞典によると「切り回す」は
「当面やらなければいけない仕事を、次から次へと、うまく処理する」とある。
正に、美人女将や若夫婦の奮闘ぶりにふさわしい。

しかし私の感じでは90%以上が、「切り回す」と言うべき所を「切り盛りする」と言っている。ここまできては、世の流れは止めようもない。

察するに、「切り盛り」は4音で「切り回し」は5音、短いうえに脚韻を踏んでいる前者は言いやすく好感度が高いので、こうまではびこったのだろう。しかもこれまで誰も聞きとがめ、たしなめる人もいなかったようだ。
これを聞く度、軽い不快を感じずにはいられない。ちょうどご飯と一緒に砂粒をかんでしまったような。そういえばこちらの経験も何十年していないが・・・・・・。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (おキヨ)
2009-07-04 11:55:47
お久しぶりです。
引き締まった内容の記事、こちとらの垂れ流し記事とは格段の差を感じます。

〔切り盛り〕が〔切り回し〕より好まれるのは字面も関係あるのでは?^^
 
 
 
Unknown (Bianca)
2009-07-05 23:24:21
おキヨ様、お出で下さり有難うございます。
「盛」と言う字が魅力なんですかねぇ?
明かに間違っているのに絶対多数が支持すれば勝つというのは悲しい定めでしょうね。
 
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