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【映画】ベルリン、僕らの革命

2004 独 126分 原題 《Die Fetten Jahre sind vorbei》 監督  ハンス・ワインガルトナー 出演 ダニエル・ブリュール ユリア・イェンチ スタイプ・エルツェッグ ブルクハルト・クラウスナー 鑑賞 レンタルDVD

物語は、理想主義者の青年A(ダニエル・ブリュール)が、欧米と途上国、国内の貧富の差に怒り、金持を「教育」しようと、警報装置を解除する特技のある友B(スタイプ・エルツェッグ)と留守宅に忍び入っては家具の配置を変えて、「贅沢はもう終りだ」というメッセージを残す。ちょっと鼠小僧やアルセーヌ・ルパンを思わせる行動だけれど、住居侵入だけで、窃盗とか、破壊とかは行わない。あくまで「教訓」を垂れるだけなのだ。この2人に、やはり窮迫しているBの恋人(ユリア・イェンチ)が参加し、やがて3角関係に。このあたりで多少は青春恋愛映画らしくなるが、Bの反応が旧態依然で古い。男2人、女1人と言っても「突然炎の如く」とは全然違う。

カンヌ映画祭でも好評を博し、どのレヴューを見てもおおむね好意的。しかし私にはだいぶ違和感があった。日本の世相とあまりに違うからだろうか。若者と中高年、金持と貧乏人の差は日本より大きい。若者の純粋さ真面目さがまだまだ日本よりは残っている。日本の方が物質的に豊かなのか、金持ちの邸宅を見せられてもそう豪華に思えないし、ヴィーナス像を吊るして処刑するシーンには、ゾッとした。「EDUKATOR」つまり教育者と名乗っているのだが、「再教育」という名目で知識人を収容所に送った国を思い出す。反捕鯨運動者などの心情もこれに通じるものがあるのかなと思った。

68年革命の闘士(ブルクハルト・クラウスナー)がいまや肥満した成功者になっているのは面白かった。自分はどうだろう、と観客(私も含めて)を反省させる「教育」的効果がある。映画それ自体はかなり不器用な作り方で、やはりドイツ特有の生真面目さゆえだろうか。

「白バラの祈り」のユリア・イェンチ「青い棘」「グッバイ・レーニン」のダニエル・ブリュールが、等身大に伸び伸びと演技していた。
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