goo

ユリノキ(百合木)

越してきたばかりの昨年の夏、家の近くを散歩すると、街灯に照らされた街路樹の葉が、道の上に影を落としているのがいかにも都会の風物らしく、はるばるとやって来たなあという感じがした。当時は漠然とすずかけ(プラタナス)だと思い、懐かしい「鈴懸の道」を口ずさみ、季節の挨拶状にも「プラタナスもすっかり葉を落とし」などと書いて喜んでいたが、最近「樹木図鑑」で調べたら、実はプラタナスでも鈴懸でもなくて、聞いたこともない「ユリノキ(百合木)」だとわかった。

北米原産のモクレン科ユリノキ、別名ハンテンボク(半纏木)あるいはチューリップ・ツリー。半纏は葉の形から。ユリノキあるいはチューリップツリーは、花の形からだが、花は高所にあり滅多に見えない。小鳥がついばんで落としてくれる僥倖を待つしかないらしい。葉は大きく、半纏といおうか半袖シャツといおうか、何千と枝に生えた葉が日に日に育っていく、その生命力の強さおおらかさ。これが数メートル置きに歩道にある様は頼もしい。この町は70年代初頭にどっと増えた都心への通勤客のために作られたいわゆるニュータウンで、車を持たない歩行者に住みやすく設計されている。

下二枚は3月下旬に撮影。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「『アララギ... 「ノー・バー... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。