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山川惣治展

平田本陣記念館で開催中。


場所は島根県出雲市平田町。松江の西30㎞、一畑電鉄では雲州平田駅が近い。
「少年ケニヤ」と聞けば子供時代の夏休み、カナカナの声、斜めに射す夕陽と、薄い雑誌の置かれた畳のけばや茶色までもよみがえってくる。主人公の利発そうな無国籍の愛らしい容貌はロマンチックな思いを女の子の胸にも掻き立てた。

てっきり戦前のものだったと思いきや、なんと戦後作られたらしい。敗戦で打ちひしがれた日本人を鼓舞する目的で作ったそうだ。作家は1908(明治41)年生まれ。

山川惣治の風貌は、どこか萩尾望都に似て繊細さがある。

「少年ケニヤ」「少年王者」etc etc晩年に至るまで次々と途切れることなく新趣向を生み出し、そのエネルギーは会場いっぱいに展示されており90歳まで創作した北斎を思い出させる。

また今回初めて行った会場の平田本陣には驚かされた。本陣と言えば「夜明け前」の舞台だが、参勤交代の大名の宿舎として使われたいうのできっと立派だろうと予想はしても、精々上等の旅館くらいと思いきや、これはまるで昨今片田舎にもできている多目的ホール、文化会館なみで・・・駐車場から高みに登っていくアプローチと言い、前庭と言い、度肝を抜く規模である。もともとわが松江市は湿地に建てられこじんまりとした町で余裕はない。だから市外に出ると、出雲市もそうだが、のびのびとして万事豊かな感じがあり、映画館にしても松江は5面だが出雲は10面あるのもうらやましい。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (桃すけ)
2019-04-11 17:56:53
少年ケニア読みました。兄が読んでいた本を私も。
手あたり次第、何でも読んでいたころで、中でも少年ものがお気に入りでした。山川惣治典が開かれているんですね。いいなあ。
無国籍の愛らしい容貌はロマンチックな思いを女の子の胸にも掻き立てた。ほんとうにその通りでした。ああ、なつかしい。
 
 
 
少年もの (Bianca)
2019-04-11 23:24:48
あの頃はTVもなく娯楽も少なく、読書が最良の楽しみで。少年ものの物語も、当時はまだ魅力的でしたね。
残酷さがなく人道的で、女子にも受け入れられました。
やっぱり同世代の空気を吸って育った私たちですね。
 
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