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映画「毎日かあさん」

              

2011 日本 114分v監督 小林聖太郎 原作 西原理恵子 音楽 木村充揮(憂歌団)「ケ・サラ」
出演 小泉今日子 永瀬正敏 正司照枝 田畠智子  レンタルDVD

毎日新聞の連載コミック「毎日かあさん」の映画化。この人には「この世で一番大事なカネの話」という著書があり、理論社のよりみちパン!セに入っている。彼女の画は、一言にして強烈な「ヘタ」さかげんで、その位置に居直っているが、これだけ売れて儲かれば、無理はないと思える。それによって家が建ち、子供二人とお母さんと病気の夫を養って、海外旅行の費用も出るのだから。

さて映画では、永瀬正敏(夫)と正司照枝(実母)田畠智子(助手)の演技が好感が持てた。小泉今日子(西原理恵子)は、「グーグーだって猫である」でもマンガ家・大島弓子を演じたが、おなじ40代でも大島は独身で、西原は夫子持ち、作風も空想的と現実的と両極端なだけに、前作と違うのは当然ながら、絶望の果てにどん底で達観した女性の洗いざらしの風貌はよく出ていた。ふたりの間の自然さは永瀬と小泉が夫婦だったことも影響しているかも。しかし、漫才じゃないんだから夫の頭を張るのはどうかと思う。「酔いがさめたら」のように言葉で傷つけるよりはましかもしれないが。

「酔いがさめたら、うちに帰ろう」の原作者は夫で「毎日かあさん」は妻、同じアルコール依存症でも前者は寒々としてやり切れず、後者には救いがあるのは、女性の強い生命力がその違いをもたらしているのか。
「いけちゃんとぼく」が夫の、「女の子ものがたり 2009」は妻の子供時代を描いているが、この女性は節目ごとに不幸になるような選択をしているようであった。彼女のマンガが大衆の共感を呼ぶということは、不幸な人が多いという事かと思う。憂歌団の木村充揮の声は久しぶりで聞いたが、憂歌(ブルース)はいかにもこの映画にふさわしい。 

→「いけちゃんとぼく 2009 」 11-8-28
→「酔いがさめたら~ 2010」 11-5-15
→「グーグーだって猫である 2008」8-9-14
→「聖★おにいさん」 13-9-2
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