映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【本】黒薔薇(くろしょうび)
2008年06月22日 / 本
著者 吉屋信子 初出 1925年 発行者/年 河出書房新社/2006年
吉屋信子の月刊個人雑誌というより冊子で、わずか8ヶ月、8号で終ったが、当時1万5千の予約購読者がいたとか。
この本は偶然、松江市立図書館で見つけた。茨の絡みつく十字架の前に膝まづく少女(松本かつぢ・表紙絵)が国籍不明の背景に描かれなんとも不思議。十字架の上に誰もいない。これは、キリストは頼むに足りず、自分自身が、茨と十字架の道を歩くと言う決意とも受け取れる。(単なる無知によるのかも知れないが)
「ある愚しき者の話」には、他の小説と違い、同性愛を生き抜いた彼女の生の声が出ている。女教師と生徒のほのかな愛が引き裂かれるという設定は特に目新しくはないし、文章もこなれていないが、これだけは言いたいという熱意がひしひしと伝わるため80年後の読者をもひきつけるのだろう。
設定は「花物語」の「黄薔薇」と酷似している。人物名でいうと樋口和子は「玫瑰花(はまなすのはな)」の女学生と同姓同名であり、主人公の教師・滝川章子は「屋根裏の二処女」の主人公滝本章子と一字違い、その後日談らしい。
2003年大阪で読んだのが、不二出版(2001年刊)。そちらは本書よりも忠実な復刻版で、とりわけ男性読者の声もきかれる投書欄には非常に興味をそそられた。
吉屋信子の月刊個人雑誌というより冊子で、わずか8ヶ月、8号で終ったが、当時1万5千の予約購読者がいたとか。
この本は偶然、松江市立図書館で見つけた。茨の絡みつく十字架の前に膝まづく少女(松本かつぢ・表紙絵)が国籍不明の背景に描かれなんとも不思議。十字架の上に誰もいない。これは、キリストは頼むに足りず、自分自身が、茨と十字架の道を歩くと言う決意とも受け取れる。(単なる無知によるのかも知れないが)
「ある愚しき者の話」には、他の小説と違い、同性愛を生き抜いた彼女の生の声が出ている。女教師と生徒のほのかな愛が引き裂かれるという設定は特に目新しくはないし、文章もこなれていないが、これだけは言いたいという熱意がひしひしと伝わるため80年後の読者をもひきつけるのだろう。
設定は「花物語」の「黄薔薇」と酷似している。人物名でいうと樋口和子は「玫瑰花(はまなすのはな)」の女学生と同姓同名であり、主人公の教師・滝川章子は「屋根裏の二処女」の主人公滝本章子と一字違い、その後日談らしい。
2003年大阪で読んだのが、不二出版(2001年刊)。そちらは本書よりも忠実な復刻版で、とりわけ男性読者の声もきかれる投書欄には非常に興味をそそられた。
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