映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【映画】合唱ができるまで
2004年 仏 1h38 監督 マリ・クロード・トレユ
出演 クレール・マルシャンとパリ13区立モーリス・ラヴェル音楽院合唱団
原題 Les metamorphoses du choeur
月イチ名画上映会@高槻市生涯学習センター多目的ホール
パリ13区。週に一度、総勢100名のアマチュア合唱団のメンバー達が集まり、女性指揮者クレール・マルシャンのもと、教会でのミサコンサートに向けて練習に励んでいる。日々仕事に追われる大人から、子供達やティーンエイジャー、余暇を楽しむ老人まで。オーディションから発声法、パート練習からリハーサルまでが映し出され、彼らの努力や成長していく姿が丹念に綴られる。
昔パリから「木の十字架合唱団」が来たしこの前「コーラス」と言う映画も見た。合唱はウイーンのみにあらず。それより、私が小学校の時、NHKの学校合唱コンクールに、5、6年生からなる20名の合唱団の一員として暑中練習に狩り出された。(課題曲「花のまわりで」)
指揮は30歳前後の女先生だったが、小兵ながら横に張った体型、顔は中日の山本昌に似て、大体において不機嫌な上、予期せぬ時に爆発するものだから、生徒たちは戦々恐々、私もすくんでしまい、抜けようにも抜けられず、あれは恐怖の夏として記憶に焼付いている。勿論、予選落ちした。
それに比べればさすが芸術と自由の国、この合唱団の指導者は熱心だがおそろしくはない。第一、オーディションで選ばれているメンバーだから、本人の意思と能力はある程度保証済みだ。ただティーンエイジャーのクラスでは仏頂面も見られたが、万国共通の思春期現象だろう。
自国語を大事にするフランス人、フランス語の発音は、幼少時から徹底的に鍛えられているせいだろうか、来日した要人の話も、割と聞き取りやすいし(理解できるかどうかは別)さらに、音楽と語学の能力は正比例するような気もする。耳のよさによるのか。だが、この映画、各パートが練習をし、いよいよ発表会で舞台に立った時、さあ、圧倒的な大音量が楽しめるぞと期待していたら、何と、練習とは別の曲で、それも音も小さく、すーっと消えてしまった。肩透かし。
結局印象に残ったのは、指導者の女性たちの情熱と声量だけのような気が。まあ、素人芸をお聞かせするのはどうも・・・と言う、謙虚なあるいは気難しいフランス的芸術家気質から来るのだろうか。
※13区とはパリの南にあり、アジア・アフリカ系の住民が多いらしい。そのわりに、白人のメンバーが大半なのは、宗教が関係しているのかも。合唱といってもミサの曲ばかりでは、私が住民だとしても2の足を踏むだろう。しかし「キリエ・エレイソン:主よ憐れみたまえ」と言う歌詞は耳にこびりついた。聞きながら、きだみのるの自伝「道徳を否む者」(07/4/17)で、このラテン語が出てくるのを思い出した。ジョゼフ・コットもきだみのるも無神論者なのに、ふたりの出会いと別れに、この曲がつきまとっていた。それだけキリスト教は、フランス人とフランス文化に深く根ざしているのかも知れない。
出演 クレール・マルシャンとパリ13区立モーリス・ラヴェル音楽院合唱団
原題 Les metamorphoses du choeur
月イチ名画上映会@高槻市生涯学習センター多目的ホール
パリ13区。週に一度、総勢100名のアマチュア合唱団のメンバー達が集まり、女性指揮者クレール・マルシャンのもと、教会でのミサコンサートに向けて練習に励んでいる。日々仕事に追われる大人から、子供達やティーンエイジャー、余暇を楽しむ老人まで。オーディションから発声法、パート練習からリハーサルまでが映し出され、彼らの努力や成長していく姿が丹念に綴られる。
昔パリから「木の十字架合唱団」が来たしこの前「コーラス」と言う映画も見た。合唱はウイーンのみにあらず。それより、私が小学校の時、NHKの学校合唱コンクールに、5、6年生からなる20名の合唱団の一員として暑中練習に狩り出された。(課題曲「花のまわりで」)
指揮は30歳前後の女先生だったが、小兵ながら横に張った体型、顔は中日の山本昌に似て、大体において不機嫌な上、予期せぬ時に爆発するものだから、生徒たちは戦々恐々、私もすくんでしまい、抜けようにも抜けられず、あれは恐怖の夏として記憶に焼付いている。勿論、予選落ちした。
それに比べればさすが芸術と自由の国、この合唱団の指導者は熱心だがおそろしくはない。第一、オーディションで選ばれているメンバーだから、本人の意思と能力はある程度保証済みだ。ただティーンエイジャーのクラスでは仏頂面も見られたが、万国共通の思春期現象だろう。
自国語を大事にするフランス人、フランス語の発音は、幼少時から徹底的に鍛えられているせいだろうか、来日した要人の話も、割と聞き取りやすいし(理解できるかどうかは別)さらに、音楽と語学の能力は正比例するような気もする。耳のよさによるのか。だが、この映画、各パートが練習をし、いよいよ発表会で舞台に立った時、さあ、圧倒的な大音量が楽しめるぞと期待していたら、何と、練習とは別の曲で、それも音も小さく、すーっと消えてしまった。肩透かし。
結局印象に残ったのは、指導者の女性たちの情熱と声量だけのような気が。まあ、素人芸をお聞かせするのはどうも・・・と言う、謙虚なあるいは気難しいフランス的芸術家気質から来るのだろうか。
※13区とはパリの南にあり、アジア・アフリカ系の住民が多いらしい。そのわりに、白人のメンバーが大半なのは、宗教が関係しているのかも。合唱といってもミサの曲ばかりでは、私が住民だとしても2の足を踏むだろう。しかし「キリエ・エレイソン:主よ憐れみたまえ」と言う歌詞は耳にこびりついた。聞きながら、きだみのるの自伝「道徳を否む者」(07/4/17)で、このラテン語が出てくるのを思い出した。ジョゼフ・コットもきだみのるも無神論者なのに、ふたりの出会いと別れに、この曲がつきまとっていた。それだけキリスト教は、フランス人とフランス文化に深く根ざしているのかも知れない。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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これ渋谷で公開されていて、新聞の映画評も素晴らしかったのですが、観に行けませんでしたわ。
そちらで公開されているのですね?
「コーラス」のようにDVDになるかしら??
そちらでも評判がよかったのですね?今回は1日限りの上映でした。ここの上映作品は厳選された良質なものが多くてよく行きます。「コーラス」のように有名人が出てもいないし、地味なドキュメンタリーですのでDVDになるかどうかは、ちと微妙です。でも、パリとフランスが大好きな貴女にはおすすめですわ。思わず、一緒になって発声練習をしてしまいますよ、きっと!
あいにく貴台ご紹介の映画は観ておりませんが、小学校時代の体験談を拝読してくだんの映画を思い出しました。ご覧になると、当時がよみがえるかも知れません。
当時はよく音楽映画を見せられましたねぇ。「野ばら」(57年西独:維納少年合唱団もの)「朝な夕なに」(57年西独。17歳の高校生が、「真夜中のブルース」を親友の墓前で吹奏します。女教師への失恋は「野ばら」も一緒)つい最近も「野ばら」を借りて見たんですよ。「朝な夕なに」も、もう一度みたいです・・・・
DVDになりまして観ました!
いやはやスッゴイ地味な作品でしたね。途中で寝ちゃいそうでした。
予告観ていたので少々期待しちゃったりしましたが...
昨今、宗教離れが盛んなフランスのようですが、でも、でもやはりフランス人にとってキリスト教とは切っても切れない人種のようですね。